「サーヴァント、アルターエゴ、マスターの呼び声に参上した!よっしゃ!噛まずに言えた!貴女が俺のマスター・・・ってメディア!?」
「……嘘でしょ」
「……?えー、俺の事覚えてる?」
「今思い出したわ……アサシンを呼ぶつもりだったのに」
第五次聖杯戦争、キャスターの枠に選ばれた英霊はコルキスの女王メディア。別名『裏切りの魔女』と呼ばれた彼女は再契約したマスターから魔力供給がされず(というより魔術師ではないから出来ず)の為、霊脈や魂食いで更には聖杯の仕組みを理解し新たな戦力としてアサシンを呼び出そうとしたがあれま不思議。
赤い魔方陣からノリノリでやってきた琥珀色の目をした普通の男の子が自分の名前を呼んだ瞬間、彼のサーヴァントであった記憶が駆け巡る。
「……キャスター」
「宗一郎様!?」
「彼は誰だ?うちの学校の生徒ではないようだが……?」
「あっ、どうも初めまして!メディアのマスター!俺は藤丸立香です!メディアのサーヴァント?いや元マスター?どっちだっけ?」
「……どっちも合ってるしどっちも間違えてるわよ。全く……とりあえず坊やは門番よ。というか坊やは何が出来るの?」
首を傾げながら自分のできる事を考える。どうやら自分でも把握出来てないらしく、メディアはハァ…とため息をついた。
「……うーん。縁のある英霊から宝具を一時的に借りられると、令呪消費すれば英霊呼べる。あっ、マシュの盾なら魔力無しで使えるよ。真名開帳は無理だけど」
「坊やシールダーじゃないしステータス幸運値以外全部Eじゃない。盾を持つどころか宝具も借りれても振り回すのが精一杯でしょ……」
「……うん。まあ、あっ!?でもでも!王様の宝具は使えるよ!賢王の!」
「後が怖いから止めなさい。『不敬である』とか言って怒られるわよ?というより貴方じゃ魔杖持てないでしょう」
「くそう!こういう時の筋力値が憎い!」
「諦めなさい。貴方、魔術の才能からっきしだし」
「ぐはっ!普通にトドメ刺すとか酷くね!?あっ、礼装くらいなら使えるか……」
概念礼装ならまあ『鋼の鍛錬』とか『月霊髄液』とか色々役に立ちそうだし……。
まあ『鋼の鍛錬』に関しては耐久値Eだから防御力20%上がっても耐久値Eだから全く意味ないよ!ステータスゴミか!チクショウ!!
「坊やは門番よ。サーヴァントの真名を言えば貴方と認識してくれるようだし。まあ後は頑張りなさい」
「投げやり!?こんな寒い中門番!?せめて服が欲しいです!」
「ゴネるとこそこなのね……すみません宗一郎様。何か防寒着を彼に渡してくれませんか?」
「ああ、今持ってくる」
今の俺はカルデアの正装なので冬の門番はキツイ。スタスタと小走りで防寒着を取りに行くメディアのマスター。それを申し訳無さそうにしているメディアだが、メディアの頰が赤い。
おやおや?これはまさか……
「……惚れた?」
「ば、ババババカじゃないの!?マスター!?私は再契約に申し出てくれたマスターに少し関心があるだけ!!好感が持てるとかそういうのじゃなくて……!」
「大丈夫だよメディア。聖杯戦争勝ち抜けば受肉くらいなら出来そうだし、それに元マスターを舐めちゃいけないよ?」
「ステータス幸運値以外Eがどっからその自信が湧いてるのかしら……」
「ヒドくね!?地味に気にしてるから!!」
涙目になりながらも俺は葛木さんから防寒着を貰い、大人しく門番をする事になった。
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門番になってから3日が経った。ずっと門番しているわけではないし、メディアの主婦業の手伝いや料理の味見、マスターである将棋を指したりして楽しい時間も合ったが……
「…………………………暇だ」
この一言に尽きるのか思わず呟いた。
「暇ならさっさと楽にしてやろうか?アサシンのサーヴァントさんよぉ?」
「!」
ぐでーっと寝そべっていた藤丸だが、階段の下から声がしたので起き上がる。そこには紅い朱槍を持ち、全身青タイツで獰猛な顔をしたクランの猛犬。
別名槍ニキが立っていた。
「おー、ランサーの枠では槍ニキが召喚されてたのか。何かしっくり来ると言うか何というか……」
「……?何だ?俺の事知ってるような口ぶりだな」
「知ってる知ってる。クランの猛犬でアイルランドの光の御子。スカサハの弟子でその手に持つのは因果逆転の呪いの心臓を穿つ槍、ゲイボルグだしルーンの使い手としてキャスターの枠でも召喚されるでしょ?」
俺が知り得る情報を開示すると槍ニキは怪訝な顔をしていた。ありゃ?ダメだった?
「……テメェ何もんだ?何で俺を見ただけでそこまで知ってる?生前で俺はお前みたいな奴に会ったことないぜ?」
「うん。まあそうだな……。説明面倒くさいからもう言うよ。ーーークーフーリン」
「テメェ……ッ!?」
俺が真名を言うと槍ニキは朱槍を落として頭を抱える。「大丈夫!?」と聞けば「何しやがった!?」と返される。ごめんアニキ!
「あー、絆が深いせいか意外と情報が多いのかも、メディアより周回とかでお世話になったしね」
「……ああテメェそういう事かよ!?坊主テメェ!?」
どうやら全て思い出せたようだ。槍を拾いズンズンと足音を鳴らしながら俺に近づく。しかも後ろから武蔵ちゃんの仁王様が浮き出て見える!?やらかした!?やらかしたのか!?
「あれ?もしかして怒ってる!?」
「怒るわそりゃ!何で坊主がアサシンやってんだ!」
「俺もメディアに召喚されるとか思わなかったんだもん!!てか俺アサシンじゃないし、アルターエゴだし!」
「あぁ?あー、あの毒婦とかバレエの嬢ちゃんとかと同じじゃねぇか」
「魔神さんとリップもね。俺も呼び出されると思わなかったし……」
メディアは魔術と裁縫関連でめっちゃ助かった。カルデア正装もほつれとか色々ヤバかった時とか呪い関連は即ルルブられた。
多少どころじゃない縁があったんだろう。
「……ん?じゃあ坊主今何歳だ?」
「ふっふっふ、永遠の17歳!!」
「昔のアイドルかよ。死因は何よ?」
「老衰だよ。マシュと子供が最後を看取る所まで覚えてる」
「ほー。やるじゃねぇか坊主。まさか嬢ちゃんと子供作って幸せに暮らしていたなんてよぉ〜」
いつの間にかタバコ吸っているクーがニヤニヤしながら俺を宥める。くそう!全盛期からあんまし伸びなかったからアニキの身長差がムカつく!!
「マシュも俺もヘタレだったからね昔は。あーマシュの話してるとマシュに会いたくなってきた!」
「呼べばいいじゃねぇか?」
「ううん。マシュは戦いにもう巻き込みたくないんだ。ギャラハットの力を持ってても、マスターとしてじゃなくて一人の女の子を巻き込みたくないんだよ」
「なんだちゃんと男やってんじゃねえか坊主。写真とかねえの?」
「たまに清姫来るから無いよ……流石に見せたら暴走しかねないし」
「あー、アイツか。まさか経験積みか?」
「………うん」
「苦労してんなぁ坊主。同情ならしてやるぜ」
「くそうまさかアニキが言うか!?メイヴとかメイヴとかメイヴとか偶に師匠!女難スキル持ちは俺だけじゃないだろ!」
「バッカお前!!呼ぶんじゃねえぞ!それに女難で言えばディルじゃねぇか!!俺に振るんじゃねぇ!!」
「メイヴとかオルタに師匠ならすぐ呼べるけど?」
「やめとけ!イレギュラー過ぎて話ややこしくなるわ!」
「うーん、残念☆」
「坊主、覚悟はいいよなぁ。見ねえ内に生意気になりやがって」
「俺を殴るなら決死の覚悟を抱いて来い!!」
「うっせえ!!」
「あだああああああ!!??」
槍のとんがった所で結構強めにぶん殴られた。女難スキルA+でしょ!クーだって!!チクショウ幸運値仕事して!!
せめてもの抵抗としてメイヴと師匠を呼び出し、クーをチャリオットで追いかけさせ地獄の鬼ごっこをさせた!クハハハ!!
えっ?イレギュラー過ぎて混乱する?知らん!責任はアニキへどうぞ!!
最近ではクー・フーリン追いかけ勢にモルガンも入るのかなー?