~前回のあらすじ~
北京の大人気デパートSKPに行き、オシャレ書店で門神好きしか買わないような本を買い、デパ地下でビッグウェーブにのるナマコのオブジェをまじまじと見る…!

久しぶりにホテルの支配人(火の玉みたいな女社長)とロビーで会い、弾丸のようなおしゃべりを浴びる。

四谷くんはお疲れだったが、私は旅先ハイにより、脳内物質で疲労知らず状態。

明・清の皇帝たちが五穀豊穣の祭祀を行った天壇へ…!祈年堂を生で見る!大の字に寝そべって写真を撮ろうとして警備員にめちゃくちゃ怒られている若い兄ちゃん2人を発見してしまい、少し気の毒に思う…


5/5(4日目)
18:00ちょっと前


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空がかげりはじめた。

祈年堂前の広場に、清朝の皇帝の服を着た男性がいる。

ほかの古装(中国の昔の服装風コスプレ)の女の子たちとは異なり、「何円か払ってくれたら一緒に記念撮影しますよ」というサービスっぽい。日本のお城にいる甲冑着たキャストと同じだ。

この広場には、記念写真撮影サービスをするおじいさんが何人かいた。

「いまやみんなスマホ持ってるのに、撮影をお願いする人なんておるんかな?」と思っていたら、祈年堂の階段の下で、若い親子3人がカメラマンのおじさんに記念撮影してもらっていた。

おじさんが「その手はあげて!そう!あ、こっちの手はこういうポーズね!あと…」とポーズに熱血指導をいれていた。たいする親子もニカーっとした顔のまま、文句も言わず黙々とポーズを調整していた。

全員、完璧な写真への情熱にあふれていた。


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祈年堂の前に、よく見ると装飾的な敷石がある。

「もう一回階段あがろう。これもうちょい近くで見たい」と私がわがままを言う。四谷くんは「いいよ」と言ってくれた。


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階段を上がっても、間近で見ることはできなかった。四谷くんの体力をムダにけずってしまった。

私が「これ、東京フレンドパークⅡの光のパネルが来たときにジャンプして踏むやつみたいやな」と言うと、四谷くんが「おんなじこと思った」と返した。どうでもいいシンクロナイズ。

18:00にこの祈年堂エリアの門が閉まるらしく、閉門を告げる放送がけたたましく鳴り響く。まったく同じ呼びかけ音声が流れる拡声器をもった警備員さんたちがあつまり、なんだかサラウンドな空間になりはじめた。

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祈年門を出る。

最近修復したのか、どのお堂も門もきれいだった。

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塀のむこうに見える祈年堂。

この塀のさらに外にも塀がある。「当時、ここまでは来れるけど、祈年門はくぐれない家臣とかおったんかな」「なんかカフカの『城』思い出したわ。読んでないけど」と2人で言いふらす。

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気になる設備を発見。四谷くんに「ちょっと待って」と懇願。

どうやら、祈年堂でささげた供物などを燃やす専用の炉のようだ。中華系の寺廟にはおふだを燃やす炉をよく見るけど、こんな瑠璃色のレンガを使った立派なものは見たことがない。

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燃やすとここから煙がでるのかな?

中をみたらゴミが入っていた。人が多いところの穴には十中八九ゴミが入っている。

門の方へ歩く途中、祈年堂側の塀を見ると、

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屋根の先に霊獣っぽい装飾が並んでいた。

保護なのかわからないが、輪郭に沿ってワイヤーが伸びているのにグッときた。四谷くんが「あの、口からちっちゃい仏像出てるやつみたい」と、空也上人像を思い出していた。確かにちょっと似てる。口から獅子が6体で出てくる空也上人もいいかも。

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さっき入って来た東の門から出る。

一番見た勝った祈年堂は無事体験できたが、この天壇の敷地は非常に広大で、ほかにも圜丘や皇穹宇などの儀式用の空間がある。

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ダメもとで圜丘・皇穹宇エリアの近くにきたが、もろ入れなさそう。

ちなみに圜丘は、皇帝が毎年の冬至に天帝にその年に起こったできごとを報告する空間らしい(建物はなく白石3層の壇のみ)。「『天帝あのね』エリアやな」と言い合う。見れなかったけど。

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少しでも見れたら…と悪あがきし、


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大人げなくジャンプして覗こうとしてみた(なにも見えなかった)

四谷くんが撮ったジャンプの瞬間の自分が、跳躍力がとぼしくて落ち込んだ。跳べてなさすぎる。

祈年堂や圜丘の西側エリアに行きたかったが、今いる場所からは難しそうだったので、東のエリアを歩く。

天壇の広大な敷地のほとんどが森。アメリカのカレッジみたいな雰囲気。

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なんだこれ


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「持ち物をきちんと身に着けてなくさないようにしましょう」と書いてある。ということは落としもの掛けか。

なんか心温まった。

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目の前の木の形状を模倣する私。「紅天女」主演ばりの演技。

圜丘や皇穹宇が見れなくて落ち込んでいたが、木の真似をしてはしゃげているなら、別に見れなくても自分でどうにかして楽しく過ごせるやろと今は思う。

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天壇の敷地内でテニスをしている

溥儀が紫禁城内でテニスに興じるシーンがある『ラストエンペラー』を思い出して興奮した。

石畳の上に糸ようじが一つ落ちていた。四谷くんが「こんなところに一人で心細いやろな」と言う。

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なんかの味がほのかにする桂円水を飲む。「味、はっきりせえへんな…」の顔。


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園内に、「花粉対策」についてのお知らせがあった。

剪定・高圧噴射・水の散布・凝固剤の使用・掃除で対策しているらしい。凝固剤…?

花粉症対策かなと思っていたら、よく読むと「花粉汚染」の対策と書いてある。どうやら影響は花粉症ではないようだ。

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泰山七峰をあらわした岩「七星石」があった

この近くを、でかい鳩がめちゃくちゃ鳴きながら他の鳩を追っていた。おそらく求愛行動だ。

でかい鳩は、相手の鳩から逃げられつづけていた。その途中、この七星石に二羽がとまった。

私が、「おねげえだ~おねげえだ~」とでかい鳩のアフレコをする。四谷くんは、鳴きながらずっと追ってくるでかい鳩の真似をしてきた。私も逃げた。

歩いてほどなくして東門が見えた。ここから外に出て帰っても全然いい…けれど、私は「天壇の北側って、塀がカーブしてるんよな~」と言い出していた。四谷くんが「おまえの好きにしたらええ」とやけのやんぱちでついてきてくれた。

北側の塀のカーブは、ほんとうにカーブしていた。

塀の向こう側で謎の体操の掛け声がした以外は、「塀がカーブしている」のみであった。

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祈念堂を北から臨む道にでる。

祈念堂をさっき間近で見たのに、私は「近くまで行っていい?」と言い出していた。「おまえの好きにしたらええ、いけー!!」と物狂おしそうだった。

祈念堂の北側にはお花がいっぱい植わっていた。

まだ歩いていたかったが、「ここらが潮時かな」と北門へと歩く。

そして帰りの地下鉄は天壇東門駅から乗る。さっきの東門から出たら一瞬で着く駅。

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太くて長い道を歩く

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道路の向こう側に、宮殿っぽい建物を模した「紅橋市場」が見えた。

どうやら、めちゃくちゃジュエリーを売ってる巨大なマーケットらしい。ちょっと気になるそぶりをしてみたが、さすがにやめた。これまで私は、一緒に旅行した友達の体力を0以下にする悪行を重ねてきた。

イタリアに一緒に行ったある後輩は、私との旅に疲れすぎて18:00に寝ていた。そして最終日にゲボを吐いた。いまこそ反省の時だ。

天壇東門(5号線)→劉家窯へ

19:50ごろ
ホテルの最寄り駅である劉家窯駅に着く。

四谷くんが「中国のマクドナルドに行ってみたい」とのことで、マクドに向かう。「今日買った緑豆ビールを飲みながら、ホテルの部屋でゆっくりハンバーガーを食べたい」とのことだったので、テイクアウトすることに決定。

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「中華っぽいネオン」の装飾、中国にもあるんや

ここで悶着がおこる。

私がホテルの東にある大型スーパーマーケットに行きたがったのである。

四谷くんは疲れていて口数が少なくなってきた。

ホテルでマクドを食べた後に私一人でスーパーに行けばいいのだが、そのスーパーが21:00そこそこで閉まるため、閉店間際にすべりこもうと画策した私が「提案なんやけど、マクド、店内でサクッと食べへん?」と言い出す。

四谷くんが「でも、ビールのみながら食べたいし…」と婉曲で表現し、私も「あ、そうやんな、さっき言うてたもんな」と納得。しかし、その舌の根も乾かぬうちに「あの、提案なんやけど」と同じことを言い出した。

この言動をしている最中、私はこの言動がよくないことをずっと感じてはいたが、止められなかったのだ。旅先の自分の怪物ぶりを感じた。私はマクドの店が見えてやっとあきらめて四谷くんに謝った。四谷くんは怒っていなかったが、へろへろだった。

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私は円明園の帰りのマクドで見た、パイナップルチーズバーガーを注文しようとしたが売り切れていたようだった。最短でばちが当たった

20:15
ホテルに到着。ご飯だ!!

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パイナップルフルーリー。さわやかなパイナップルを感じてうまい!


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横長のグリルチキンバーガーを頼んだ

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てりやきチキンバーガーと似た感じ。ただあまりマヨの味はしなかった。あっさりめでおいしい。

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四谷くんは中国限定バーガー「麦辣鷄腿漢堡」を注文。ザクザクのチキンがうまい

ポテトを食べて、「なんか日本のマクドのよりおいしい気がする」と言うと、四谷くんが味見をし「ポテトは同じ」と冷静に判断を下した。

私はほかにも、アップルパイの生地に紫の芋が入った香芋派、紫芋の揚げボールを食べた。芋ばっか食ってる。


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おまちかねの緑豆ビール

栓抜きがなく、一度手持ちのカギなどでやってみるも失敗。四谷くんの指からちょっと血が出た。

栓抜きを貸してもらおうと私がひとりでロビーに行くと、お客さんとカウンターのスタッフさんがなにやらお取込み中だった。

お客さんは欧米の人っぽい感じで、なぜか海パン一丁だった。右ふくらはぎにはバスケの選手のタトゥーが入っていた。

ソファで待っていると、二人の間で交わされている内容が聞こえてきた。どうやらおじさんはこのホテルを旅行サイトで予約していたが、ちゃんと予約がとれていなかったらしい。かなりピンチだ。てか、ホテルの部屋がとれてないのになんで海パンなんだ。

トラブルがすぐには解決しなさそうだったので、一旦部屋に戻り食事を続けた。

数十分してカウンターに行くと、おじさんはいなくなっていた。スタッフのお兄さんから栓抜きを借りる。栓抜きは「起子(チーツ)」という。海パンのおじさんの記憶とともにこの単語は一生忘れない。


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部屋に戻って栓を抜く!


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ラッパ飲みでぐびぐび…

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え!緑豆の味、めっちゃする!

緑豆もビールも半々で主張し、緑豆の甘い香りとビールの苦味がとても合う。これはおいしい!

四谷くんも「おいしいね」と言ってくれた。これからも緑豆の可能性を追求していきたい。ライフワークが増えた。

22:00ごろ
明日は早めにチェックアウトして飛行場に行かなくちゃならない。

就寝の準備をしながらテレビを見る。

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おめでたいお笑い番組をやっていた

途中、円卓に中国の芸人の李丁が座っているのが見えた。

私は一時期彼が好きでよく相声(落語と漫才みたいなお笑い)を見ていた。彼は相声の賞レースにしばしば出場していたのだ。

「李丁、久しぶりに見れるかな…!」とドキドキして色んな演目を見ていると、

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AIロボとのコラボダンスがはじまった

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紅包(お年玉)を載せたドローンが会場を飛び回り始めた。おめでたすぎる。

李丁はついぞステージにあらわれなかった。

風呂に入って23:00に寝る。

~次回~
朝ごはんを買って空港へ。途中、フリーザもしくはクッパが乗っているようなメカを見つけてキャイキャイする。

飛行場にはすさまじい飲料・豆汁を提供するチェーン店が入っており、「豆汁アイスか豆汁ヨーグルト、試食しとかなあかんか…」と何かよくわからない義務感で店に行ってしまう…!

次回、さすがに最終回!もう長すぎ!お楽しみに!