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【スクープ】最高裁判事が「(統一教会に対し)教義を広めること自体が違法」と主張。法律家が「信教の自由を侵害」する愚昧。もはや日本は法治国家ではない【仲正昌樹】

  

 沖野氏は更に、統一教会の伝道の被害を受けた人は、「被害者から加害者へ転じるという点も特徴的です。この点はマルチ商法との類似性があるわけです」と、全国弁連の弁護士でさえ言わないようなことを言っている。

  前回BEST T!MESに投稿した「統一教会に解散を命じた東京高裁はまさに〝異端審問〟だった」で、東京高裁の三木素子判事が、統一教会の教義を勝手に解釈し、その“教義”を信じ続ける限り、高額献金被害はなくならないと決め付けたことが、信教の自由の観点からいかに深刻な問題か論じたが、教義を伝えるだけでMC(マインド・コントロール)効果があり、新たな被害者を生み出すことになるので布教自体違法と断ずる、沖野氏の認識はそれより遥かに危険だ。布教自体が違法というのは、一体どこの国のいつの時代の話だ。

 東大の法学部長を務めた法学者が、二年前に反統一の会合で、一貫して反統一な態度を取り続けた自分が特別抗告の審理に当たるのは公平性に欠けると思わなかったのか? 自分から申し出て辞退する気にならなかったのか? 最高裁の事務局がこのことを知らなかったとは思えない。わざと、判事の中で一番反統一な沖野氏が所属する小法廷に担当させたとしか思えない。

 彼らは、「統一教会側は弁護士も含めて間抜けだからどうせ気付かない。マスコミは反統一なので、どんな手段であれ、統一潰しに文句を言わない。国民は何も考えていないから、自分たちがこれで問題ない、と言ったら、簡単に信じる」、くらいに思ったのだろうか?

 抗告人に敵対する勢力に属する判事に、こんな重大な事案の審理を任せるのがまともな法治国家のすることか? 最高裁は自分たちのやっていることが恥ずかしくないのか? 裁判をただのパワーゲームではなく、公平さを追求する場である法律家、法学者はこの事態に怒るべきだ。

 

文:仲正昌樹 

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✳︎重版御礼✳︎

哲学者・仲正昌樹著

『人はなぜ「自由」から逃走するのか

エーリヒ・フロムとともに考える』(KKベストセラーズ)

 

「右と左が合流した世論が生み出され、
それ以外の意見を非人間的なものとして排除しようとする風潮が生まれ、
異論が言えなくなることこそが、
全体主義の前兆だ、と思う」(同書「はじめに」より)
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仲正 昌樹

なかまさ まさき

1963年、広島県生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。専門は、法哲学、政治思想史、ドイツ文学。古典を最も分かりやすく読み解くことで定評がある。また、近年は『Pure Nation』(あごうさとし構成・演出)でドラマトゥルクを担当し、自ら役者を演じるなど、現代思想の芸術への応用の試みにも関わっている。最近の主な著書に、『現代哲学の最前線』『悪と全体主義——ハンナ・アーレントから考える』(NHK出版新書)、『ヘーゲルを超えるヘーゲル』『ハイデガー哲学入門——『存在と時間』を読む』(講談社現代新書)、『現代思想の名著30』(ちくま新書)、『マルクス入門講義』『ドゥルーズ+ガタリ〈アンチ・オイディプス〉入門講義』『ハンナ・アーレント「人間の条件」入門講義』(作品社)、『思想家ドラッカーを読む——リベラルと保守のあいだで』(NTT出版)ほか多数。

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