懐かしの「鯨肉」が再びブームに 日本の鯨食文化は復活できるのか #エキスパートトピ
今「鯨肉」に再び注目が集まっています。消費量はピーク時の1%以下に落ち込んでいますが、長引く物価高の中で国産かつ価格安定という強みが見直され、スーパーや鮮魚店でも注目を集めるようになっています。また、都内では鯨専門の居酒屋が人気となっています。
古くは縄文時代から日本人の食卓を支え、戦後の食糧難を救った鯨肉ですが、商業捕鯨停止による長い空白期間によって、鯨肉を食べたことがない若い世代が増えているのも事実です。日本の鯨食文化は本当に復活できるのでしょうか。
ココがポイント
昭和の食卓から消えた“鯨肉”に再ブームの兆し
出典:集英社オンライン 2026/5/17(日)
「最高品質のクジラ持ち帰る」関鯨丸3年目の操業へ出港
出典:TBS NEWS DIG 2026/4/18(土)
クジラ肉に豊富な「バレニン」、パーキンソン病の進行抑制か
出典:産経新聞:産経ニュース 2026/5/4(月)
鯨肉文化 次代へつなぐ
出典:ニュース和歌山 2026/4/4(土)
エキスパートの補足・見解
かつては家庭でも飲食店でも、学校給食でも当たり前のように食べられていた鯨肉ですが、1987年の商業捕鯨停止によって食卓から姿を消し、鯨の竜田揚げを知る世代も中高年以上となりました。2019年のIWC脱退と商業捕鯨再開、そして2024年には73年ぶりとなる新捕鯨母船「関鯨丸」が就航し、ナガスクジラの捕獲も約50年ぶりに解禁され、捕鯨産業の再構築も進んでいます。
今、鯨肉に注目が集まっているのは国産という安心感と、安定した価格です。そして資源効率の高さも重要なポイントです。鯨は家畜とは異なり、飼料を与えて育てる必要がない天然の海洋資源です。牛や豚、鶏などの畜産と違い、人間が餌を与えたり飼育施設を整えたりする必要がありません。また個体が大きいため、一つの命から得られる可食部分の肉が極めて多いのです。
今後、鯨肉文化を復活させるためには、鯨の美味しさを知らない若い世代への訴求が不可欠となります。物資が少なかった戦後とは違い、今は何でも手に入る時代です。牛や豚とは違った美味しさや魅力で勝負しなければ支持は得られません。日本の鯨肉文化復活に向けて、官民が一体となって取り組む必要があります。