JR東日本E233系0番台と房総地区への転用について(中央快速・青梅・五日市線)
(1) JR東日本E233系0番台について
https://www.tetsudo.com/report/249/2.htmlより引用
E233系0番台は、2006年12月に登場した中央快速・青梅・五日市線の電車です。E233系電車では、最初に登場したグループです。中央快速・青梅・五日市線で活躍していた201系電車の老朽化に伴う置き換えを目的に導入されました。客用扉の横にドア開閉ボタンが設置されています。
10両貫通編成のT編成、6両+4両の分割編成のH編成、6両or4両単体の青編成の3種類が中央快速・青梅・五日市線の車両が所属する豊田車両センターへ導入されました。中央快速・青梅・五日市線は、八高線(拝島~高麗川:現在は直通運転は廃止)や富士急行線と直通運転をするため6両編成と4両編成の分割編成、五日市線と青梅線の末端区間(青梅~奥多摩)用の青編成を導入されています。T編成が10両編成42本、H編成が6両+4両編成が15本、青編成(P編成も含める)が6両編成13本と4両編成10本が導入されて201系電車を置き換えていきました。
青658編成と青485編成は2008年4月にH58編成に変更、青659編成と青459編成は青梅線の運用の都合上による余剰のため、2015年5月にH59編成になりました。
この時点で、T編成が10両編成42本(後に新製されるT71編成を含めると43本)、H編成が6両+4両編成が17本、青編成が6両編成11本と4両編成8本となりました。
また、後述するT編成とH編成のグリーン車組み込み対応改造が行われている頃に、青編成の4両編成の一部は青梅線内のワンマン運転に対応できる様に、車体側面にカメラを設置するなどのワンマン運転対応改造を受けました。この際に、編成の番号が青4XXからP5XXに改番されています。
(2) JR東日本(南武線)への転用
https://2nd-train.net/topics/article/26191/より引用
また、同じく2017年には青梅線の運用の関係で余剰となった青670編成が、大宮総合車両センターへ入場して、南武線への転用に向けての各種改造を行い、E233系8500番台N36編成となり豊田車両センターから中原車両センター(現:鎌倉車両センター中原支所)へ転属しました。
南武線に既に導入されていたE233系8000番台と比較すると、運行番号表示器の位置の差違、ドア開閉ボタンが残る等、青梅線・五日市線時代の名残があります。実際に、ドア開閉ボタンを生かして中央本線の諏訪の花火大会の臨時列車に充当されることもありました。
https://train-directory.net/photos/file/49447/より引用
南武線は2014年度から南武線で活躍し老朽化した205系電車や209系電車(両者合わせて36編成在籍)の置き換えの為にE233系8000番台が導入されてきましたが、35編成しか導入されず209系電車が1編成残りました。そこで、青梅線や五日市線で余剰となったE233系0番台青670編成を南武線向けに改造し、置き換えきれずに残った209系電車1編成(ナハ53編成)の置き換えに当てることにしました。置き換えられた209系電車は、房総地区向けのサイクルトレイン「B.B. BASE」に改造され、中原車両センター(現:鎌倉車両センター中原支所)から幕張車両センターへ転属しました。
https://raillab.jp/photo/249090より引用
(3) グリーン車の組み込みに向けた改造と機器更新
https://nihonnonews.blog.jp/archives/42478646.htmlより引用
E233系0番台に転機が訪れたのは2015年。JR東日本は、中央線の着席サービスの改善を目的に2階建てのグリーン車を1編成当たり2両導入することを発表しました。2階建てのグリーン車は、10両編成のT編成と6両+4両編成のH編成の4号車と5号車に組み込まれ、T編成とH編成はそれぞれ12両編成と8両+4両編成になります。
グリーン車を組み込んだT編成とH編成は、青梅線(立川~青梅)と中央線(東京~大月)で運行されます。
当初は、2020年度に導入される予定でしたが、コロナ禍もあり2024年度に延期されました。
中央線のグリーン車は、他の路線のグリーン車とは異なり客用扉が2扉になっています。これは、中央線の発着駅である東京駅はホームが2つしかなくラッシュの時間帯は多数の列車が発着し、列車が折り返す時間も短いことを考慮し、乗客が車両から乗り降りしやすい様に考慮したためです。
https://railf.jp/news/2019/03/17/205400.htmlより引用
中央線へグリーン車を導入するに当たり、グリーン車を組み込んですぐに営業開始する訳にはいきません。試運転を行っていく必要が出てきます。その為、グリーン車の組み込みを開始すると、グリーン車を組み込む編成は長期間の運用離脱が生じます。予備の車両を用意する必要が出てきます。ここで、グリーン車組み込みの予備の車両として、2020年に10数年ぶりにE233系0番台を新製することになり、これがT71編成となります。また、同時期に常磐線各駅停車でE233系2000番台の増備で余剰となった209系1000番台も、各種改造の上でグリーン車組み込みの予備の車両として活用することにしました。この様にして、グリーン車の組み込みの予備車両は10両編成3編成分を確保することが出来ました。
https://railf.jp/news/2020/06/12/195500.htmlより引用
中央線のグリーン車は2022年から、総合車両製作所横浜事業所(J-TREC横浜)にて順次製造されていきます。同時にグリーン車組み込みに当たり、既存の車両にも改造が施されます。
グリーン車を組み込むT編成とH編成は、トイレの設置等の改造が施されます。この改造工事を施されたのは、T40編成とT71編成を除いたT編成とH編成の58編成、更に謎なのが新製されたグリーン車が57編成分しか用意されなかったことです。
結果的に、グリーン車の組み込みに向けた改造を受けなかった2編成(H49編成とT71編成)、グリーン車に組み込みに向けた改造を受けたがグリーン車が組み込まれていないのが1編成(T40編成)の3編成がグリーン車が組み込まれず、グリーン車営業運転開始時に余剰となりました。
https://www.youtube.com/watch?v=8LCiUP1bZNkより引用
グリーン車の組み込みが終了し、グリーン車の営業が開始すると、H49編成とT71編成、T40編成は定期の運用を離脱します。車両不足時に青梅線内完結の運用を臨時で走るだけになります。
グリーン車の組み込みに向けた改造を受けていたT40編成は、同時期に行われていたE233系0番台の機器更新工事の長期の運用離脱の際に、運用離脱している編成のグリーン車を組み込んで営業運転する等、E233系0番台の機器更新工事の予備車両として活躍します。
209系1000番台に関しては、グリーン車の組み込みに向けた改造の予備車両としての任務を終えた後は、長野総合車両センターへ輸送されて廃車・解体されました。
(4) JR東日本(房総地区)への転用
JR東日本(房総地区)へE233系電車を転用し、老朽化したJR東日本(房総地区)の209系2000・2100番台の置き換えをする話は、コロナ禍の2020年7月頃にJR東日本千葉支社の労働組合の資料で明かされていました。当初の計画としては、京浜東北-根岸線や横浜線のE233系電車を房総地区や仙石線、高崎地区、長野地区等の首都圏近郊の老朽化した車両をまとめて置き換える計画でした。しかし、電動車(モハ車)の廃車が多く出てしまう、コロナ禍で財政状況が厳しい等もありこの計画は白紙になりました。
https://note.com/2view/n/n0065bc1c7a26より引用
次に、JR東日本(房総地区)へE233系電車を転用する話が出たのは2024年11月。コロナ禍を期に、JR東日本の各路線では運用体系の見直しを行ってきており、首都圏の各路線ではワンマン運転開始等の動きがありました。こうした中で、首都圏の各路線では余剰となった車両が出てきました。余剰となった車両(E233系電車)を、以下に記します。
・中央快速・青梅・五日市線:E233系0番台
T40編成(10両編成)、T71編成(10両編成)、H49編成(6両+4両編成)
・京浜東北-根岸線:E233系1000番台
サイ101編成、サイ102編成、サイ103編成(いずれも10両編成)
・常磐線各駅停車:E233系2000番台
マト2編成、マト11編成(いずれも10両編成)
・京葉線:E233系5000番台
10両編成(6両+4両編成)3編成分(運用数を更に見直せば増えるかも)
・南武線:E233系8500番台
N36編成(6両編成、元0番台青670編成)
これらの車両を車両基地内で遊ばせておくのは勿体なく、有効活用する為に各種転用改造の上で房総地区へ転用する計画が浮上しました。上記の余剰となっている車両(E233系2000番台は車両構造が特殊なので除外)を全て集めると、10数編成分確保が出来ると思われます。房総地区の209系電車の6両編成は14編成在籍しているため、丁度置き換えることが出来そうです。
今年度のJR東日本の労働組合の資料より、「今年度は、豊田車(E233系0番台)2編成とさいたま車(E233系1000番台)2編成に対して、千葉地区への転用に向けた改造を行う計画がある」という内容の記載がありました。
https://4gousya.net/line/8001.php?mod=30472より引用
中央線グリーン車組み込み改造の予備車両としての任務を終えたT71編成は、東京総合車両センターへ入場し房総地区への転用に向けて改造が行われました。改造された内容は以下となります。
・車両の帯は、房総地区の末端区間でワンマン列車として活躍するE131系0番台と同様の黄色と水色の帯に変更。
→但し、E233系電車の特徴であるドア部分の帯は省略された。
・車両の両数を10両編成から6両編成へ短縮。
→中間車両が4両分余剰となった。
・ワンマン運転に対応できるように車体側面にカメラが設置された。
・先頭車両(クハE232-68)にトイレが設置された。
・客室内の旅客案内表示器が中央線時代で用いられていたLCDから、パットビジョン(おそらく?)に変更され千鳥配置になった。
この様に中央快速線系統で余剰となったE233系0番台は、房総地区へ転用するに当たり大規模な改造を受けていることが分かります。T71編成の後に、H49編成とサイ103編成が東京総合車両センターへ入場しており、T71編成から脱車された中間車両4両の処遇と共にどのような動きがあるのか気になります。



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