揺らぐ「オール沖縄」 辺野古事故も選挙戦に影 沖縄県知事選まで4カ月
8月27日告示、9月13日投開票の県知事選は投開票まで4カ月となり、3期目を目指す現職、玉城デニー氏(66)、新人で前那覇市副市長の古謝玄太氏(42)による事実上の一騎打ちとなる構図が固まった。玉城氏は革新層、古謝氏は保守層に支えられており、「オール沖縄」勢力が揺らぐ中、知事選は「保革対決」に先祖返りする様相が強まる。12年間にわたる「オール沖縄」県政の評価、米軍普天間飛行場問題などの米軍基地問題、沖縄振興を巡る政府との距離感が主な争点になりそうだ。 知事選は翁長雄志前知事が初当選した2014年以来、辺野古移設反対を旗印にまとまった「オール沖縄」勢力対政権与党の「自公」という対立軸で争われてきた。 だが今年の衆院選を機に「オール沖縄」勢力の主力だった立憲民主党が公明党と中道改革連合を結成。中道は玉城県政に対する立ち位置を明確化しておらず「オール沖縄」勢力の枠組みは大きく動揺している。 普天間飛行場の辺野古移設の是非は過去3回の知事選で最大争点とされた。だが現状では移設工事は着実に進んでおり、県は移設を止める法的手段を失っている。組織の動揺に加え、この状況も一因となり、玉城氏の陣営は現時点で「オール沖縄」を前面には打ち出していない。 玉城氏は辺野古移設への対応に苦慮しつつも、選挙戦では改めて目玉政策に移設反対を掲げる方針だ。 「オール沖縄」勢力には共産、社民、参院と地方組織のみの立憲民主党が残っており、従来通り玉城氏を支援する。れいわはもともと「オール沖縄」の枠組みから外れており、現時点で知事選への態度を明示していない。 古謝氏は移設容認を明確にしており、現県政が批判的な自衛隊の南西シフトや、石垣空港の特定利用空港指定にも一定の理解を示す。沖縄振興では政府との連携推進を訴えると見られる。 古謝氏を支える自民党県連は4月の大会で県政奪還を最大目標に掲げた。党本部も西村康稔選対委員長を大会に派遣し、知事選重視の姿勢をうかがわせた。 古謝氏側は公明党県本部、維新、国民民主党、参政党にも支援を呼び掛けている。これらの政党は古謝氏支持か、自由投票のいずれかを選択する見通し。 普天間飛行場の移設先、名護市辺野古沖で3月に発生した抗議船の転覆事故も、選挙戦に影を落としている。 移設反対派を支持層に抱える玉城知事は事故の影響を考慮し、出馬表明の記者会見を約1カ月延期。記者会見の直前には、現場近くの浜で献花を行った。 記者会見当日にも冒頭で事故の犠牲者に黙とうするなど、神経をとがらせる。陣営は、事故を機に高まる抗議活動への批判が選挙戦に与える悪影響を懸念している。 自民党県連の県議らは事故の原因究明に向けたプロジェクトチームを設置。知事選を前に、政治の場から事故と抗議活動の関連性を追及する構えだ。 知事選には政治団体代表の木下隆政氏(69)も出馬表明している。