IBM 5550 & PS/55 BASICバージョンの歴史
マルチステーション5550とパーソナルシステム/55 (以下、IBM 5550とPS/55) の日本語DOSに標準で付属するBASICインタープリターに関連する色々。
IBM 5550 BASICの正体
日本語DOS K3.3では実行ファイル BASIC.EXE の内部に "GW-BASIC 3.2" という文字があることから、米国MicrosoftのIBM PC用GW-BASICのOEMバージョンと思われます。ただし、IBM PCとはグラフィックの仕様が異なるため、一部のコマンドの構文に互換性がありません。別売製品のBASICコンパイラーもMicrosoft BASIC CompilerのOEM(あるいは、IBM PC用のOEMバージョンであるIBM BASIC Compilerの移植)です。
BASICインタープリターのバージョンごとのコマンドの違い
- 次のコマンドがバージョン K2.0 で16色カラー・グラフィック・モード(5551-E型、H型以降)に対応。
- CIRCLE, COLOR, DRAW, GET(グラフィック), LINE, PAINT, PALETTE, PRESET, PSET, PUT(グラフィック), SCREEN (S)
- 次のコマンドがバージョン K2.0 でパス名でのファイル指定に対応
- BLOAD, BSAVE, CHAIN, KILL, LOAD, MERGE, NAME, OPEN, RUN, SAVE
その他のバージョンK2.0, K3.2強化内容
| K2.0 | K3.2 | 強化内容 | |
|---|---|---|---|
| CHDIR | 新規 | ||
| CLS | 強化 | ビューポート、文字表示範囲などを指定した消去 | |
| DELETE | 強化 | 指定した行番号以降の削除 | |
| ENVIRON | 新規 | ||
| ENVIRON$ | 新規 | ||
| ERDEV | 新規 | 強化 | K3.2 : エラー情報が拡張された |
| EXTERR | - | 新規 | |
| GET(ファイル) | 強化 | K2.0 : レコード番号が1から16777215に。 K3.2 : レコード番号が1から4294967295に。 |
|
| IOCTL | 新規 | ||
| IOCTL$ | 新規 | ||
| KEY | 強化 | 強化 | K2.0 : 任意のキー操作の割り込み制御 K3.2 : PF11とPF12、キー割込番号の拡張 |
| KEY (n) | 強化 | 強化 | |
| LOCK | 新規 | ||
| MKDIR | 新規 | ||
| ON KEY (n) | 強化 | K2.0 : 任意のキー操作の割り込み制御 K3.2 : PF11とPF12、キー割込番号の拡張 |
|
| ON PLAY (n) | 新規 | ||
| ON TIMER (n) | 新規 | ||
| OPEN "COM | 強化 | K3.2 : 共用ファイルに対するアクセスの制御 | |
| PLAY | 強化 | 音符を1オクターブ上げるまたは下げる指定 | |
| PMAP | 新規 | ||
| POINT | 強化 | ワールド座業系またはスクリーン座標系の座標を返す | |
| PUT(ファイル) | 強化 | K2.0 : レコード番号が1から16777215に。 K3.2 : レコード番号が1から4294967295に。 |
|
| RANDOMIZE | 強化 | 異なる乱数シードを得るためのTIMER関数の使用 | |
| RMDIR | 新規 | ||
| SHELL | 新規 | ||
| TIMER (F) | 新規 | ||
| TIMER (S) | 新規 | ||
| UNLOCK | - | 新規 | |
| VIEW | 新規 | ||
| VIEWPRINT | 新規 | ||
| WINDOW | 新規 |
バージョンK3.3でグラフィックス支援カードを使った高速描画に対応。
BASICコンパイラー
BASICコンパイラー (BASCOM) はBASICインタープリターと上位互換の言語仕様を持っており、BASIC言語のプログラムを高速に実行できるという触れ込みで発売された、別売のコンパイラーです。
| プログラム番号 | 製品名 | 発表 | 標準価格 |
|---|---|---|---|
| 5600-JJP, 5605-JJP | BASICコンパイラー | 1983年3月 | ¥60,000 |
| BASICコンパイラー バージョン K2.0 | 1985年9月 | ||
| 5605-NBP | BASICコンパイラー/2 | 1988年? | ¥120,000 |
BASICコンパイラー バージョン K1.0
- Microsoft BASIC Compiler Ver.5.3相当
- 5550のグラフィック機能をサポート。
BASICコンパイラー バージョン K2.0
- Microsoft BASIC Compiler Ver.5.6(日本未発売)相当
- カラーグラフィック機能をサポート。
- 倍精度変数、倍精度関数、超越関数をサポート。
- DOSコマンドの実行をサポート。
- ISAM(索引順編成ファイル)をサポート。
BASICコンパイラー/2 バージョン J1.0
- Microsoft BASIC 6.0 Compiler(日本未発売)相当
- OS/2をサポート。
- デバッガー “CodeView”(日本語DOS用およびOS/2用)付属。
- より高速な演算のため、実数表現の内部形式をIEEE形式からMicrosoft Binary形式へ変更。