たづなさんと結婚するトレーナーさんへ、担当バ達からお祝いのメッセージが届きました
皆様こんにちは。トウカです。
今回はウマ娘のヤンデレ小説とか書いてみました。
登場するウマ娘はキタサンブラック、ライスシャワー、ナイスネイチャ、エアグルーヴ、シンボリルドルフ、サトノダイヤモンド、エイシンフラッシュ、トウカイテイオーです。
久しぶりの執筆なので、リハビリも兼ねております。
ネタ的にはn番煎じですので、軽く読んでいただければ幸いです。
尚、言葉遣いや設定などに誤りなどありましたら申し訳ございません……。
2022/07/11 上記一部修正
2022/07/11 以下追記
何ということだあああああ!!!!!
閲覧数、ブックマーク、いいね!、コメントが沢山来ていてびっくりしております!!
拙作を読んでくださった方々、気に入ってくださった方々、感想をくださった方々……。
全ての方に心からの感謝を申し上げます!!
なお、先ほどpixivランキング事務局様よりメッセージが届きまして、なんと拙作がランキングに入りました。
詳細は以下の通りです
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いやもう……こんなに見てくださる方がいるなんて……感謝感激でございます……!!!!!
そして男子に人気ランキングでは再び!!
再び銅メダルですよ!! 銅メダル!!!!!
これも、応援してくださった皆様のおかげです!!
再度、御礼申し上げます!!
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――結婚するトレーナーさんの為にメッセージ映像を撮りましょう!!
目の前のテレビから流れてきた担当バ、キタサンブラックの声が、僕だけしかいないトレーナー室に響き渡る。
賢さトレーニングの一つ『ビデオ研究』。
その準備の一環として、映像媒体の内容を確認しようと再生してから僅か数分後の出来事である。
トレセン学園のトレーナーに就任して早数年。
今、この瞬間ほど、見てはいけないものを見てしまったのは初めてかもしれない……。
彼女の発言を皮切りに、画面外にいるのであろう他のウマ娘達の感嘆の声や賞賛する声が次々に上がっていく。
発言を纏めると、どうやら結婚する僕へのメッセージを録画するつもりのようだ。
現状認識がストップした頭を無理やり動かして吐き出された結論は――リモコンの一時停止ボタンプッシュであった。
――そう。
僕はもうすぐ交際している彼女と――駿川たづなさんと結婚する。
トレセン学園に来てから数年。たづなさんにはよく助けてもらっていた。
トレーナーになったばかりで育成がよくわからなかった時――
担当バとの距離感を上手く計れずにいた時――
トレーニングが行き詰って担当バが伸び悩んでしまった時――
いつも優しく丁寧に、そして親身になって助言をくれた。
そして、いつの間にか好きになっていた。
モテない僕が彼女との距離を詰めていくのは中々に大変だったけど、それでも徐々に、良好な関係を築いていった。
そして告白、幾度かのデートを繰り返し、プロポーズ。
受け入れてくれたことに対する嬉しさと感謝で、一ヶ月経った今でも胸が一杯な自分が少し信じられないくらいだ。
「……とんでもないものを見てしまったな。というか僕が結婚するってこと、どうして知ってるんだ……?」
たづなさんと結婚することは、秋川理事長や桐生院トレーナーを始めとした仲のいい同期トレーナー数人にしか教えていない。
レースの準備やトレーニングも考慮して、担当バにはもう少ししてから打ち明けるつもりだったのに。
でも――
「皆、僕のこと祝ってくれるのか……。
僕の結婚式の為に、こんなことしてくれるなんて……すごく嬉しいよ。いい教え子たちを持ったなぁ……!」
盗み見してるみたいで皆には申し訳ないけど……ちょっと気になるからもう少し見てみよう。
――キタサンブラックからのビデオメッセージ
「では、あたしから始めますね!」
「えーっ、コホン。トレーナーさん、ご結婚、おめでとうございます!!」
「……振り返ってみれば、トレーナーさんと出会って、担当バにしてもらって、沢山のレースを勝ちましたよね」
「初めてG1レースを勝てた時のこと、今でも覚えてます」
「あたしはテイオーさんみたいになれるのかな、って時々不安になることもあったから、
すごく嬉しくて……走ることがもっと好きになったんです!!」
「でも……トレーナーさんが結婚するって知ってから、走っていても全然心が晴れないんです」
「そこまでになって、やっとあたし気が付いたんです」
「あたし、トレーナーさんの事が好きだったんです。トレーナーさんは知らなかったと思いますけど……」
「…………あぁ、あたし、ダメだな」
「……やっぱり、諦めきれません……」
「もう一回、チャンスをください……」
「あたしの方が若いですし……スタイルもいいですし……歌も上手いですし……き、気持ちいいですから」
「必ず……たづなさんよりも私の方がいいって言わせてみせますから……」
「式場に直接行って、トレーナーさんからお返事を頂きますね……!!」
「――もちろん、OKしてくれますよね? ふふっ」
――ライスシャワーからのビデオメッセージ
「えっと、えっと……次はライス、だね」
「その……お兄様、結婚、お、おめで、とう……」
「………………」
「あっ、ご、ごめんね……黙っちゃった……」
「ラ、ライス、本当に、うれっ、嬉しいんだよ……?」
「お兄様が一緒にトレーニングしてくれたから、ブルボンさんに勝てた……」
「ヒールだなんて言われても、ずっとずっと励ましてくれた……」
「そんな大切なお兄様だから、幸せになってくれて嬉しいんだよ……」
「だっ、だから……」
「おっ、お兄様、どうか、お、おしっ、おしあわせ……お幸せ……にっ……!!」
「うっ……くっ……」
「ご、ごめんなさいお兄様……ライス、お兄様に幸せになって欲しいのに……」
「やっぱり……諦めきれないよぉ……」
「ふっ……ぐすっ……ううっ……」
「………………っ!」
「……ねぇ……どうしてたづなさんなのかな?」
「ライス、頑張ったよね? いっぱい頑張ったよね?」
「………………なの、に」
「――なのに、ライスのこと、選んでくれないんだ……?」
「……納得できないよ……もう、ライス、怒っちゃった……」
「式場まで行くから、ライスとお話しよ?」
「お兄様、覚悟しててね……」
――ナイスネイチャからのビデオメッセージ
「……あはは、次はアタシかぁ~……」
「どもども~。トレーナーさん、ご結婚おめでとう」
「――なんてこと、微塵も思ってないんだよね」
「あはは……ごめんね~」
「そろそろ流れ的にわかってるかとはと思うけど、アタシもさ、その……ご多聞に漏れず、ってヤツですよ」
「トレーナーさん、アタシも大好きなんだよ……?」
「担当トレーナーになって、最初の頃とか覚えてる?」
「ふふっ、レースでいい成績を残せなくて……でもね、自信を持たせるために作ってくれた手作りのトロフィーとか……すごく嬉しかった」
「おかげでこんなアタシでも、レースで輝くことが出来た……」
「いつか引退したら、ずっと一緒にいれると思ってたのに……」
「アタシが悪かったのかな……どうせトレーナーさんはアタシの想いになんて答えてくれない、って勝手に決めつけて一歩も踏み出せずにずっとウジウジしてた……」
「でもさ、担当バに一言も報告しなかったトレーナーさんもちょっとズルくない?」
「……それに、隙を見てはトレーナーさんにくっつこうとしたたづなさんもヤな感じだよね………」
「うん、そうだ――」
「アタシは悪くない――」
「アタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くないアタシは悪くない」
「――そうだよね」
「悪いのは――」
「――あ の お ん な だ」
「待っててねトレーナーさん、アタシが助けてあげるから」
――エアグルーヴからのビデオメッセージ
「次は私だな……」
「おいたわけ。まぁ祝うだけは祝ってやる。結婚おめでとう」
「――幸せになれるとは思ってはいないがな」
「はぁ……貴様、自分が夫や父親なんていう役割を担えると思っているのか?」
「無理だろうな」
「普段のだらしない姿を見ていれば、私じゃなくてもわかるさ」
「貴様と一緒にいれる女性など、私ぐらいなものだろう」
「ま、まぁ……オークスや天皇賞で勝てたのは貴様のトレーニングや激励のおかげだ」
「私のキツい態度や言葉に嫌気を差すことなく、パートナーとして支えてくれたことは素直に感謝している」
「その今までの返礼として、貴様のプライベートを支えてやろうではないか」
「掃除や炊事、仕事のサポートはもちろん、よ、夜の相手だって考えてやらんでもない……」
「破格の内容だと思うがな」
「今すぐその女との結婚を破棄するというのであれば、すぐにでも契約成立してやろう」
「だから――楽しみに待っているぞ」
――シンボリルドルフからのビデオメッセージ
「さて、私の番か……」
「トレーナー君、今回の件だが……」
「……どうしてなんだい?」
「君を手放すつもりは毛頭ない、と言ったはずだよ?」
「ダービー、天皇賞、有馬記念……名だたるG1で勝利できたのは、私の実力だけじゃない。君のサポートがあったからだ」
「同じ視座に立って、全ウマ娘の幸福のために尽くすと言ってくれた……他でもない君の、ね」
「それなのに……私という伴侶がいるのにも関わらず……」
「……まさかと思うが、駿川氏と夫婦になれば、私が諦めて身を引くとでも思っていたのかい?」
「ふふっ……軽慮浅謀だな……」
「この私が――皇帝と呼ばれた私が、諦めるわけがないだろう……?」
「ウマ娘を無礼るなよ――?」
「――なんてね、ふふっ」
「全く……手のかかる旦那様だ」
「まぁでも、とりあえずお祝いの言葉は言っておこうか」
「――結婚、おめでとう!!」
「――もちろん、私との、ね」
――サトノダイヤモンドからのビデオメッセージ
「はい、トレーナーさん、サトノダイヤモンドですよ~」
「トレーナーさん、結婚するんですってね」
「突然のことでビックリしちゃいました……でも、それならそうと早く言ってくれれば良かったのに……」
「――この国を一夫多妻制にするのに二日もかかってしまったではありませんか」
「ああ――事ここに至っては、トレーナーさんの気持ちを妨げるようなマネはしませんよ」
「でも、どうしても諦めきれない方々もいるでしょう? 私もその一人です」
「それなら、私たち担当バのことも同じように愛してもらえばいい、というのが私の出した結論です」
「父をはじめ、サトノ家の皆さんにも手伝ってもらって、偉い人たちに法律を変えてもらうの、大変だったんですよ?」
「――はい、これなら誰も傷つかない、敗北者にならない――」
「WIN-WINで素晴らしい解決方法じゃないですか」
「ああ、でも――」
「――あの緑の泥棒猫には、同じ妻として、お仕置きしないといけないかもしれませんね」
「ホント、油断ならないですよね……」
「私がすぐにこの対応をしなかったら――私たちがトレーナーさんの結婚に気が付かなかったら――」
「あの女はトレーナーさんを独り占めしていたわけですよね……」
「はぁ……」
「他の夫人を虐げる夫人は痛い目に遭うのがおとぎ話などでよくあるジンクスですが……」
「そのジンクス、打ち破ってみせますよ」
「今までもレースなどで様々なジンクスを打ち破ってきたじゃないですか。だから大丈夫です」
「トレーナーさん、楽しみにしていてくださいね――」
――エイシンフラッシュからのビデオメッセージ
「トレーナーさん、この度はおめでとうございます」
「さて、お祝いの言葉を言った直後で矛盾していますけど……私も悔しさと恨めしさで心が破裂しそうです」
「なので、サトノダイヤモンドさんと手を組むことにしました」
「サトノダイヤモンドさんと協定を提案された時は悩みましたが……このやり方ならば第二、もしくは三婦人になることが出来る」
「彼女のやり方はもう斜め上でびっくりですよ」
「――おっと、脱線しましたね。とにかく、私もあなたの妻となります。不束者ですが、よろしくお願いしますね……ふふっ」
「あっ、結婚したら、定期的に一緒にドイツへ行きましょうね」
「両親も、貴方に会いたがっていますから」
「早く孫の顔がみたいそうですよ」
「ああ、お金でしたら問題ありません」
「今までのレースで勝ってきた賞金がありますから、トレーナーさんの10人や20人くらい、養うことも容易なのです」
「だから、ブラック労働だらけのトレセン学園に戻る必要なんて、もう無いんです」
「――今まで身を粉にして、私たちのために働いてくれていたこと、知っています」
「G1レースに挑むのを怖がっていた時、優しく私の背中を押してくれましたよね」
「だから今度は、私が貴方の力になる番です」
「それに……今回の結婚だって、きっとたづなさんに無理やり迫られたんですよね?」
「もう安心してください」
「私たちがトレーナーさんを守ってあげます。傍に居てあげます。――愛してあげます」
「……幸せになりましょう」
――トウカイテイオーからのビデオメッセージ
「トレーナー! 結婚おめでとう!!」
「祝福の意味を込めて、ボクからは歌を送るね!」
「恋は~ダービー~☆」
「僕は~ヤンデレ~」
「あぁ~血~祭り騒ぎだ~」
「爆発寸前 怒り~のデスロード~」
「気合入れて 刃物取って」
「変化気付くな マイダーリン~」
「病みの花火 よーいドッカン!」
「ハデに奪え 貞操~」
「覚悟決めて 逆ぴょいしなきゃ~」
「明日? ヤダね 今すぐ~ Fu〇kin~」
「……ふふっ、トレーナー?」
「――に が さ な い か ら ね」
――――――――――――――
――――――――――
――――――
ああ――
少しだけ見て止めれば良かった、全部見るんじゃなかったという後悔と、
式場でこれを流す前に発見できて良かった、という幸運と、
果たしてどちら感情が胸の内を占めているのか、僕自身にもわからなかった。
敢えて言い訳させてもらえば、メッセージを送る担当バたちが、もれなく全員途中から汚泥のような瞳に変わっていき、とんでもないことを言い出すのだから混乱するのも当たり前だと思う。
「……さて、可愛い可愛い教え子たちからの心温まるビデオメッセージがこれで終わったわけだが。一体これから僕はどうすべきなのだろうか……」
現実逃避したくなる脳内を覚醒させるが如く、頬を叩いて気合を入れなおす。
まず自分がすることは、この状況をたづなさんに知らせ、可能な限り担当バ達から距離をとることだとすぐさま結論付けた。
「よし……今すぐ向かえばきっと、だいじょ――」
「――どこへ行くのかな? トレーナー君」
――突然飛んできたその声に、ドアを開けて数歩踏み出した僕の足が縫われてしまう。
否、足だけではない。身体も、呼吸も一瞬にして微動だに出来なくなった。
「ひっ……」
目の前には担当バの一人であるシンボリルドルフが――いや、彼女だけではない。
先程までテレビの中にいた担当バ達全員が、不敵な笑みを浮かべて佇んでいた。
「ダメですよトレーナーさん。せっかくサプライズで用意したメッセージを見てしまうなんて……」
「まぁまぁキタサンブラック、これは事故だから仕方ないよ。ただ――」
「――せっかくだからトレーナー君に、今ここで返答をもらおうと思うのだが……どうかな、皆?」
「カイチョー! ボクさんせ~い!!」
ルドルフの提案に、テイオーが朗らかに乗っかっていく。
それは他のウマ娘にも伝播したのか『賛成』の声が重なっていく。
「――そうか。決まりだな」
決然としたルドルフのその声が合図になったかのように、全員の目が僕を捉える。
「ぁ……ゃ……ひっ、た、たすっ、たすけっ……」
動かなくなった舌を無理やり動かして出てきた言葉は、酷く不格好で意味不明なものだった。
そして、そんな僕の状況を斟酌してくれる担当バ達ではない。
「お兄様、怖くなっちゃった……? ふふっ、じゃあ怖くなくなるまでライスたちと一緒にいよ? お話しはその後でもできるから」
「ああっ……怯えてる貴様の顔もそそるものがあるな……」
「時間はたっぷりありますからね……サトノ家が管理してる別荘に連れて行って、いっぱい"お話"しましょう」
「トレーナーさんという名のトロフィーは、アタシが――アタシたちが大切に保管してあげるからね」
「そのうち、家族が増えているかもしれませんね。ドイツの両親もきっと喜びます!」
「あっ……ああっ……あああああっ……!!」
恐怖で狂った脳は相変わらず意味不明な言葉を叫ぶことしか許さず、じりじりと迫られたウマ娘達に、結局僕は連れ去られてしまった。
――――――――――――――
――――――――――
――――――
「トレーナーさん、どこに行ってしまったのですが……」
「私との結婚、やっぱり嫌になってしまったんでしょうか……」
「……うっ……ひっ……ぐすっ……」
「………………っ!!」
「ダ、ダメよたづな!! しっかりしないと!! 貴女はトレーナーさん失踪の謎を解明するんでしょ!」
「……にしたって手がかりが……ん?」
「これは……結婚祝いのメッセージ映像……?」
「……念のため、見てみようかしら……」
「………………」
「…………」
「……」
「あ い つ ら か――」
「いいですよ~。わかりました~」
「トレーナーさんが欲しいなら……やってみろメスガキ共……!!」
「――トレーナーさんは、お前らに渡さねぇよ?」
それが決意表明であるかのように、帽子をとるたづな。
そこには一対のウマ耳が生えていた。
あの伝説のウマ娘に生えていたものと酷似したフォルム――
そう、それはまるで――
トキノ――
FIN
🐻「すいませんね。うちのバカが」