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怒りを「換金」する情報の毒:「レイジベイト(憤怒を誘う餌)」が壊す社会の輪郭 #エキスパートトピ

政策ディスラプティブストラテジスト、早稲田大学招聘研究員
怒りを誘うことで拡散し、収益を上げることが頻繁に行われるようになってきている。提供:イメージマート

 SNSを眺めていて、思わず反論したくなるような、極端で非常識な投稿に遭遇したことはないでしょうか。それは偶然の産物ではなく、「レイジベイト(憤怒を誘う餌)」という計算された罠かもしれません。インプラゾンビが「数」を追う無機質なスパムなら、「レイジベイト」は人間の「怒り」という強い感情をハックし、社会の分断を加速させるより知的な病理です。

ココがポイント

インターネット上でのエンゲージメントを高めるために使われる操作的な手法で(中略)過去12カ月でその使用頻度は3倍に増
出典:BBCニュース 2025/12/1(月)

脳の脅威中枢に直接働きかけるからだ。それは理性をバイパスし、おなじみの闘争・逃走・凍結反応(中略)を引き起こす。
出典:Forbes Japan 2025/12/22(月)

問題は(中略)スキャンダルやデマ情報を流すことで、収益を上げられる構造になってしまったことで、悪化の一途
出典:徳力基彦 2025/12/28(日)

本能的に怒らせるような動画やミーム、投稿を作成(中略)結果として得られる数千件、あるいは数百万件の共有や「いいね」を享受
出典:BBCニュース 2024/12/13(金)

エキスパートの補足・見解

 「レイジベイト」が蔓延する背景には、SNSのアルゴリズムが「賞賛」よりも「怒りによる反論」を高く評価し、拡散を促す構造があります。「不快な投稿ほど稼げる」という歪んだインセンティブが、意図的な炎上やヘイトを助長し、社会の分断を加速させているのです。

 個人のモラル頼みでは限界があり、今後は次のような政策的介入が不可欠です。

・収益化ルールの厳格化: 批判殺到による「負のエンゲージメント」を収益対象から除外する。

・アルゴリズムの透明化: 欧州のDSA(デジタルサービス法)にならい、怒りを増幅させる仕組みの是正とリスク管理を企業に義務付ける。

・感情管理教育: 情報を「操られていないか」という視点で捉える、新たなリテラシー教育を推進する。

 「レイジベイト」への反応は、投稿者に報酬を与え、分断に加担することに他なりません。個人の「スルー力」だけでなく、法と知性の両面で「感情の搾取」にNOを突きつける必要があります。情報の健全性を守ることは、私たちの精神的平穏と民主主義の土台を守ることそのものなのです。

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ありがとうございます。
政策ディスラプティブストラテジスト、早稲田大学招聘研究員

東京大学法学部卒。マラヤ大学、米国EWC奨学生として同センター・ハワイ大学大学院等留学。東京財団設立参画し同研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、自民党系「シンクタンク2005・日本」設立参画し同理事・事務局長、米アーバン・インスティテュート兼任研究員、中央大学客員教授、国会事故調情報統括、厚生労働省総合政策参与(大臣付)、城西国際大学大学院研究科長・教授、沖縄科学技術大学院大学(OIST)客員研究員等を経て現職。新医療領域実装研究会理事等兼任。大阪駅北地区国際コンセプトコンペ優秀賞受賞。著書やメディア出演等多数。最新著は『沖縄科学技術大学院大学は東大を超えたのか』

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