村上宗隆が本塁打量産 地元メディアで高まる“トレード反対論”「ホワイトソックスに不可欠」
「ヤクルト時代に150キロ以上の直球に対するコンタクト率が低かった。メジャーでは150キロ以上の球速でシンカー、ツーシームなど手元で動かす変化球を投げる投手が多いため、各球団の評価はシビアでした。あとは守備力ですね。守り慣れている三塁を見るとメジャーでは厳しい。ホワイトソックスでは一塁を守っていますが、ヤクルト時代の一塁の守備機会は近年少なく、未知数でした。でも、ホワイトソックスに入団したのは正解だったと思いますよ。チームは再建期で、多少打てなくても使ってもらえるし、強打者がそろっている球団と違って自己犠牲の打撃に神経を使う必要がない。新人王も狙えますし、本塁打王争いでどこまで食らいついていけるか楽しみです」 ■混戦の地区で出てきた優勝の可能性 ホワイトソックスは23年から3年連続で100敗以上を喫し、24、25年と2年連続でア・リーグ中地区の最下位に低迷している。大谷、山本由伸が投打の中心選手として活躍するドジャースや、同じシカゴに拠点を置き今永昇太、鈴木誠也を擁するカブスのような強豪球団ではない。ホワイトソックスのように早々に優勝争いから脱落してきたチームは、夏のトレード期間に主力選手を放出して他球団の有望な若手を獲得するケースが多い。実際、村上が開幕から本塁打を量産し始めたときも、ホワイトソックスにとって村上はトレードの切り札になるという見方が強かった。 「間違いなく夏のトレードの目玉として、複数球団が獲得にアプローチしてくるでしょう。ただ、ホワイトソックスも今年はしぶとい戦いぶりを見せている。ア・リーグ中地区は混戦状態で、優勝の可能性も出てきている。地元メディアでは『村上を中心に据えてチームを強化すべき』『村上はホワイトソックスに不可欠な選手。手放すべきではない』とトレード放出に反対の声が高まっています。ファンにも愛され、村上の活躍で観客動員数も増えている。球団がどう判断するかですね。それに村上もホワイトソックスという環境だからこそ、のびのびと能力を発揮できている面もあると思います。このチームで1年間プレーしたほうが、今後のキャリアを考えてもプラスになるのでは」(米国で取材するスポーツ紙記者) 移籍1年目の村上だが、チーム全体に若手が多いためリーダー的な存在になっている。村上の活躍に引っ張られるように、チームは19勝21敗の借金2ながら、ア・リーグ中地区の2位に浮上し、首位ガーディアンズへも1ゲーム差に迫った(5月10日終了時)。ホワイトソックスの今後の戦いぶりが、村上の去就に影響することは間違いない。 ヤクルト時代、村上が長距離打者として覚醒するとともに、チームは21、22年とリーグ連覇を果たした。ホワイトソックスでも、村上が先頭に立って、チームが低迷期を乗り越えていくストーリーが見られるかもしれない。 (ライター・今川秀悟)
今川秀悟