「彼は光を連れてきた」
【あらすじ】
真夏の街なかの小さな工房。
陰気な店主、朔(さく)が営む「ランプ修理店 森」に、美大生の輝良(あきら)が祖母の形見である壊れたトルコランプを携えてやってくる。
ランプの修理を引き受けてもらった輝良。
あまりに無機質な朔の生活を見かねた輝良は、勝手に掃除を始め、強引に朔の懐へと飛び込んでいく。当初は反発する朔だったが、様々な小さな騒動を経て、凍りついた心は少しずつほどけ始める。
修理が停滞した際、輝良は「シーグラス」の話をする。荒波に揉まれ角が取れたその破片は、人間のようだという。
二人は、二枚のガラスを重ねて絶妙な色を作る技法に辿り着く。
朔は「瑠璃も玻璃も照らせば光る」と初めて輝良を褒める。輝良は認められたことを心から喜ぶ。
嵐の夜、閃光を放つ雷が朔のトラウマを呼び起こす。視界が真っ白に焼ける恐怖に怯える朔を、輝良は自分の上着で包み込み、献身的に抱きしめた。
朔はパニックのあまり輝良を追い出すが、去り際に輝良は「好きです」と告げる。
後日、輝良が持ってきた緑色の瓶の光に癒やされ、二人は仲直りする。
朔は、絶望を初めて告白した。かつて舞台照明係として活躍していた朔は、事故で目に後遺症を負い、暗闇に引きこもっていたのだ。
信頼を深めた二人は、共同作業で修理の最終局面へ向かう。朔の震える手を輝良が支え、シーグラスにヒントを得た「青い最後のピース」を嵌め込んだ瞬間、トルコランプは息を吹き返した。
点灯の儀式。鮮やかに輝くランプを前に、輝良は、その作者もまた目に障害を抱えながら、最後の景色をランプとして作ったのだと語る。
二人は魂の共鳴を感じるが、修理完了という契約の終わりと共に輝良は工房を去る。
数日後に工房で、朔は輝良の残したシーグラスのメッセージを見つける。
朔は真夏の昼の光の中に飛び出し、海で待っているであろう輝良のもとへ走り出す。
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目次
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#BL#海#現代劇#夏
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