《育成放棄なのか?》巨人・阿部慎之助監督、ヤクルト若手選手の活躍に「見習うところもあるな」と他人事の感想 OB広岡達朗氏は「いっそ今季は最下位でいい」と厳しい指摘
V奪還を目指す巨人の阿部慎之助監督は、契約最終年を迎え、背水の陣のはずだが、軽い言動が目立つ。2025年12月に出演したラジオ番組では、「育てるといってもジャイアンツの場合は勝たないといけない。育てると言ってたら多分最下位となる」「(一軍は)そういう(育てるための)場所ではないのを理解してもらって、勝つためにこちら側は考えている」と発言。"育成放棄"とも受け止められる姿勢に、巨人のOBたちから厳しい指摘が相次いでいる。【前後編の後編】 【写真】阿部慎之助・監督が重用するベテラン 坂本勇人や田中将大など。ほか、若手の竹丸和幸や浦田俊輔なども
阪神・ヤクルトとの差
一軍は選手を育てる場所ではない――そう断言した阿部監督に巨人OBたちは異を唱える。 「確かに今の巨人の戦力は十分ではないが、それでも戦いながら選手を育てなくてはいけない」と、V9時代の後期に代打の切り札として貢献した広野功氏は語る。 「育てるには選手に惚れ込む必要がある。惚れるとは一蓮托生になることで、監督はその選手に賭ける必要があります。勝ちたいがために調子が落ちた選手を外し、調子が良い選手を使うというその場しのぎは絶対にやってはならない」(広野氏) 名遊撃手としてV9巨人の礎を築いた球界の御意見番、広岡達朗氏も「選手を育てるために使い続ける」ことの大切さを説く。 「大事な開幕戦にルーキーの竹丸和幸を起用したのは、負けても新人なら批判をかわせるという浅はかな意図にしか見えません。ただし新人を開幕投手に起用したからには最後まで一軍ローテで使い続けること。竹丸は巨人の開幕投手としてのプライドを持って、この先はたとえ打たれても、『オレの球をよく打った』くらいの顔をしてもらいたい」
もちろん、起用し続けて育てるには、能力を見極める目が不可欠だ。 「その見極めが阿部監督にできるか。とことん惚れ込んで育てていく情熱が監督には欠かせません。たとえば今年のヤクルトは、池山隆寛監督が惚れ込んだ"池山チルドレン"が大活躍しています。そうした情熱を阿部監督が持てるかです」(広野氏) 巨人と同様に主砲・村上宗隆が抜け、最下位予想の多かったヤクルトの奮闘を支えるのは、池山監督が二軍監督時代に"惚れて"指導してきた2年目、3年目の若手たちだ。阪神が金本知憲監督時代(2016~2018年)から生え抜き強化を進め、盤石のオーダーを固定する姿も阿部巨人と対照的だ。 それでも阿部監督は、GWのヤクルト3連戦後、「スワローズの若い選手を見習うところもあるなって感じました」とやはり他人事のように語った。 広岡氏が鋭く指摘する。 「人を育てるという巨人監督の大切な仕事ができないなら、いっそ今季は最下位でいい。それが阿部にとって一番の勉強になるんじゃないか」 巨人の指揮官に求められるものは大きい。阿部監督はその役割を全うできるか。 (前編から読む) ※週刊ポスト2026年5月29日号