トランスジェンダー当事者らの団体「Tネット」が、約1600人にトランスジェンダーについての意識を尋ねた調査結果を公表した。「望む性別で社会生活を送ることは尊重されるべきだ」との考えを肯定する回答は7割を超えた一方、身近に当事者がいないと認識してきた人が多く占めた。当事者の実像に近づき、理解するにはどうしたらいいのか。(太田理英子)
◆トランスジェンダー当事者に否定的な印象をもつ人は少数
公表は15日。4月上旬、国内で生活する20〜70代を対象にインターネットで実施し、1603人が回答した。Tネットによると、トランスジェンダーを含むLGBTQ(性的少数者)に関する意識調査は複数の前例があるが、「トランスジェンダーへの意識に焦点を絞った定量調査はあまり例がない」という。
冒頭の設問のほか、当事者に「好意的印象を持っているか」との質問に、「非常にそう思う」や「どちらかと言えばそう思う」など肯定的に答えた人は33.5%。「どちらとも言えない」が49%、否定的な人は17.5%だった。他方、「職場や学校で、当事者と同じ空間を共有することへの抵抗」については、ないか薄いとした人が47.8%で、抵抗がある人も26%いた。
ジェンダー平等の価値観による影響もうかがえた。「男と女には生まれつき違った役割がある」との考えを示す人は7割近くを占め、男性や高齢層にその傾向がみられた。一方、「男は男らしく、女は女らしくあるべきだ」との考えを聞くと、肯定的な人が32%で、否定的な人は36%と拮抗(きっこう)。「らしさ」に否定的な人は、トランスジェンダー当事者に好意的な印象を示す傾向が目立った。
◆「当事者の経験や語りを共有していくことがきわめて重要だ」
こうした結果を、当事者はどう受け止めるか。映画監督で大阪府島本町議の河上りささん(43)は「当事者を尊重すべきだと思っていても、身近な人の場合だと抵抗を示してしまう例はよくあり、現実的な数字だと思う。まだ『遠い存在』なのかも」とみる。
調査では、トランスジェンダーという言葉は約半数が正確に理解していたものの、これまで周囲に当事者がいなかったと認識する人が7割近くを占めた。また当事者についての情報は、半数余りが過去1年で本人による発信に接したことがなく、多くがメディアなどで話題を見聞きしていた。
Tネットのディレクター野宮亜紀さんは「人々の当事者へ...
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