中東情勢を巡るエネルギー危機への対応として、日本政府はアジア有志国で脱炭素を進める「アジア・ゼロエミッション共同体」(AZEC)の枠組みを利用し、アジア地域に総額約100億ドル(約1・6兆円)の支援を表明しました。オーストラリアのローウィ研究所インド太平洋開発センター、リサーチフェローのグレース・スタンホープ氏は4月末、「日本は新たな発展の道を切り開いているが、誤った方向を向いている」とする論文を発表し、日本のエネルギー支援や安全保障協力などを巡る問題点を指摘しました。
――AZECの支援をどう評価しますか。
日本は東南アジアの再生可能エネルギー分野で最も重要な開発パートナーの一つとみられています。日本外交の重要な一部になっていると思います。
ただ、今回の支援のなかで、域内全体に対する再生可能エネルギー支援は限定的でした。AZECによる危機対応で、再生可能エネルギーへの対応が非常に弱かったのは懸念材料です。発展途上であるアジアの将来の(エネルギー危機による)ショックへのレジリエンス(回復力)を築くためには、化石燃料から脱却する真剣な努力が必要です。
【連載】読み解く 世界の安保危機
ウクライナにとどまらず、ベネズエラやイラン、台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ450人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。
■日本のOSA 支援対象国の…
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