低迷カープに迫る“主力FA流出ドミノ” 床田・坂倉・森下らが一斉離脱なら「暗黒時代」突入か
■市場価値が高い床田や坂倉 床田は先発陣の大黒柱だ。23年以降3年連続150イニング以上を投げたタフネス左腕で、昨年はリーグトップの6完投、3完封をマークした。坂倉は高い打撃センスに定評があり、21年は打率.315でリーグ2位。22年には全143試合出場で打率.288、16本塁打、68打点をマークしている。昨年は右手指の骨折で出遅れて本来のパフォーマンスを発揮できなかったが、今季は一塁での起用が増え、打率.296、5本塁打、24打点と好調で、得点圏打率.500と勝負強さが際立っている。ブルペンを支えてきた島内は23年にリーグトップの62試合登板で39ホールドをマークし、最優秀中継ぎのタイトルを獲得。昨年も60試合登板で4勝2敗1セーブ29ホールド、防御率1.40と抜群の安定感を誇った。今年は5試合登板で防御率8.31と状態が上がらず、4月18日に登録抹消されたが、広島が巻き返すために必要不可欠な戦力だ。 セ・リーグ球団の元編成担当は「床田は大きな故障がなく、稼働率が高い。左腕の先発が欲しい球団は多いので市場価値が高いでしょう。坂倉は捕手だけでなく、複数のポジションが守れる。打力を生かして一塁、三塁のレギュラー格として獲得を調査する球団が出てくる可能性があります」と分析する。 エースとして期待される森下の動向も気になる。3度2ケタ勝利をマークしているが、いずれも10勝どまりで、能力の高さを考えれば物足りなさがある。昨年は防御率2.48でリーグ7位だったが、6勝14敗と大きく負け越した。打線の援護に恵まれない登板が多かったことは否めないが、勝負所で踏ん張れないと真のエースにはなれない。今年も6試合登板で2勝4敗、防御率4.45とピリッとしない。憧れの前田健太(楽天)のようにメジャーでの活躍を夢見るが、米国の球団から高い評価を得られるかというと疑問符が付く。九里が24年に広島からメジャー移籍を視野に海外FA権を行使したとき、市場の動きが鈍かったためオリックスに移籍した経緯がある。国内FA権を取得予定の森下はどのような決断を下すか。 「FAでマネーゲームになれば豊富な資金力を持つ他球団に太刀打ちできないので、選手の流出は避けられない。それでも広島が強くなる術がないわけではない。ファームを見ると投手では佐藤柳之介、菊地ハルン、野手では杉田健、田村俊介など楽しみな若手が多い。トレードや現役ドラフトなども活用するべきでしょう。他球団でくすぶっていた選手を次々に覚醒させてきた日本ハムが好例です。広島はアットホームな球団ですが、首脳陣を刷新して外部招聘を検討する余地もあります」(広島を取材するライター) 熱狂的な応援で知られる広島ファンだが、低迷期が続き、本拠地・マツダスタジアムの主催試合で空席が目立つ光景も珍しくなくなった。まだシーズンは100試合以上残っているが、このまま広島は暗黒期に入ってしまうのか。 (ライター・今川秀悟)
今川秀悟