森岡毅氏「刀」が横浜“新テーマパーク”構想にも関与…年間来場者数目標1500万人達成のために「決定的に足りないもの」【専門家が解説】

2010年、当時経営危機にあったテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(以下、USJ)のマーケティングを主導し、業績をV字回復させたことで、高い評価を集めた森岡毅氏。

その後、森岡氏はUSJから独立し、2017年にマーケティング精鋭集団「株式会社 刀」を設立。「ネスタリゾート神戸」や「西武ゆうえんち」、「ハウステンボス」など、数々のテーマパークのマーケティングやコンサルタントを担当してきた。

イマーシブ・フォート、ジャングリアと立て続けに不調が続いている刀だが、「週刊文春」によって、神奈川県横浜市旭区に2031年開業予定の大規模テーマパーク「KAMISEYA PARK(上瀬谷パーク・仮称)」に関与していることが報じられた。

森岡氏率いる刀は、果たして今後“USJ復活劇”の頃のような輝かしい実績を残せるのか――。

今回はテーマパークや遊園地事情に詳しい日本遊園地学会会長の塩地優氏に、刀のこれまでの実績や、課題、横浜の新テーマパークの今後などについて解説してもらった。(以下「」内は塩地氏の発言)

記事前編は【手がけたテーマパークが続々と苦境に…森岡毅氏・刀「失敗続き」の要因となった「最大の弱点」と改善点とは【専門家解説】から。

高クオリティなアトラクションは困難

横浜市の大規模テーマパークに関する刀の“懸念”とは具体的にどういったことなのか。塩地氏に詳しく聞いた。

「三菱地所が主導する本プロジェクトでは、“世界に誇るジャパンコンテンツとジャパンテクノロジーを活用したワールドクラスの次世代型テーマパーク”というコンセプトが土台にあります。そのコンセプト通り、日本の人気漫画やアニメ、キャラクターといったIPをメインにコンテンツを展開するとみられています。

そしてこうしたIPビジネスは、テーマパーク事業者側にとって、低コストで人気IPのイベントを開催でき、その作品やキャラクターのファンを丸々顧客に取り込むことができるというメリットがありますが、IPホルダー側にとっても大きなメリットがあります。

あくまで一例ですがディズニーランドでは、80年以上前の映画作品である『白雪姫』のアトラクションやグッズが、いまだに人気を集めています。このようにテーマパークなどでIPを使ったコンテンツを展開することは、すなわちそのIP自体の寿命や人気を延ばすことに繋がるのです」

テーマパーク事業者側とIPホルダー側がWin-Winになれるわけだ。

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「ただしそのためには、テーマパークには恒久的に人々に楽しんでもらえるような、クオリティの高いアトラクションがなければなりません。しかし先に説明したように、現状、刀の作るアトラクションは基本的に人を使ったイベント系のもの、あるいは他の映像に差し替えが簡単な映像シミュレーション的なもののみ。IPホルダー側が求めるアトラクション基準に達することは、現状の刀では到底難しいのではないかと言えます。

(報道されたような)刀の“失策”の裏には、こうしたIPホルダー側からの要求に応えられなかった、あるいは自分たちの作るアトラクションの形に収めようと交渉した結果、IPホルダーから不満を買った…というような事情が推測できます」

週刊文春の報道では、国民的人気を誇る作品『ONE PIECE』のIPホルダーである集英社を激怒させ、パーク参画を辞退されたとも。塩地氏が刀の最大の弱点として指摘する“高クオリティなアトラクションが作れない”という点が露呈してしまったのかもしれない。

(※編集部注:刀はホームページ上で週刊文春の報道について「当社はいかなるプロジェクトにおいても、作品・著者、作品にかかわるすべての方々、作品を愛するファンの皆さまへのリスペクトを大切にしてコンテンツ開発の協業やそれに向けた協議を日々誠実に実施しております。IPライセンサー様に対しても、記事にあるような業界のルールを逸脱する不適切な提案をした事実はございません」等の見解を示している。

詳細は⇀https://katana-marketing.co.jp/news/detail_218.html

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