3歳女児死亡事故 被告に有罪 母親「繰り返さないで」 水戸地裁判決 茨城
茨城県水戸市大工町の交差点で2025年11月、横断歩道を渡っていた女児=当時(3)=が乗用車にはねられ死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた同市元山町1丁目、自動車教習所の運営会社の元社長、鯨岡則雄被告(58)の判決公判が22日、水戸地裁で開かれ、山崎威裁判官は拘禁刑2年、執行猶予3年(求刑拘禁刑2年)を言い渡した。 山崎裁判官は判決理由で、被告が交差点を左折する時に横断歩道の歩行者の確認を怠ったこと、女児が亡くなったことを踏まえ、「(量刑は)やむを得ない」とした。また、女児は青信号を守り横断歩道を渡っていたとして「被害者に落ち度はなく、被告の過失は依然として大きい」とした。一方、被告が事故を起こそうとして起こしたわけではなく、反省の態度を示しているなどとして、刑の執行を猶予した。 被告は、黒のスーツに紺色のネクタイで出廷。判決文を読み上げる裁判官を真っすぐ見ながら、内容を聞き入った。公判が終わると裁判官に一礼し、検察官の横に座る女児の母親に向けてもう一度、深く一礼した。 判決によると、被告は同年11月18日、同市大工町の交差点で、安全確認が不十分なまま左折し、横断歩道を歩いて渡っていた女児を乗用車の左前部ではねて転倒させた上、左前輪でひき、外傷性くも膜下出血により死亡させた。 閉廷後、女児の母親が取材に応じ、「(現場の交差点で)同じ事故が繰り返さないようになってほしい」と話した。 ■左折レーン内側に区画線 国交省・県警、対策乗り出す 水戸市大工町の交差点で横断歩道を渡っていた女児が、左折車両に巻き込まれ死亡した事故を受け、国土交通省や県警は対策に乗り出した。その一つが左折レーンの内側に引いた白い区画線(ゼブラゾーン)だ。白線を避けて左折することで車の進入角度が緩み、横断歩道や歩行者を正面から確認しやすくする狙いがある。 常陸河川国道事務所によると、ゼブラゾーンは1月に設けた。事故後の2025年12月に県警と交差点を確認し、「今の線形は左折車両と歩行者が鋭角で交わるため、運転者から歩行者の姿が見づらい」と分析。横断歩道の見通しを良くする工夫を施した。 4月末はドライバーの注意喚起として、「左折時横断者注意」と記した黄色い反射素材の看板も交差点手前の2カ所に取り付けた。 女児の母親は、歩車分離式信号の導入を訴えている。県警は、警察庁が通達した「歩車分離式信号に関する指針」(同年1月)を踏まえ、導入の可否を国などと検討中だ。交通量が多く、渋滞への影響も考える必要があるという。
茨城新聞社