参議院選挙滋賀選挙区、自民・宮本和宏さんが初当選…総力戦で逆風しのぐ
完了しました
20日に投開票された参院選で、過去最多の新人7人による混戦となった滋賀選挙区(改選定数1)では、自民党の宮本和宏さん(53)(公明党推薦)が、国民民主党の堀江明さん(38)、日本維新の会の岡屋京佑さん(32)、参政党の中田あいさん(46)、共産党の佐藤耕平さん(43)と、いずれも諸派の菅原良雄さん(47)、藤井隆一さん(60)を破り、初当選を果たした。自民は「政治とカネ」を巡る問題や党議員の失言などが響いて厳しい戦いとなり、全国的に失速したが、国会議員や県議らが総力戦で組織固めを図って逃げ切り、2019年の参院選で野党統一候補に敗れて失った議席を取り戻した。投票率は59・69%(2022年前回選54・59%)だった。
当選確実の一報が届くと、宮本さんは大津市内のホテルで吉報を待ちわびた支持者らと万歳を繰り返し、喜びを分かち合った。
自民県連が昨年実施した党員・党友による予備選挙を経て公認候補の座をつかみ取ると、公明党の推薦も得て、県内を勢力的に回って顔を売った。推薦を受けた団体などは1000を超え、ある県議が「活動量はここ最近の候補で一番だ」と舌を巻くほどだった。
選挙戦では、元国土交通省職員として国とのパイプを持つことや、3期12年務めた守山市長時代の市民病院の経営改革や企業誘致といった実績を強調。陣営も「行政のプロ」「即戦力」とアピールした。
また、ロシアによるウクライナ侵略やトランプ関税などで世界情勢が混迷を深める中、外交や安全保障の重要性を強調。「政策がバラバラの野党が政権を取れば、国が意思決定できなくなる」として、自公政権継続の一翼を担いつつ、党を改革すると訴えた。
新人で知名度に課題があったが、閣僚や党幹部らが連日応援に駆けつけテコ入れを図ったほか、県議や市議らもフル稼働して企業などへのあいさつ回りに奔走。終盤に接戦が伝えられると、石破首相が急きょ2度目の滋賀入りをして後押しするなど組織戦を展開し、野党候補との激しい競り合いを制した。
岡屋さん届かず
落選が確実になると、岡屋さんは大津市の事務所で支持者やスタッフに頭を下げ、感謝の言葉を口にした。
新聞記者から元立憲民主党の衆院議員秘書を経て、維新の候補者公募に応じた。
2019年の参院選滋賀選挙区で野党統一候補として当選した前知事の嘉田由紀子さんが今回は比例選に回ったため、選挙戦では「嘉田の後継」を打ち出す戦略を展開。投票用紙の「1枚目は岡屋、2枚目(比例選)は嘉田」と連携していることを強調し、「30年後も現役」と若さも前面に出した。
維新の吉村洋文代表、前原誠司共同代表らの応援も受け、社会保険料の引き下げによる手取りアップなどを訴えたが、混戦の中で支持を伸ばせなかった。
堀江さん力及ばず
堀江さんは、落選確実の知らせを受けると草津市の事務所に姿を現し、支持者らの前で悔しさをにじませた。
当初は立憲民主党と候補者擁立で競合したが、立民、国民両県連の支持母体である連合滋賀の仲立ちで、公示約2週間前に、立民が候補者を取り下げた。連合滋賀の推薦と立民県連の支持を取り付け、国民県連との3者で戦う態勢を整えた。 選挙戦では、経済的な事情で学生時代に挑戦を諦めた経験から「どんな状況でもチャレンジできる社会」の実現を掲げた。精力的に街頭に立ち、手取りの向上や、企業に設備投資を促して経済の好循環を生み出すなどの党の政策、母子家庭で育った経験から感じた教育格差の是正などを訴えた。SNSなどで支持が厚い玉木雄一郎代表や榛葉賀津也幹事長らも応援に入り、若い世代や無党派層への浸透にも力を注いだ。
2019年の参院選では4野党が手を組んで自民現職を破ったが、今回は野党勢力の結集とまでは至らなかった。昨年の衆院選で躍進した国民の勢いもあり、終盤に追い上げたものの、野党候補の乱立で政権批判票の大きな受け皿になりきれなかったことが最後まで響いた。