ココイチはなぜ炎上するのか。「客離れ」と煽る論調の裏にある“本当の強さ” #エキスパートトピ
「カレーハウスCoCo壱番屋(以下、壱番屋)」をめぐり、「値上げで客離れ」「高すぎる」という批判がネットで繰り返されています。カレーは身近な日常食だけに、トッピングで1000円を超える価格への不満は、一見自然な反応に思えます。
しかし、そこで議論を終わらせては本質を見誤ります。チェーンストア研究家の谷頭和希氏が「客離れを面白おかしく煽るのではなく、なぜ増収しているのかを考えるフェーズ」と指摘する通り、批判の裏で同社は好調な業績を維持しています。
なぜココイチは叩かれても強いのか。その見えにくい構造に迫ります。
ココがポイント
壱番屋 26年2月期 売上高最高も純利益2桁減 原材料高騰や減損響き 今期は増収増益予想
出典:中部経済新聞 2026/4/7(火)
「1200円」の壁で苦戦? 値上げしても好調だった「ココイチ」に変化 2年連続で客数減のワケ
出典:ITmedia ビジネスオンライン 2026/5/19(火)
将来的に利益の半分以上を「国内のカレー以外(海外事業+M&A事業)」で稼ぐ会社に生まれ変わろうとしている
出典:note(ノート) 2026/4/17(金)
「インドで100店舗出店」を表明
出典:マネー現代 2025/10/15(水)
エキスパートの補足・見解
ココイチが高いと感じられる最大の理由は、自分好みにカスタマイズした瞬間に「贅沢したつもりはないのに高くなる」という消費者心理にあります。ただ、この価格設定こそが、実は極めて難しい「カレーチェーンの全国展開」を維持する防衛線でもあります。
カレーは家庭やレトルト、競合店など比較対象が多い一方で、チェーンとして品質やFC経営を安定させるコストが見えにくい商品です。現在の同社は、全客層を集めるモデルから、「多少高くても安心して選べる店」として支持されるモデルへ移っています。客数が減っても客単価の上昇で売上高を伸ばし、直近では過去最高水準に達していることは、そうした変化の表れです。
さらに壱番屋は「長期ビジョン2030」を掲げ、夜パフェ専門店やラーメン店の買収など多角化を進め、立地や商圏に応じて、将来的にFCオーナーへ別の選択肢を提示できる体制を整えつつあります。また、本場インドでの出店加速に加え、グアムでも行列ができるなど、海外展開は好調です。
ココイチが炎上するのは、それだけ日常に深く根差してきた信頼の証でもあります。「客離れ」という安易な煽りの先に、時代に合わせた外食チェーンのリアルな生存戦略が見えてきます。