日本も標的に… 「従順な女性」を求めてアジアに移住する“ミソジニー欧米人”が増えている
「彼の爪切りする」アジア人女性が大バズり
近年、「パスポート・ブロ」関連のコンテンツが欧米のSNSを賑わしている。パスポート・ブロとは、「女性らしく従順なパートナー」を求めて、アジアや南米などに移住する若い欧米人男性を指す。 【画像】日本も標的に… 「従順な女性」を求めてアジアに移住する“ミソジニー欧米人”が増えている 彼らは、コロナ後に急速に普及したリモートワークやデジタルノマド向けのビザといったスキームを活用して海外へ渡る。移住先でのパートナー女性との生活ぶりをSNSで発信するインフルエンサーも多く、英誌「エコノミスト」がそのうちのひとりである米国人男性マイクに取材している。 彼は数年前、「米国人女性は、男性を粗末に扱っていいと洗脳されている」と感じてタイへ移り住み、そこで理想の女性と出会った。マイクのSNSには婚約者パフォンが床にひざまずいて彼の爪を切る動画などが投稿されており、数千人のフォロワーが彼女の献身に「畏敬の念を示している」という。 同じくパスポート・ブロで、ベトナムに暮らすオースティン・アベイタは、「パスポート・ブロは2026年における究極のライフハックだ」と語る。関連コンテンツのなかには、各国女性を「女らしさ」「伝統的」「甲斐甲斐しさ」などで格付けしたものもあるという。 移住先で人気なのは、タイやフィリピン、ベトナム、ブラジルやコロンビアなどだが、なかには日本や韓国など東アジアを目指す人たち向けに情報を提供するサイトもある。 パスポート・ブロが急増する背景には、欧米の若年男性の保守化がある。仏調査会社イプソスなどが約30ヵ国を対象に実施した調査によれば、Z世代の男性の58%が「女性はすでに充分な権利を獲得している」と回答。さらに約3分の1が「妻は常に夫に従うべきだ」と答えている。 欧米各国では高学歴・高収入の自立した女性が増えるなか、「マノスフィア」と呼ばれる男性至上主義のオンラインコミュニティが拡大している。 彼らはジェンダー平等によって男性の権利がないがしろにされていると主張し、ミソジニー(女性嫌悪)的なメッセージを発信する。パスポート・ブロの多くはマノスフィアの層と重なり、男性としての誇りを取り戻すため、海を渡るという。
背景には「社会不安」
米テキサスA&M大学の社会学准教授ジュリア・メザロスによれば、こうした現象は新しいものではない。長年、国際的な婚活ビジネスを研究してきた彼女は、豪オンラインメディア「カンバセーション」への寄稿で、社会情勢や経済が不安定化すると、多くの人が伝統的なジェンダー観に解決策を見出そうとすると指摘する。
COURRiER Japon