数字だけでは築けない信頼
その後、B子さんは正式に営業業務にも関わるようになりました。実際に一緒に働いてみると、彼女はとても誠実で、取引先からの信頼も厚い人でした。
それから数カ月後、台風の影響で物流が乱れ、複数の取引先との調整が必要になるトラブルが発生しました。A田課長は、データだけを見て仕入先の変更を進めようとしましたが、それによって現場はさらに混乱。新しい取引先とも連携がうまくいかず、供給体制が不安定になってしまったのです。
そんな中、B子さんは既存の取引先へ1軒ずつ連絡を取り、状況説明や納品調整を丁寧に進めていきました。私も他部署と連携しながら対応に追われましたが、取引先の多くが「いつも誠実に対応してくれているから協力したい」と言ってくださったのです。
私は改めて感じました。営業は、数字だけで成り立つ仕事ではない。日ごろの信頼関係こそが、会社を支えてくれるのだと。
積み重ねた信頼が会社を変えた
その後、今回の対応はC美社長から高く評価され、B子さんは営業部の中心メンバーとして新たな業務を任されるようになりました。私自身も、企画部と営業部をつなぐ役割として、取引先との関係改善により深く関わることになりました。
一方でA田課長は、現場との連携不足や一方的な判断を問題視され、管理体制の見直しを求められることに。
会社全体も、「効率だけを優先する営業」から、「人との関係性を重視する営業」へと少しずつ変わっていきました。
まとめ
今回の出来事を通して、私は改めて感じています。学歴や肩書きだけでは、人の価値は決まりません。目の前の仕事に誠実に向き合い、相手との信頼を積み重ねていくこと。それこそが、長く仕事を続ける上で一番大切なのだと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。