【巨人・阿部慎之助監督】“育成放棄”の姿勢にOBたちから苦言が続々「田中将大と則本昂大を獲ったのは失策」「外国人コーチではニュアンスが伝わらないのでは」
「補強頼り」で若手のやる気がなくなってしまう
今季の巨人は開幕10試合目以降のオーダーを固定できず、スタメンが入れ替わる猫の目打線が続く。打線が機能せず、チーム打率、得点ともリーグ下位に低迷する状況にも広岡氏は苦言を呈する。 「阿部は打順の役割を日頃から考えていないから、結果論でコロコロと変えてしまう。守備も同じで、固定するから応用動作ができるようになります。それなのに選手を便利屋のように使っていたら育つ者が育たず、アクシデントにも対応できません。不調があったとしても、信頼して使い続けることで選手は責任感とプライドを持ち、力を発揮できる。特にチームの柱となるクリーンナップと先発ローテーションは何があっても使い続けることが大切です」 阿部監督は就任後、前述の松本以外にも甲斐拓也、田中将大、則本昂大らのビッグネームを獲得。こうした「補強頼り」にも広岡氏は釘を刺す。 「どんなに優秀な選手も年齢を重ねれば力が衰える。30代半ばの田中と則本を獲ったのは失策でしょう。闇雲に補強したら生え抜きの若手がチャンスを失い、やる気もなくなってしまう。昨オフに獲得した松本だって4年も前の首位打者なんて必要かね」 今季の巨人は本塁打による得点が多く、打線がつながらない。V9後期を先発として支え、引退後は巨人の投手コーチも務めた関本四十四氏は、「とにかく打てないですね。打線が結果を出せていない以上、打撃コーチの布陣も考えなくてはならない」と語る。 今季の一軍打撃コーチは「アジアの大砲」としてロッテや巨人などで活躍した李承ヨプ(火へんに華)と、楽天や巨人で主砲を務めたウィーラーの2人体制だ。 「外国人2人が一軍打撃コーチを務めるのは12球団で初めて。日本で実績のある2人ですが、選手に細かいニュアンスが伝わっていないのではないか。若い選手が偉大な外国人コーチに遠慮して距離が生じている心配もあります。これではかつて長嶋茂雄監督が若手時代の松井秀喜をつきっきりで指導したような師弟関係を築くのは難しい。阿部監督が一軍と二軍のコーチ入れ替えなどを決断できるかどうかですね」(関本氏) 先発陣は開幕投手候補だった山崎伊織が右肩の異常で離脱。4月末に一軍復帰したかつてのエース・戸郷翔征も調子が上がらない。田中、則本のベテラン組にドラ1の竹丸和幸、今季加入したウィットリーらで何とかローテーションを回している。 V9時代の後期に代打の切り札として貢献した広野功氏は、低迷の一因は先発陣の脆さだと見る。 「コンディションの作り方に問題があり、投げるたびにピッチングの精度が悪化しています。本来、登板後は休むのではなく体を強化する必要がありますが、巨人の先発陣は調整するばかりで強化が足りない。今の巨人には疲れると楽をしたがる選手を厳しい目で見守り、尻を叩いて強化させるコーチが不足しています」 (後編につづく) ※週刊ポスト2026年5月29日号