業務を委託する際に適正でない事務処理を行ったなどとして、徳島県の45歳の男性主任主事が懲戒免職処分となった。業務委託の際は委託先と契約書を交わした上で、適切に行われたかを確認して委託料の支払い手続きを取ることが必要だが、主任主事はこうした手続きを怠り、代わりに自腹で支払っていた。その額、4年間で約1400万円。公費を着服するのではなく自費で立て替えるという異例の不祥事を働いた主任主事の真意は、処分後も判然としない。
自分の口座から振り込み
「以前のように、契約手続きをしないで委託料を支払ってもらえないか」。発覚のきっかけは、主任主事が異動した後の昨秋、後任の担当者に業務委託先から寄せられた相談だった。
徳島県によると、主任主事は令和3年4月から昨年3月まで、阿南市にある県南部総合県民局県土整備部に勤務。河川の維持管理を担当しており、業務の一つに地元の団体への河川敷の草刈り作業の委託があった。業務はまず委託先を募り、契約書を作成して契約を結んだ後、委託先から完了の報告を受けたら現地に足を運んで点検し、委託料の支払い手続きを行う流れになる。
ところが主任主事は正式な契約手続きを踏まないまま、作業を委託。草刈りが適切に行われたかどうかの点検作業もしていなかった。このため委託料の支払い手続きも行わず、自分の口座から振り込むなどして支払っていた。その際は委託先に不審に思われないよう名義を「アナンケンドセイビ」などとして、県から振り込まれたように装っていたという。
こうした適正でない業務委託は在任中の4年間で98件。1回の支払いが40万円になることもあり、自費で支払った総額は1392万7420円に上った。