外国人との秩序ある共生へ=超党派で共生社会基本法制定目指す=政財界120人で国民運動発足
東京の衆議院第一議員会館国際会議室で4月21日、日本の国家戦略を根底から揺り動かす歴史的な会合が持たれた。「外国人との秩序ある共生社会を実現する基本法制定を目指す国民運動」の発足だ。会場には与野党の国会議員や経済界、労働政策の専門家ら約120人が集結した。単なる人手不足を補うためのイベントではない。加速する人口減少と国力減退のリスクを正面から見据え、これまでの「場当たり的」な政策から脱却し、法整備という強固な国家の屋台骨を再構築しようとする戦略的転換点といえる。外国人材共生支援全国協会(NAGOMi)の広報誌5月号から以下、要約抜粋した。 本運動を主導するNAGOMiの武部勤会長(元自民党幹事長)は、冒頭の挨拶で強い危機感を表明した。武部氏は、昨年11月の國松孝次・明日を創る財団会長の提唱を契機に、「『場当たり的な外国人政策ではなく、全省庁・全都道府県が協力できる基本法を共に協力してつくっていこう』との発想は我々の考えと全く同じであり、これが国民運動へと発展させる契機になった」と明かした。 主張の核心は、受け入れる外国人を「単なる労働力」と見なす従来の視点を排し、「生活者の目線で迎え入れるべきだ」とするパラダイムシフトにある。向上心あふれる若者を地域社会の一員として包摂するこの視点こそが、社会分断を回避し、共生を日本の新たな成長エネルギーへと変換するための「一丁目一番地」であると、武部氏は力説した。 政治サイドも党派の壁を越え、法整備の必然性で足並みを揃えた。自民党グローバル人材共生推進議連の平沢勝栄会長は、高市政権の施政方針に則り、基本法が「政府・与党が目指す秩序ある共生社会づくりを支える政策の骨格になる」と明言。山下貴司元法相も、排外主義を否定した上での「ルールに基づく共生」の重要性を説いた。また、日本維新の会の藤田文武共同代表は、感情論による社会分断を危惧し、「社会全体を見据えたグランドビジョン」の必要性を訴えた。 塩崎恭久NAGOMi副会長は、過去の政策が「国家としての哲学なき部分的な制度改正」に終始したと総括。この超党派の動きは、基本法が単なる行政の調整事項ではなく、日本の国格を左右する国民的コンセンサスへと昇華しつつある現状を裏付けている。 呼びかけ人からは、実体経済を蝕む現場の危機感と、歴史的教訓に基づいた提言が相次いだ。國松孝次氏は、外国人問題を「人口減少という最重要課題」と一体で捉えるべきだと指摘。特筆すべきは、田中克之氏が言及した1990年代の日系人受入れにおける失敗の教訓だ。当時の「出稼ぎ」としての不安定な間接雇用が招いた社会的不安を、新たな基本法でいかに克服するかが問われている。 ゼンショーホールディングスの小川洋平社長が語る「地域の食のインフラを支える欠かせない仲間」という現場感覚は、法整備の遅滞が社会インフラの存続を脅かしている現状を浮き彫りにした。松浪健四郎氏や毛受敏浩氏が唱える「歴史認識」や「日本人の意識変革」への言及は、法制度という器の中に、いかに「共生の魂」を吹き込むかという深い洞察を含んでいる。 会合で採択された趣意書は、国民の間に広がる「秩序・治安への不安」と「経済が回らなくなる持続可能性への不安」を直視し、基本法制定を通じてこれらを「不安を希望へ」と転換する国家的枠組みの構築を宣言した。 目指すべきは、多様性を活力に変える「共生先進国モデル」へのアップデートだ。単なる労働力の補填ではなく、世界中から意欲ある人材が「信頼され選ばれる国として再生する未来を切り拓く」。この決意こそが、停滞する日本社会に射し込む新たな希望の光となるだろう。