涼しげな「水うちわ」 夏本番を前に岐阜で製作最盛期
夏本番を前に、岐阜県美濃市の古川紙工で目にも涼しげな「水うちわ」の製作が最盛期を迎えている。 ぬれたような光沢と透明感が特徴の水うちわは、竹の骨格に薄い和紙「雁皮紙(がんぴし)」をはり付け、天然由来のニスを塗り重ねて作られる。工房では、切り込みが入れられた約2・5メートルの竹の棒にうちわを固定し、約10日間自然乾燥させて仕上げる。 古くは長良川上流でできた美濃和紙を船で運び、下流で加工してさまざまな特産品が作られてきた。そうした歴史を重んじて、同社は老舗うちわ製作店「住井冨次郎商店」(岐阜市)から事業を継承。同店4代目店主の住井一成さん(63)に明治期から伝わる伝統技法を教わりながら、今年初めて製作をしている。 絵柄は従来の鵜飼(うか)いなどに加え、古川紙工のデザイナーによる独自の柄も考案。7月末までに約30種類、およそ300本を製作する予定だ。 同社岐阜うちわ事業部長の井戸亨さん(42)は「伝統工芸に触れたことのない人にも良さを知ってほしい。優れたデザインのうちわを残していけるよう挑戦したい」と話した。【山崎一輝】