生産終了の日産・追浜工場 地元から求人相次ぐも、工員に緊張感
日産自動車が2027年度末までに追浜工場(神奈川県横須賀市)で車両生産を終えることに伴い、地元からの求人が相次いでいる。県内に拠点を置くいすゞ自動車やIHIなども受け入れ意向を示し、地域の関係者からは安堵(あんど)の声が上がる。 【写真で見る】決算記者会見でコスト削減策を説明する日産社長 追浜工場では約2400人が働く。生産拠点は日産自動車九州(福岡県苅田町)に移るが、転籍が難しい従業員の受け皿が求められている。 追浜工場の従業員によると、工員向けには多数の求人がある。少なくとも今月17日~6月7日、計4回にわたり合同企業説明会が開催されるという。工場内に張られた案内の掲示には約80社の名前が並び、職種は自動車関連業や陸運業、電機・化学メーカーなどさまざまだ。 従業員の60代男性は「どこに転籍するとか、みんな絶対個人的な話はしない」と語り、職場で本音を明かせない緊張感があることを吐露する。その一方で「受け入れ先が増えるのはいいことだ」と歓迎した。 横須賀市は昨年7月以降、従業員らに向けた窓口を設け、転職の相談などに対応してきた。市幹部は「社内で進路面談は続くと聞いている。日産が用意した進路に乗らない人がいれば、ハローワークなど行政の出番になる。支援の姿勢を続けたい」としている。 子会社日産車体の湘南工場(神奈川県平塚市)でも、同様に車両生産が終了する。平塚商工会議所の常盤卓嗣会頭は、地元の求人について「家を買った従業員は遠方に引っ越しにくい。そういう人には『渡りに船』で助かるのでは」と話した。 日産の本社がある横浜市の山中竹春市長は、14日の定例記者会見で「希望に沿った選択肢が確保されることが、従業員や家族の安心材料につながる。県と連携しながら必要な支援をしていきたい」と言及した。【矢野大輝、福沢光一、澤圭一郎、神内亜実】