大学教員や弁護士らでつくる「奨学金問題対策全国会議」は18日、東京都千代田区で記者会見し、物価高と金利上昇の影響により奨学金返済の負担が増している若者の窮状を訴えた。
返済を心配するあまり奨学金を利用せずアルバイトに明け暮れる学生が増えており、学業に支障が出ているケースも散見されるという。
日本学生支援機構の有利子奨学金は、卒業などで貸与終了した時に返済利率が決まる。固定金利は2022年3月の0・37%から26年3月には2・42%に上昇。全国会議によると、月10万円を4年間借りて20年で返済する場合、返済総額に100万円超の差が出る計算で、学生にとって返済額が当初の目安より急激に増える事態となっている。
「寝不足で課題ができない」「(返済が大変だから)奨学金を借りるなと親に止められた」。全国会議共同代表で、「ブラックバイト」の名付け親として知られる大内裕和・武蔵大教授(教育社会学)のもとにはこのような相談が寄せられている。
大内教授は「有利子の奨学金を使ってでも進学しようと思っていた学生が『そんなに卒業後大変なら』と進学を諦めたり、アルバイト漬けで十分に学ぶことのできない学生が増えたりする危険がある」と懸念する。
所得要件などが厳しい無利子や給付型と比べて有利子奨学金は入り口のハードルは低いが、利用者は減少傾向にある。大内教授は「奨学金を忌避してアルバイトを増やす学生が増えているから」とその背景を推察。
「入学時から(アルバイトを掛け持ちする)ダブルワークをしたり、深夜勤務後にバイト先から直接大学に来て教室で寝たりする学生も少なくない。ここ1、2年で学生のアルバイトの過酷さは一層増している」と実感を語った。
全国会議は23日午後1~5時、弁護士と行政書士が電話で無料相談を受け付ける「奨学金ホットライン」(050・3668・8172)を開設する。【竹内麻子】