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世界で唯一無二の陶器で出来た三柱鳥居。その誕生秘話とは?

※2024年9月29日にYahoo!ニュース【諫早市】のタブへ掲載したものを改修して掲載しています。
この記事は2024年9月の地域クリエイターMVAを受賞しました。

前回、諫早神社の魅力を掲載しましたが、そんな諫早神社の境内に2024年9月に新たなスポットが誕生しました。

「三柱鳥居が完成しました。ぜひ、観にきてください。」と諫早神社の宮司、宮本さんからご連絡いただき、それならば、ぜひお話を聞きたいとお伝えし、わくわくしながら約束した日にお伺いしました。

すると、筆者の予想を超えるお話が待っていたんです。


現代に復活した陶器の鳥居は、新たな歴史を刻むため蘇らせた。

実は諫早神社には100年以上前、当時全国にもほとんどない陶器でできた鳥居が実在していました。現在の社務所の正面玄関前にあったことが、記録に残っています。

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諫早神社の宮司さんから、貴重な本を観させていただきました。

陶器の鳥居があった場所は現在、クスノキたちがそびえったっています。

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諫早神社のクスノキ群。長崎県の重要文化財に指定されています。

当時では陶器で出来た鳥居は、かなり珍しかったと思われます。さらに境内には江戸期に作られた池があり、県内三大名庭として知られていました。

しかし、昭和32(1957)年7月25日の諫早大水害で鳥居は流され、池は流れてきた土石流で消失してしまい、今やその姿を見ることはできません。

現在の参道にある鳥居は、水害後に建てられたとのこと。陶器の鳥居は、復元する以前にすでにその当時の技術では、再現が難しかったらしく復活はできなかったようです。

それから月日は流れ平成30(2018)年。この年は諫早神社創建1290年、水害から65年の年に「御神苑(ごしんえん)」を作る計画が立ち上がりました。作る場所はまさに県内三大名庭があった場所。その中で陶器の鳥居の復活も計画されることになりました。

しかし、ただ復活するだけではなく、現代の新たな歴史を刻むため、世界に一つだけの『白い陶器の三柱鳥居』として現代に蘇らせることにしました。


白い陶器にこだわった理由

諫早神社が発行しているフリーペーパー〝四面宮ものがたり〟のなかにこんなお話があります。

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写真提供 諫早神社

大宝元年(701年)、行基は熊本県・天草から雲仙の噴煙を見て、雲仙を求法の地と定め、この地にやってきます。そして、行基は祈願を続けながら山の主を尋ねました。
すると、空中に30メートルほどの白い大蛇が現れ、行基を見ると、たちまち四面の美女となりました。行基が「あなたは何者ですか」と尋ねると、「私は九州の守り神である」と答えて大きな光を放って消えました。

※四面宮ものがたりより、一部抜粋

この四面宮ものがたりに伝わっている、伝説の白い大蛇に見立てて、建立する鳥居は白い陶器でできた鳥居にすることを決めたといいます。

このお話を聞いてる最中に宮本さんが「でも雲仙といえば活火山ですから、もしかしたら、そこから出てくる白い煙が白の大蛇に見えたのかもですね。」と冗談をいったのも印象的でした。

九州の総守護の神社だからこそ、こだわった九州産。そこにかかった予想以上の年月

「鳥居は最初、すぐに完成すると思っていました。まさかこんなに時間がかかるとは思ってもいませんでした。」と宮本さんは苦笑いしながら仰いました。

実は陶器の鳥居を作るには、現代の技術ではかなり難しいのです。筆者も最初は「こんなに色んな技術が発展してる世の中なのに、なんで難しいの?」と思いましたが、お話を聞いたら納得しました。

宮本さんがとにかくこだわったのは「九州のもの」で作ること。「長崎産」であること。

そこで目に付けたのは、長崎の波佐見焼です。

波佐見焼で使われている原料となる陶石は、熊本の天草でとれたもの。まさに「九州のもの」で作れます。

しかし、現代の陶器職人さんのほとんどの方が、食器より大きな作品を手がけたことはありません。食器より大きなものを作ったことがなく、ノウハウもなかったため、最初は前向きではなかったといいます。

諫早神社は九州の総守護の神社です。だからこそ、建立する三柱鳥居も「九州」で作られたものでありたい。その思いで、陶器の専門家の方にご相談しながら進めてきました。

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※特別に許可を頂いて、間近で撮影させていただきました。

特に苦労したのが、鳥居の笠木(さかき)という部位です。
陶器は焼き上げると最初の大きさより約16%も収縮されるといいます。丸いお皿を作る場合だと均等に縮こまるのですが、変形したものだと均等に収縮せず、いびつに焼きあがってしまいます。

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※特別に許可を頂いて、間近で撮影させていただきました。

笠木はまさに変形したところ。最新技術の3Dプリンターで型を作って、焼き上げても、失敗してしまい、何度も作り直したといいます。

「本当に大変だった」とその時のことを思い出されてたのか、言葉に詰まりながら宮本さんは仰いました。

波佐見の窯業技術センターなど専門家のご協力のもと、この笠木になんと二年の月日を要しました。

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上は最新技術との融合で作られ、柱はなんと、昔からの技術である、ろくろで作られたとのことです。柱をよくよく見てみると、少しいびつな形をしており、人の手で丁寧に作られたことがわかります。

今までの歴史と一緒に、これからの新たな歴史を刻む新スポット「三柱鳥居」

拝見することは出来ませんが、この三柱鳥居の根元には、色んな陶器の破片が埋め込まれています。これは諫早大水害の時に土砂とともに、諫早神社に流れてきた陶器だそうです。

三柱鳥居は全国的にもいくつか存在しますが、陶器の三柱鳥居は全国でもここだけ。世界で唯一無二の三柱鳥居になります。

今までの歴史と一緒に、新たな歴史を刻むスポットになるんだなと感じました。

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写真提供 諫早神社

今回は三柱鳥居にスポットをあてましたが、御神苑全体にも色んな職人さんたちの凄い技術が使われています。

ぜひ、諫早神社に行って、実際に見てほしいです。


【諫早神社】

住  所:長崎県諫早市宇都町1-12

電  話:0957-22-2073

営業時間:午前9時から午後5時 (不定休) ※参拝は年中無休

駐車場:あり

アクセス:諫早インターチェンジから10分・鷲崎町交差点から10分・長田バイパス入口から11分・愛野交差点(国道57号線)から22分・長崎空港から27分

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