「Kate」「よしたか」…京都・嵐山で竹林への落書き急増、「景観台無し」と一部伐採へ
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美しい竹林が広がり、国内外から観光客が訪れる京都・嵐山の「竹林の
アルファベット、平仮名、漢字…
「Kate」「よしたか」。17日、大勢の観光客でにぎわう「竹林の小径」を歩くと、道の両脇に植わる竹の表面に名前とみられるアルファベット、平仮名、漢字が複数、刻まれているのを確認した。
友人と訪れた愛知県春日井市の女性会社員(34)は「あちこちに落書きが刻まれている竹があって、ひどい行為だと思う。景観が台無しになっている」と残念そうだった。
市風致保全課によると、小径沿いには約2・3ヘクタールの市有地があり、推計で7000本の竹が自生する。担当者が10月6日、小径に接する竹を調べたところ、約350本で被害を確認した。京都府警によると、竹への落書きは、器物損壊罪にあたる可能性がある。
京都府立植物園によると、竹は表面を傷つけられて枯れたり、倒れたりする可能性は低いが、傷は一度つけられると残り続けるという。
日英中韓の4か国語で注意
被害の深刻化を受け、商店街などの地元団体は10月、竹の傷を緑色の養生テープで隠した。10月以降、小径の柵や人力車約50台に、日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語で「竹林を壊さないで!! 落書きは犯罪です」と記したポスターを掲げ、警告している。
11月5日には、市や地元住民らが緊急の対策会議を初開催。市は近く、市有地で被害に遭った竹を含めた30平方メートルの竹を試験的に伐採することを決めた。
「竹林の小径」を含む嵯峨嵐山区域は、多くの和歌に詠まれた景観が評価され、古都保存法で歴史的風土特別保存地区に指定されている。木や竹も伐採は、原則認められていないが、景観維持のための特別な措置で、観光客の手が物理的に届かないところまで竹林を後退させるのが狙いだという。
市の橋本操・風致保全課長は「竹林は市民の共有財産。特に嵐山は地域の協力で景観が保たれており、故意に傷つけられたことは大変遺憾だ」と話した。
地域住民も市の伐採方針に理解を示している。嵐山商店街の石川恵介会長(56)は「気持ちよく観光してもらえる状況ではなく、地域も困っている。落書きはやってはいけないことだと理解してもらいたい」と話す。
竹林の落書き被害は、過去にもあった。2018年には、日付と名前が刻まれるなど約100本の竹で被害が確認され、市は柵を設置するなどした。コロナ禍で人出が減り、一時、被害は減ったが、にぎわいの回復とともに今春から一気に落書きが目立つようになったという。
全国的な悩み
観光地や寺社での落書き被害は全国で相次いでいる。
8月には、明治神宮(東京都渋谷区)で東神門(重要文化財)にアルファベットのような文字が刻まれていた。春日大社(奈良市)では9月、本殿の東回廊(重文)の柱などに落書きされた「愛」「永遠」と読める文字が確認された。
オーバーツーリズム(観光公害)に詳しい龍谷大の阿部大輔教授は「落書きは模倣されるパターンが多く、放置すると更なる被害を生む。罰金の導入など厳しい対応も視野に入れてもよいのではないか」と指摘する。
◆ 竹林の小径 =野宮神社から天龍寺北門、大河内山荘庭園まで続く約400メートルを中心とした散策路。両脇に青々とした竹が茂り、日本を代表する景観の一つとして知られる。平安時代には貴族の別荘地としても利用されていたという。