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Vol.573「『建国論』を描かねばならない理由」

(2026.5.6)

【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…高市早苗が無意味な改憲に前のめりになる中で、今年も5月3日の憲法記念日を迎えた。そして今年も、憲法の文面を護りさえすれば平和が保てると信じている左派と、何でもいいから憲法を変えさえすれば「保守」になれると信じている右派が、それぞれに無意味な主張をして自己満足していたようだ。これでは一般庶民の憲法への関心など、薄れるばかりである。「ABEMA NEWS」で語ったように、アメリカは憲法を守るために戦う。アメリカは、来年でようやく建国250年という歴史の浅い国であり、多様な人種・宗教・出身地の人々から成り立つ移民国家であり、人工国家である。そのため、国民を結びつける中心として、合衆国憲法は特に重要なものとなっているのだ。では、日本人は何を守るために戦うのだろうか?自衛隊は、何を守るために存在するのか?
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…強烈なブルマの記憶を持つ私だが、今となっては学校からブルマは消滅し、実物を見たことがない世代もいる。では一体あれは何だったのだろう。ブルマの歴史と女子体育解放について調べていくと、驚くべき事実に突き当たった!なんと古来、日本の女性は「立ち〇〇〇」が普通だった!?時代の流れ、価値観の変化、性差、解放と自由とは何か……ブルマから派生した様々なテーマ、あなたはどう考える?
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1. ゴーマニズム宣言・第602回「『建国論』を描かねばならない理由」

 高市早苗が無意味な改憲に前のめりになる中で、今年も5月3日の憲法記念日を迎えた。そして今年も、憲法の文面を護りさえすれば平和が保てると信じている左派と、何でもいいから憲法を変えさえすれば「保守」になれると信じている右派が、それぞれに無意味な主張をして自己満足していたようだ。
 これでは一般庶民の憲法への関心など、薄れるばかりである。

 それに比べれば、4月30日にわしが出演したABEMA NEWSチャンネルの番組『EXIT &小林よしのりで語る!憲法改正&皇室』は、最初から旧態依然の改憲・護憲の争いとは異なる議論をしようとしていてよかった。
 わしが凄いなと思ったのはEXITの二人で、彼らはわからないことははっきり「わからない」と口にしていた。それは「王様は裸だ」と言える子供の感覚であり、庶民の感覚だ。
 大抵の大人は「わからない」と言うのを恥ずかしいと思い、知ったかぶりをして「大衆」になっていく。そして、そういう傾向の強いものほど「天皇は126代、例外なく男系」だの「女性天皇と女系天皇は違う」だのというインチキを吹き込まれて、それでモノを知ったつもりになってしまう。
 誰もが「大衆化」している中で、「庶民感覚」を維持し続けるのは恐ろしく難しいことなのである。

 わしは番組中、憲法について理解するための例として2016年のメル・ギブソン監督の映画『ハクソー・リッジ』を挙げて説明した。

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 これは第二次世界大戦の沖縄戦における実話を基にした映画である。「ハクソー・リッジ」とは浦添城址の南東にある日本軍陣地の「前田高地」のことで、急峻な崖地になっていることから、米軍はここを「ノコギリの崖」(Hacksaw=弓鋸)と呼んだのだった。
 主人公のデズモンド・ドスは、プロテスタント系キリスト教「セブンスデー・アドベンチスト教会」の敬虔な信者で、「汝、殺すことなかれ」という教えを信条としていた。
 そして戦況が刻々悪化する中、デズモンドは「衛生兵」であれば教えを守りながら国に尽くすことができると考え、陸軍に志願した。
 だがデズモンドは、ライフルの射撃訓練を「人殺しの訓練」だとして拒絶したため、命令拒否として軍法会議に処される寸前となる。
 軍法会議にかけられれば不名誉除隊か、軍事刑務所行きもありうるというその瀬戸際で、聴聞会に現れたのはデズモンドの父親・トムだった。
 トムは第一次大戦に参戦して心を病んでおり、酒浸りのろくでもない親父のように描かれていた。
 ところがそんな父親が、息子を守るために古い軍服を着てやって来た。そして、自分は第一次大戦で合衆国憲法を守るために戦ったと語り、息子も「信教の自由」を保証している憲法を守るために戦っていると弁明したのだった。

 その主張は認められ、デズモンドは無罪となっただけでなく、銃を手にせず衛生兵として従軍できることになった。
 そうして送られた「ハクソー・リッジ」は、あまりにも熾烈な激戦地だった。日本軍の火炎放射器や銃撃による猛攻を受け、米兵は150メートルの急峻な崖地を攻略できずにバタバタ死んでいく。
 そんな中でデズモンドは砲火に晒されながら、取り残された負傷兵を崖の下へ降ろし、不眠不休で救助活動を続け、負傷した日本兵にまで手当てをした。デズモンドに救助された米兵は、75人にも及んだのだった。
 アメリカは独立戦争を経て、憲法と共に建国された。したがって憲法を守るために戦うのが愛国者だ。
 父は第一次大戦のPTSDに苦しみ、息子との絆も切れていた。だが、武器を取らない、人を殺さないという息子の「信教の自由」も憲法で保障されているもので、親子共に、合衆国憲法を守るために戦っていたのだということが明らかとなり、親子の絆も復活するのである。
 憲法が親子の絆にまで関わっている。これが感動のポイントで、こんなことは日本ではあり得ない。
 改憲派の中に、「憲法は単なるルールブック」だと言う者がいるが、その認識だけではまだ足りない。
 アメリカでは憲法は「国の基本ルール」に留まらず、「自分たちは何者か」を示す象徴にまでなっている。アメリカ人のアイデンティティと合衆国憲法は、密接に結び付いているのだ。

 アメリカは、来年でようやく建国250年という、歴史の浅い国である。
 アメリカは、日本やヨーロッパの多くの国のように、古い王朝・民族・共通の伝統によってまとまった国ではない。多様な人種・宗教・出身地の人々から成り立つ移民国家であり、人工国家である。
 そのため、国民を結びつける中心として、独立宣言、合衆国憲法、権利章典が大きな役割を果たしており、中でも合衆国憲法は特に重要なものとなっている。
 合衆国憲法は「個人の自由」「法の支配」「権力分立」「連邦制」「信教・言論・集会の自由」「政府権力への不信と制限」といった価値を体現するものと見なされている。
 アメリカ人にとって憲法は単なる法律文書ではなく、「自由な個人が、自分たちで政府を作り、その政府を縛る」という建国理念の表現に他ならないのである。
 とはいえ、歴史的には矛盾もあった。建国時は、憲法には自由を掲げながら、奴隷制女性の参政権欠如などを抱えており、その後も人種差別は根強く残っている。
 そのため、南北戦争、公民権運動、女性参政権運動などは、「憲法の理念を現実に近づける闘い」とも位置付けられたのである。
 また、アメリカでは政治的立場が違っても、左右両派ともに「我々は憲法に忠実である」と主張する。
 保守派は、建国時の理念や原意を重視し、リベラル派は、憲法の自由・平等の理念を時代に応じて発展させるべきだと考える傾向がある。
 対立はあっても、どちらも憲法を自分たちの正統性の根拠にするのだ。

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叢叡世

NHKの世論調査で女性皇族が結婚後も皇室に残ることについてのアンケートを取ったみたいです。 賛成が70% 反対が15% 分からない無回答が15% 続いて養子案についてもアンケートを取ったみたいです。 賛成が49% 反対が33% 分からない無回答が19% まあ結果としては分かりそうですね。 アンケ…

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叢叡世

以前563号のライジングのQ&Aで質問したことがあったんですが、ボーヴォワールは余りにも拘り過ぎだったんじゃないかって思って質問したんですね。 https://note.com/yoshirin_k/n/n4f2326e236ed もくれんさんの記事に既に書いてありますが、特に前近代、昭和ですら羞恥心なんてなかったと思って…

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sska

アメリカの建国のアイデンティティーへの執念と憲法の関係、勉強になります。 しかしそのアメリカや同様に歴史の短いイスラエルが組んで反イスラム戦争の狂気に駆り立てられているのを見ると、近代国家の精神は成長と共に戦いを必要としなければ生きられないのかと悩まざるを得ません。 日本も明治に…

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staygold

配信ありがとうございます。今週号も面白かったです。女性の立ちションの話、面白かったです。60歳ですが子供の頃に聞いた覚えがあります。

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