ジョブズ氏「ハングリーであれ」から一変…米大学の卒業式スピーチ、AI言及の著名人に相次ぎブーイング
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【ワシントン=橋本潤也】米国の大学で恒例の「卒業式スピーチ」に異変が起きている。著名人らが人生の教訓や激励の言葉を卒業生に贈る演説で、人工知能(AI)に言及した企業関係者らへのブーイングが相次いだ。雇用への悪影響などAIの「負の側面」に対し、若者が抱く不満や不安が浮き彫りになったとの指摘が出ている。
「本当の問いは『AIが世界を変えるか』ではない。それは確実に起こる」。AP通信によると、米グーグル元CEOのエリック・シュミット氏は15日、アリゾナ大の卒業式の演説でAIに触れると、ブーイングを浴びた。AIの台頭による雇用喪失や政治の分断などへの不安を「理解している」と語り、将来のAI発展を形作る力が学生にはあると訴えたものの、学生からの批判はやまなかった。
参加者の女子学生は同通信に対し、大学からAI利用を控えるよう指導され、使用に罰則すらあったにもかかわらず「講演者がAIの擁護者なのは、どういうこと?」と語ったという。
今月中旬に不動産企業幹部がセントラルフロリダ大で演説した際も、AIを「次の産業革命」と呼ぶとブーイングが起きた。
ハーバード大が昨年秋に18~29歳を対象に実施した調査では、AIで仕事の機会が減ると答えたのは44%。機会が増えると期待したのは14%だった。対話型AIを巡っては、若年層に依存症を招いたとして、運営会社を相手取った訴訟も相次いでいる。
米国では5~6月に行われる卒業式スピーチに注目が集まる。アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏が2005年にスタンフォード大で行ったスピーチは闘病生活や人生観を織り交ぜ、「ハングリーであれ。愚か者であれ」と訴え、語り継がれる演説になった。