若いころの名取さんと的場さんのお話。自分のあり方に悩む名取さんと、もうとっくに自分の道を決めてしまっている的場さん。お互いに「あいつと自分は違う」ってちょっと斜に見てて、仲良くなる気も全然なくて、でもなんかお互いのことをけっこう理解している感じが絶妙で良いですねぇ。
ここからネタバレ。
名取さん
タクマさんや天崎さんに出会って、自分の目指したい道、祓い屋の理想を定めた、高校2年生の名取さん。
優しく、正しくありたい、人を救う者でありたい、という気持ちの強さはもはや揺らがないものながら、そのためにどうしたら良いのかは、まだまだ手探りです。
既に背負うものがあって、自分の道を定めている静司くんは、普通だったら見本にうってつけなんでしょうが…なりたい祓い屋像の一番核のところ、人に優しくあろうとすることに拘らない彼のやり方に、名取さんは早々に見切りをつけてしまいます。
「いつもと変わらず不敵に笑っていたとしても、何かを憂いてうつむいていたとしても、なぜだろう、何かに失望する気がした」
静司くんが優しさや悩みを持っていたとしても、持っていなかったとしても、どちらにしてもその上でああいうあり方を選んでいる。…その生き方を、名取さんは理解したくなかった、ってことなのかな。
そして、「なぜだろう」と言いながら、そのことにかなり自覚的で、「道は違えた」と言ってしまっている。
でも、「もっと上手く生きなよ、強くなれないんならさ」という言葉を掛けられてからの「上手くやってみせますよ」という言葉を聞くと、静司くんの言葉をかなり心に置いているようでもあったりして。
ところで結局静司くんは、川を眺めながらどういう顔をしていたのかな。気まぐれでちょっとセンチになって、それを自嘲してたりすると良いな、と、これは私のただの妄想。
名取さんは、祓い屋というものへの明確な理想を、きっとぶれずに持ち続けているんだろうね。
「優しくなりたい」と願っているのは夏目くんと似ているけど、大きく違うのは、妖は情を移すべきものじゃないという前提が揺らがないこと。それが夏目くんと祓い屋の世界との絶対的な溝で、名取さんにはその溝がないんだなぁ、ということも実感するエピソードでした。
静司くん
大人になった的場さんに比べると、怪しさがちょっと控えめ、その分、自信家で生意気な感じが強く出ています。
っていうかビジュアルめっちゃ好みなんですけどー。
「俺はね、使えるものを探しにきた」「おれがおとさない」「一撃でしとめる」「強くならないと、なんにも守れないよ」「もっと上手く生きなよ、強くなれないんならさ」
人好きのする笑顔を浮かべながら、すごく重みのある一言をがんがん繰り出してきます。
「こんなので見ようとするから、歪んで見えるんじゃないの?」
静司くんは、名取さんには世界が歪んで見えていると思っているんだよね。
歪ませているのは、正しさや優しさに拘りすぎるってことなんだろうか。
彼には何が見えていて、何を大切にしているんだろう。
いつか、的場さん目線のお話も観てみたいなぁ。
あ、あと、「まあ安い道具はそうでしょうね」って台詞がなんかすごく好きです。
その他
・今の名取さんが、陣・壺・紙スタイルなのを、この時すでに予想してるんだね静司くん。
・冒頭、スミさんの肩に乗ってる黒いやつが掃除の真似してるの、すごくかわいい。夏目くんだったらどういう反応するのかなー。
いつも通り1クールだとすると、そろそろ終盤が近づく頃。
夏目くん孤独をテーマにしているというこの五期、物語がどこに着地していくのかも気になってくるところです。
多軌さん、田沼くん、名取さんに的場さん、そしてレイコさんの、それぞれに違う妖との関わり方を見てきて、夏目くんは何を見出すのか…。
タクマさんの話は今期でやりそうかなぁ。月子さんも顔見せしてたし。