「93万枚」が廃止されていたマイナンバーカード このままでは“第2の住基カード”に? 「多くの人が“便利さ”を感じていない」
身分証明もできない
健康保険証や運転免許証との一体化にも疑問の声が……。 《マイナンバー制度が始まった当初、それは「色んな物に紐付く究極の個人情報」と言われていて、絶対に外部に流出させないために通知カードを携帯することなく家で保管しておくように、とされていた。/それがマイナンバーカードを作り始めて、それポイントにしたり免許証や保険証の機能をつけ始めて、日常で使えるようにしましょう、と言うのは話が違う。面倒な更新手続きが1つ増えただけ。しかもそれを利用しようとする割に、年末調整や確定申告のような手続きは未だに煩雑なものを自分でやらないといけない。色々な物に紐付けているなら、そんな申請しなくても自動で機械的に作業が出来るはず。迷走していてわけがわからない制度としか思えない》 あれだけ“便利”と言っていたマイナンバーカードだが、身分証明書としての役割すら不十分であることは少なくない。本人確認にマイナンバーカードと運転免許証の2つを求められることもあるからだ。 《笑ったのがマイナンバーカード再発行で身分証明書求められたこと/「これ免許証と合わせてたらどうやって本人確認するんですかね?」と聞いたら返答なかったよ》 また“コンビニでも戸籍証明書が取れる”との売り文句だったが、実際には、まず本籍地の市区町村に利用登録を申請しなければならず、それが完了するのに数日かかり、土日だと受け取れないことも……。デジタルを謳うマイナンバー制度とは何だったのか、根本的な疑問が生じる。 かねてよりマイナンバーカード不要論を訴えていた経済評論家の荻原博子氏に聞いた。
本末転倒の普及策
「コンビニで戸籍証明書が受け取れただけでもラッキーですよ。自治体によってはシステムが未対応で利用できないケースもありますから」(荻原氏) なぜいまだに、そんな状態なのだろう。 「マイナ保険証で言えば、そもそもカードの普及を目的として健康保険証を廃止するという手法が本末転倒で、結局、マイナ保険証への一本化はできず、従来の健康保険証とそっくりの資格確認書が発行されるようになりました。保険証廃止の延期が繰り返され、東京の世田谷区や渋谷区では、マイナ保険証を持っていようといまいと住民に資格確認書を発送するようになっています」(荻原氏) 便利が売りだったのに? 「日本の特に政府が行うITの導入は、逆に不便になることが多い。一度はマイナンバーカードを作ってはみたものの便利さを感じず、更新時期がきてもそのままという人が少なくないのだと思います」(荻原氏) そのむかし“インパク”こと「インターネット博覧会」という、実際の博覧会を模したインターネット上のイベントがあったことをご存じだろうか。 「ITを“イット”を読んだといわれる森喜朗首相の置き土産として知られ、2000年の大晦日から1年間、インターネットの普及を狙って110億円もの予算を投じた“世界初”を謳った大イベントでした」(荻原氏) 聞いたことがないという方もいるだろう。