駆け出した履正社の三塁コーチ「敵味方関係なく」、役立った備え
(23日、春季近畿地区高校野球大会1回戦 立命館宇治11―9履正社) 履正社が3点リードで迎えた四回の攻撃。三塁コーチ・貝塚隼人(3年)が、マウンドに向かって駆けだした。 【写真】「西谷先生」と呼ばれる意味 大阪桐蔭の勝利至上主義じゃない指導法 その直前、強い打球が立命館宇治の投手・坂本有央(あお)(2年)の右足に直撃していた。 貝塚は、どこに打球が当たったのかを坂本に聞き、冷却スプレーで右足のすねを冷やした。 「ちょっと足が楽になった。大阪で1位になっただけある素晴らしいチームだと思った」と坂本は感謝する。 貝塚は言う。「敵味方関係なく、できることはしっかりやろうと、常に行こうと心がけている」 昨秋は三塁手でレギュラーだった。だが、今年2月に虫垂炎で入院してから調子を落とした。チームに貢献したい、と、練習試合のときから三塁コーチに自主的に入るようになった。 とはいえ、慣れない役目だ。最初のころは、冷却スプレーを忘れてコーチスボックスに立つこともあった。常に気をつけてユニホームのズボンの後ろポケットに入れるようになった冷却スプレーが、この日、役に立った。 試合後、多田晃監督は「気配りをしなアカンよとは言っていましたが、すぐに行ってくれましたから、いろいろ見てくれてたんですね」と目を細めた。 試合は、七回に6失点するなどし、9―11で初戦敗退した。長打力が自慢の貝塚は「チームのためにできることを考え、しっかり結果を残せるようにがんばります」。夏には再びスタメンを勝ち取る決意だ。(仲程雄平)
朝日新聞社