【創作向け解説】フィクションの記号としての銃器
↑この解説が冗長なので、創作でキャラクターに持たせる銃を選ぶ際に、各時代別に広く使用されていた銃器の紹介に絞った記事を書いたら実用的なのではないかと思いました。
現代を舞台にする人が多いのではないかと思うので、よくメディアに登場するモデルを紹介しつつ、歴史的に遡っていきながらそれらの銃がどのような文脈を持っているかなどを記述していこうかと思います。
創作のキャラに持たせる銃をチョイスするにあたって、それが探偵の持つ拳銃なのか軍人の持つ軍用ライフルなのか猟師の持つ狩猟用の散弾銃なのかといった、用途に適った大きさや性能であることはもとより、その銃の年代や国籍が合っていることに留意したい。
また、価格帯もキャラのイメージを示す重要な指標になってくる。銃もまた流行り廃りのあるファッション的な商品でもあり、登場から数年~十数年ほど経った銃は型落ち品となり中古品が出回ったりして、入手しやすいと言える。軍や警察が装備を更新した際に、古くなった銃は放出され民間市場に流れたり同盟国に供与されることも、ままある。
つまり年代と銃の流行り廃りを意識することによって、登場させる武装組織(暴力装置)が型落ち品の備品を使っている貧乏な組織なのか、予算が付いていて最新鋭の装備を揃えられるような組織なのか、といったイメージの違いを出せる。それは服装や車などの流行り廃りと同じだと思う。
個人であっても、ただ必要があって勧められるままに拘りなく新型のものを買っているのかとか、お金がないので旧い中古品を買わざるをえないとか、単に木と鉄のクラシックな見た目が好きとかプラスチック製で軽いから楽とか、そういったキャラクターの性格や味付けを描写できる。
■フィクションの記号としての銃器
【映画やビデオゲームにおけるアイコン】
主に映画やゲームなどに登場するケレン味の強い銃器。実際の性能や運用数の規模を問わず、デザイン映えだとか確立されたキャラクター性の強さがあるので、既存のイメージを踏襲しつつハッタリを効かせる意味で、これらの銃器を創作に登場させて良いかもしれない。
IMI デザートイーグル
強力なマグナム弾を使用する自動拳銃「マグナムオート」(オートマグ)であるデザートイーグルは、フィクションの記号として広く知られている。
『コマンドー』『ラスト・アクション・ヒーロー』などでアーノルド・シュワルツェネッガーが使用している。その大柄な図体と過剰なパワーが、筋肉質なヒーローや悪役のイメージに不思議とマッチする。
『コマンドー』ではヴァルメM78/83軽機関銃、レミントン散弾銃、ウージーSMGの他にサイドアームとしてデザートイーグルが使用されている。
グロック18
公的機関向けに開発されたグロックのフルオート・モデルであるグロック18は、マシンピストルとして様々なメディア作品に登場している。
セミオートのグロック17にいわゆるグロック・スイッチを装着することでフルオート改造したモデルも存在し、社会問題になっている。(例えば反社会勢力に持たせる場合、こちらの方がキャラクターに合っているかも)
『ダークナイト』のジョーカーなどが改造グロックを使用している。
ベレッタ92FS
米軍に採用されていたベレッタ92(M9拳銃)は、映画やゲームなど様々なメディア作品で二挺拳銃として登場するイメージもある。
『マトリックス』『リベリオン』『男たちの挽歌』、『マックスペイン』『カウンターストライク』などでベレッタの二丁拳銃が登場している。
『マトリックス』では主人公のネオがベレッタ92、それを追うエージェントたちがデザートイーグルを使用している。
85年に米軍制式拳銃として採用されてから、『ダイ・ハード』『リーサル・ウェポン』シリーズで主人公の刑事に使用されたイメージが強い。
ハリウッド映画の創った80年代ヒーローの拳銃であり、その場合は同時期のグロックがライバル(悪役)の拳銃として対置されるイメージもある。
H&K Mk23/H&K USP
90年代に米特殊部隊の要請でサプレッサーやフラッシュライト、レーザーなどの装着を想定して開発されたH&K Mk23および、その原型であるH&K USPは、現代のタクティカル・ハンドガンの基礎となった。
トーラス・レイジングブル
トーラス・レイジングブルのような大口径リボルバーの使用する.454カスール弾や.500S&W弾は対人用としては過剰な威力だが、クマやグリズリーのような大型の獲物に対する自衛用サイドアームとしての需要が存在する。
チアッパ(キアッパ)・ライノ
可愛いので。マテバと同じデザイナーが作ったらしい。
マテバ 6ウニカ オートリボルバー
反動によってハンマーをコックし、連射速度を高めたオートリボルバー。モデル名の「6ウニカ」とはイタリア語で「あなたはユニーク」または「あなただけのもの」を意味するらしい。
FN P90
「個人防衛火器」(PDW)という触れ込みで登場したFN P90は、軍や警察、特殊部隊などで広く使われるようになったイメージがある。専用設計の5.7x28mm弾により通常の短機関銃よりも高初速で、ケブラー製の防弾衣を貫通できる。
登場から30年以上経っているが、いまだにちょっと未来っぽいデザイン。在ペルー日本大使公邸占拠事件で使用され有名になった。
H&K MP7
専用の4.6x30mm弾を使用するMP7はもともとPDWとして開発されたが、特殊部隊向け短機関銃として運用された。P90よりもUZIやイングラムM11のようなコンベンショナルなスタイルをしている。
ビン・ラディン暗殺に使用されたとされる。
KRISSヴェクター
垂直方向にボルトが動作するクリス・スーパーV機構を搭載し、銃身軸より高い位置にグリップを配置するシェプタルスキー・レイアウトを実現したKRISSヴェクターSMG。特徴的な外見からメディア作品によく登場する。
PP-19 ビゾン
円筒形のヘリカルマガジンが特徴的なPP-19ビゾン短機関銃。カラシニコフ突撃銃のデザインを踏襲しており、操作方法も似通っている。
豊和 89式小銃
自衛隊に採用されている5.56mm自動小銃(日本では政治的理由から突撃銃とは呼称しない)。日本の軍用銃器は輸出されることはなく、日本の自衛隊・海上保安庁・法執行機関以外での使用はないことに注意。
まあ、でも、リアリティラインの設定は作者によるので……各自の判断でそこは自由にしていいと思う。
韓国のK2小銃も、内部機構の由来は異なるがAR15やAR18の設計者であるユージーン・ストーナーの系譜であり、89式の印象に近い。こちらは諸外国に輸出されている。
他に似た銃としては、89式の外見や設計の参考になったFN FNCがある。こちらは諸外国に輸出されているので、より現実的な選択肢となる。FNCの前身であるFN CAL向けに開発されたSS109弾が、現在の5.56mm NATO弾として西側諸国を始めとする世界中で広く使用されている。
H&K XM8
2005年に米軍に正式採用されなかったライフル。内部構造的には同社のG36シリーズと同じ(この動画もG36の民間モデルをベースにしたもの)。00年代のミリタリーアクションゲームには大体登場していた。
FN F2000
P90を開発したFN社のブルパップ式アサルトライフル。前方排莢機構によってブルパップ式ながら左右の利き手を選ばない。『スプリンターセル』シリーズでサム・フィッシャーが使っていた。今でも未来の銃っぽい。
HSプロダクト VHS-2
クロアチア製のVHS2突撃銃。G36の弾倉を使用できる設計になっている。デザインの方向性も何となくG36と似通っている。
ウィンチェスターM1887
M1887のようなレバーアクション式散弾銃は珍しいが、映画やゲームの影響でレバーアクションと言えば散弾銃という認識を持っている人も多い。
ストライカー12
『ストリート・スイーパー』の仇名を持つ回転弾倉式ショットガン。
ケルテックKSG
ブルパップ式散弾銃のケルテックKSG。二本のチューブ弾倉を持つ事で、複数の弾種を切り替え可能とされる。
S&WもM&Pのブランドで同等のブルパップ式ショットガンを発売した。
『ジョン・ウィック』で使用されて有名になったイメージがある。
AA-12
フルオート・ショットガン。実際に軍・警察組織で採用されたという話は聞かないが、過剰な威力からビデオゲームにはよく登場しているイメージ。『寄生獣』のアニメ版では、原作で上記のSPAS12が登場する場面でAA-12がチョイスされていた。
ワルサーWA2000
72年のミュンヘンオリンピック事件を受けて開発された、対テロリスト専用のセミオート狙撃銃。ライバルのPSG-1に敗れたが、特徴的なデザインは『007/リビング・デイライツ』や『ヒットマン』などのメディア作品で、アイコニックな狙撃者の武器として登場している。
ヴィントレスVSS
冷戦末期のソ連製消音狙撃銃であるヴィントレス(VSS)は、重い弾頭を持つ専用弾薬によって、ある程度の有効射程と消音性能を両立させている。ゲーム『S.T.A.L.K.E.R.』などで印象的に使用されたイメージがある。
古くから女性兵士が前線で戦っていた共産圏の銃器全般に言えることだが、美少女キャラクターがよく持っているようなイメージが何故かある……それはリュドミラ・パヴリチェンコの時代からロシア側も自覚しているかもしれない。
PTRS-1941/ラハティL39
第二次大戦時の対戦車ライフル。のちの対物ライフル。これらは肉厚化する戦車の装甲に対抗できなくなりバズーカなどのロケットランチャーにその役割を譲った。人間よりも頑丈なサイボーグだとかモンスターに対する狙撃銃として登場させるのもいいかもしれない。
ゲパードGM6 Lynx
バレットM82のような対物ライフルであるハンガリーのゲパードGM6 Lynx。コンパクトさと長銃身を兼ね備えるブルパップ方式を採用しており、ロングリコイル方式で銃身が大きく前後する。
XM25エアバーストグレネードランチャー
米軍で試験的に運用されたXM25エアバーストグレネードランチャー。XM29 OICW計画から単離されたプロジェクトだが、最終的には試験運用のみで終了した。テストの結果自体は良好だったとされる。
M134ミニガン
M134ミニガンなどのガトリング銃は通常、車輌やヘリ等に設置して使用するものだが、フィクション作品では両手に抱えて射撃する場合もある。
『プレデター』や『ターミネーター2』などに該当シーンがある。
パンツァーファウスト3
ドイツ連邦軍や日本の陸上自衛隊などで運用される使い捨て式の無反動砲。スコープと一体化したグリップを弾薬の装填された発射チューブに取り付けて使用する。スコープ・グリップ部は再使用する。
弾頭が先頭にあるデザインはモダンになったRPG-7っぽいかもしれない。
【サプレッサー付きのリボルバー】
たまにマンガや映画などにサプレッサーの装着されたリボルバー式拳銃が登場するが、(自動式に比べて)一般的ではないものの、絶対に不可能だとも言い切れない。
通常、リボルバーには回転式弾倉(シリンダー)とバレルの間にシリンダーギャップと呼ばれる隙間があり、射撃時にそこから発射ガスが漏れてしまう(=銃口以外から爆発音・発射音が漏れてしまう)。
では『殺人者たち』でリー・マーヴィンが使用するような消音リボルバーは実現不可能なのかと言うと、そうとは限らない。発射ガスの漏れるシリンダーギャップを無くせばリボルバー式拳銃でも消音(減音)可能と言える。
シリンダーギャップが0.002インチ(50マイクロメートル、0.05mm)以下のリボルバーにサプレッサーを付けると減音効果を得られるという動画。
マグナムリサーチBFRは、シリンダーギャップが0.002インチ以下である。
サプレッサーを銃口に装着した消音リボルバーは、ベトナム戦争の時代にS&W M10を改造した"Tunnel Rat Kit"と呼ばれるものの例が存在する。
(ただし消音効果は薄かったようだ)
ロシア帝国のナガンM1895は、シリンダーが前進してシリンダーギャップを無くす機構を搭載している為、サプレッサーによって消音効果を得られる。
消音弾薬を使用するアメリカのAAI QSPR。
特殊部隊向けに作られたKAC消音リボルバーライフル。
つまり何の工夫もされていない普通のリボルバーにサプレッサーを取り付けただけでは、消音効果は得られない。上述のシリンダーギャップを狭めるなどの改造をすれば不可能だとは言い切れないが、一般的でもない。
【架空銃について】
架空銃のデザインには銃の基本的な形状や構造の理解が必要になってくる。
現実の特定の年代に実在しそうなものから架空のレーザー銃まで様々だが、実銃の発射機構をベースに外見をデザインしたものも多い。架空銃のデザインは鬼門だと思うので、基本的には避けたほうが良いとは思うが、ここでは有名な架空銃や、特異な外観のモックアップ、実銃などを例として挙げる。
『エイリアン2』の宇宙海兵隊が使用するM41Aパルスライフル。
『ロボコップ』で使用されるAUTO9ピストル。
『黄金銃を持つ男』ことスカラマンガ氏が使用する黄金銃。
『ブレードランナー』のデッカード・ブラスター。
■グローバル資本主義経済の時代(2010s~)
【事実上標準に収斂進化していく銃器たち】
拳銃ではグロックなどのストライカー式ポリマーフレームオートが事実上標準となり、ライフルにおいてはAR15のデザインや操作体系が広く踏襲されるようになった。20世紀末から公的機関に採用され続けてきたグロック、MP5、AR15(M4カービン)などの世代交代が起きつつ、それらのデザインに影響された銃器が数多く登場している。
スタームルガーLCR
銃の扱いにあまり慣れていない人にとって、使い方が分かりやすく自動式よりもメンテナンス等に気を使わなくてもよいリボルバー式は、今でも護身用やバックアップ・ガンとして一定の地位を保っている。
スタームルガーLCP
先発品のKel-Tec社のP3ATに続く形で登場したスタームルガーLCP。現代のアメリカ民間市場では、このクラスの.380口径コンパクトオートが護身用として人気を博している。
同様の小型拳銃として、他にはS&Wボディガード380が存在する。これは後に後述のS&W M&Pシリーズのブランドに統合された。
S&W M&P
グロック拳銃を意識したS&W社のポリマーフレームオート。M&Pとは「ミリタリー&ポリス」のイニシャルで、同社のロングセラーである回転式拳銃S&W M10 ミリタリー&ポリスの名称を踏襲している。
B&T USW
拳銃のコンパクトさを保ちながら銃床を付けることで、射撃姿勢を安定させ精度を高めるピストル・カービンが復権しつつある。ドットサイトなどの光学照準器も標準的となっている。
FLUX Raider
拳銃のフレームとして機能するFLUX Raiderもその一種である。クールさというかイメージを重視したマーケティングを意識した映像にも注目。
SIG MPX
短機関銃であるSIG MPXは、もはや事実上標準となったアメリカのAR-15(M16ライフル、M4カービン)の操作体系を踏襲している。
FN SCAR
米特殊部隊向けに開発されたFN SCARはM16系統に近い操作体系を持つ。モジュラーライフルであり様々な弾種に対応しやすく、5.56mm口径モデルのSCAR-Lは突撃銃として、7.62mm口径モデルのSCAR-Hはマークスマンライフルとして運用される。
00年代のマグプルMASADA(ブッシュマスターACR)を始めPSA JAKL、B&T APC 223や、チェコのCZ BREN2、ポーランドのGROT突撃銃、日本の20式小銃なども、そのモジュラー構造やデザインはFN SCARの影響下にある。
AR15(M4カービン)系統やAK47系統の対立から外れた、ある意味でニュートラルな「現代の一般的なアサルトライフル」像を表象している。
H&K HK416/HK417
M4カービンを基にしたH&K HK416は米軍でも一部使用され、また改良型がドイツ連邦軍やフランス軍の制式小銃にも採用され、更新されつつある。
7.62x51mm弾バリアントのHK417は、G28の名称でマークスマン・ライフルとして改修された。米軍にM110A1の名称で採用されている他、日本の陸上自衛隊でもM24SWSの後継として調達されている。
B&T GL-06
暴徒鎮圧用として警察向けに開発されたグレネードランチャー。非殺傷弾薬である催涙弾やゴム弾などを使用するLL-06というバリアントと、通常の40x46mmグレネード弾を使用できる軍用モデルGL-06が存在する。
Byrna社の低致死性武器
2018年頃に登場したByrna社の低致死性武器は、CO2ガスによって催涙弾を発射する。ユーザーの自衛用に対象を傷付けない選択肢を提供している。
ピストルタイプ、サブマシンガンやピストルカービンのようなモデル、AR-15のようなアサルトライフルのモデルも存在する。これらのデザインは銃器の扱いに慣れ親しんだユーザーにとって取り扱いやすい他にも、弾倉を入れるポーチなどの装備を共通化できるメリットもあると言える。
■氾濫する商品としての銃たち
冷戦時代から銃器や生産設備を先進国は第三世界などに広く供給しており、それらのライセンス生産品やデッドコピー品が様々な遺伝子を持つ銃を生産している。それらは市場原理によって選択・淘汰されつつ、20世紀末に広く使用された有名な銃などはごくありふれたモデルとなった。
ベレッタ92、コルト1911、シグ226、Cz75、グロック17などの有名モデルは各国でクローン品やコピーモデルが製造されている。複数の銃の特徴を混ぜ合わせて作られたような銃が販売されることも、しばしばある。
PSAダガー(グロック19クローン)
第三世代のグロックはパテントが失効しており、各社がコピー品を販売している。PSAダガーはクローン品のひとつ。
ノリンコNP22(シグP226コピー)
もはやシグP226を「標準的な拳銃」の形として認識していい段階にあると思う。中国のノリンコ社でもNP22の名称でコピーされていて、軍・警察からの中古品も出回っているだろうし……どんなキャラクターが使っていても違和感はあまりないと思う。
1911クローン/STI 2011
1911年に登場したM1911ピストルは、現代においては高級ラインのものやある種の所有欲を満たすアイテムとして販売されている側面もある。一種の懐古趣味でもある。
モジュラーフレーム構造を採用し、ダブルカラムマガジンによって1911の装弾数を増やしたSTI 2011系のハイキャパシティモデルは、競技用をはじめ現在では法執行機関での採用も増えている。
AR15クローン
アメリカのスタームルガーやS&W、中国のノリンコやドイツのH&Kなど、各国の各企業がAR15スタイルのライフルを製造し、販売している。
アフガニスタンからの撤兵以降、タリバンは放棄された米軍の武器装備を鹵獲使用しており、もはやAR-15(M16ライフル、M4カービン)はアメリカや西側諸国のイメージのみならず、ごくありふれたものになっている。
MP5/G3クローン
パキスタン製のMP5クローン。MP5/G3系列はトルコのMKEKや中国のノリンコでもライセンス生産やコピーされている。
CZ スコーピオンEVO3
長らく使用されてきたMP5短機関銃の老朽化に伴って、各社がその後継品を模索している。チェコのスコーピオンEVO3はその一つである。
ガリルACE
イスラエルのガリル突撃銃の最新型であるガリルACEは、光学照準器を搭載可能なアクセサリー・レールやAR15系のストックを採用するなど、より近代化したモデルになっている。
タボールX95
イスラエルのブルパップ式突撃銃タボールTAR-21のコンパクトモデルであるタボールX95。通常の5.56x45mmの他にAK-74の5.45x39mmモデルや、9x19mmのサブマシンガン仕様なども存在する。
MAC1014(ベネリM4クローン)
トルコ製のM1014クローン。トルコでは諸外国の拳銃やライフル、散弾銃のライセンス生産品やコピー品が氾濫しており、それらが輸入され米国市場で販売されることもままある。
イズマッシュ サイガ12/ヴェープル12モロト
90年代にAK-47ことカラシニコフ突撃銃を基に開発された自動散弾銃であるサイガ12。AKと同じ操作で扱うことができ、ボックスマガジン式の給弾により、通常のチューブ式弾倉のショットガンよりも素早く装填できる。
AK-47でなくRPK軽機関銃を基にしたモロト社のヴェープル12。
【"ゴースト・ガン" 密造銃・3Dプリント銃】
パキスタンとアフガニスタンの間にある歴史的な交易・交通の要衝であるカイバル峠のダッラ村や、日本にも輸入されるフィリピンやタイなど東南アジアの密造銃は広く知られている。
また3Dプリンタの普及によって、管理されないゴースト・ガンの製造を容易にしているとも言える。(ただし、3Dプリンタによって弾薬を製造することはできない)
免責事項:
日本国内において、銃砲や弾薬を無許可で製造する事は銃刀法や火薬取締法に違反する違法行為であり、決してしないで下さい。
個人が当記事を参照し法律を違反した事によって生じる不利益等について、当方は一切の責任を負いません。
■9.11と対テロ戦争の時代(2000s~)
【警察の軍事化とパトロールライフルの登場】
90年代のノースハリウッド銀行強盗事件をきっかけに、アメリカの警察はSWAT部隊のみならず通常のパトロール隊もAR-15(米軍でいうM16、アサルトライフル)などのパトロール・ライフルを装備するようになり、重武装化している。拳銃も旧来のリボルバーやS&Wオートから装弾数の多いグロックなどに置換された始めたのも、この時期である。
AR-15とグロックは、今でもアメリカの軍・警察・民間の事実上標準として君臨している。
グロック19
事実上標準となったポリマーフレームオート。世界各国の軍隊・法執行機関・民間に普及している。迷ったらグロックを出しておけば、とりあえずそれでいいと思う。
シグP226
1980年代の米軍制式拳銃トライアルで優れた成績を残したものの、ベレッタ92に「高価すぎる」として敗れたシグP226。軍や法執行機関で使用されるイメージが根強い。堅牢さと性能から特殊部隊御用達のイメージもある。
日本の自衛隊では元となったシグP220が9mm拳銃の名称で採用された。
P226に限った話ではないが、旧来のリボルバーに慣れた警官向けにDAO(ダブルアクションオンリー)のトリガーシステムを持つDAオートがバリアントとして展開されていた時期でもある。スライド後退時にハンマーがコックされず、DAリボルバーのように毎回同じ一定の重さのトリガーを引くようになっている。
また9mmパラベラム弾の威力不足が叫ばれていた時期でもあり、FBIを始めとして、新規に提案された.40S&W弾を採用する機関も多く存在した。(現代では、9mmパラベラム弾へと回帰している)
H&K UMP
H&K MP5の後継を模索する一環として開発された、ポリマーを多用した短機関銃。MP5の代替には至らなかったが、「汎用短機関銃」の名の通り標準的な仕様を有している。
特殊部隊向けに開発されたH&K Mk23拳銃と同じ.45ACP弾の使用を前提に設計され、.40S&W弾や9mm弾仕様は後になってから追加された。
B&T MP9
H&K MP5Kの対抗馬として開発されたステアーTMPの権利をB&T社が買い上げたもの。MP5Kと同じく、フルオート射撃時の跳ね上がりを抑えるフォアグリップなどが特徴的と言える。
コルトM4A1
米軍がM16に代わって全軍に配備するようになったアサルトカービン銃。1960年代の民間用のアーマライトAR-15が基であり、アメリカ民間市場でも普及している他、警察機関にはパトロール・ライフルとしても採用されており、事実上標準となっている。
M16/M4の弾倉はSTANAGマガジンとしてNATO諸国の標準規格でもある。
H&K G36C
ドイツ連邦軍が90年代に採用した、軽量なポリマーを多用した突撃銃。カービンモデルのG36KやコンパクトモデルのG36Cが西側諸国の軍・法執行機関や特殊部隊で採用されている他、近年ではクルド人部隊のペシュメルガなどにも供与されていた。
対テロ作戦・対テロ戦争で頻発する市街戦などの近接戦闘において取り回しやすいM4カービンやG36Cのような、短銃身でコンパクトなアサルトライフルをアサルトカービンと呼称する場合もある。
これは従来使用されてきた短機関銃では貫通できない防弾チョッキを着用するなど、重武装化するテロリストや犯罪者に対して使用される向きがある。これは当時、防弾衣を貫通できる性能を持つ専用弾を使用するPDWよりも導入しやすいソリューションだったと言える。
モスバーグM500
レミントンM31を基礎設計とした、標準的なポンプアクション式散弾銃。レミントンM870と並んで軍・警察・民間で広く使用されている。
ベネリM4(M1014)
M1014の名称で米軍に採用されたセミオートショットガンであるベネリM4は、各国の軍や法執行機関でも使用されている。
レミントンM24SWS
レミントンM700を基にしたボルトアクション式の狙撃システム。スコープやバイポッドなど各附属品を含めたシステムとして構成される。
アキュラシー・インターナショナルAW(L96A1)
プラスチック製のサムホール・ストックが特徴的なアキュラシー・インターナショナル社のL96A1は80年代に英軍に採用され、寒冷地仕様のArctic Warfareシリーズが各国の軍・警察・法執行機関に広く使用されている。
スプリングフィールドM14(M21狙撃銃)
M16やM4カービンの5.56mm弾の威力・射程不足が問題視された時期に、ベトナム戦争初期に採用されたままM16に代替され倉庫で眠っていた7.62mm口径のスプリングフィールドM14が持ち出されて運用された。
00年代に近代化改修を受けた、いわゆるM14 EBR。重量の問題から後にAR15系の派生であるM110狙撃銃(SR-25、HK417など)に更新された。
FNミニミ
NATO諸国で広く使用される標準的な軽機関銃(分隊支援火器)。
X26テイザー/FN 303 ランチャー
軍や警察などで使用されるノン・リーサル・ウェポン(非致死性兵器)として、電気ショックを与えるテイザー銃、散弾銃などのライオット・ガン(暴徒鎮圧銃)で使用されるゴム弾や催涙弾、また空気圧で非殺傷弾を射出するFN 303ランチャーなどが存在する。低致死性兵器とも言い換えられる。
ダネルMGL
40mmグレネード弾を6発装填できるリボルバー式グレネードランチャーのダネルMGL。
AT-4/SMAW ロケットランチャー
使い捨てロケットランチャーのAT-4と、多目的に様々な弾種を使用できるSMAWロケットランチャー。
FIM-92スティンガー
低空の航空目標を赤外線/紫外線によって追尾する、いわゆる「撃ちっ放し能力」を備えた携帯式地対空ミサイルのFIM-92スティンガー。
1980年代のアフガン紛争でソ連のヘリコプターに対抗するために、ムジャヒディン(ジハード戦士)たちに供給された。
【破片手榴弾】
火薬を用いた投擲武器の歴史は古いが、現代のようなピンとレバーの付いた形式の手榴弾は第一次大戦から用いられ始めた。火薬の爆発よりも、その金属片で殺傷する手榴弾を特に破片手榴弾と呼ぶ。
第二次大戦時代のMkII手榴弾は「パイナップル」の愛称で呼ばれる。
ベトナム戦争時代のM26手榴弾は「レモン」の愛称で呼ばれる。
後継のM67手榴弾は「アップル」や「ベースボール」の愛称で呼ばれる。
【20世紀末のアメリカ民間市場】
レーガン大統領暗殺未遂事件などを受け、アメリカでは連邦法によって1986年以降に製造されたフルオート火器の譲渡や所持が原則禁止、また1994年に10年の時限法で「アサルト・ウェポン規制法」が施行され拳銃の装弾数が(一時的に)10発までと制限されるなど、銃規制の機運が高まっていた。
スタームルガーP95
安価で堅牢、必要十分な性能のスタームルガーの銃は民間市場で人気である。その為スタームルガーP85やP95などは市民に犯罪者から警官まで、誰が持っていても違和感のない「一般名詞の拳銃」のようなイメージがあると思う。
スタームルガーSP101/GP100
安価なスタームルガー製のリボルバーには根強い人気がある。80年代に流行した「ワンダー9」は複列弾倉による装弾数15発ほどのハイキャパシティが魅力の一つだったが、90年代の装弾数規制もあり、アメリカ民間市場では装弾数の多いオートマチック拳銃の需要が一時的に落ち込んでいた。
スタームルガー・ミニ14
AR-15(M16)ライフルの外観は現代でも(軍の装備する突撃銃ということで)「攻撃的である」という理由で批判・忌避される場合がある。オールドスクールな外観を持つスタームルガー・ミニ14は「AR-15より攻撃的でない/威圧感を与えない」という理由で、M1カービンやSKSと並んで根強い人気を持つライフルである。
テレビドラマ『特攻野郎Aチーム』でも使用されていたイメージがある。
余談ではあるが、1980年代から90年代初頭にかけてソ連製や中国製の中古品のSKSカービンがアメリカ民間市場に大量に流入した。そのため1980~1990年当時のアメリカでは、SKSカービンもごくありふれていたらしい。
トーラスPT92
ブラジルのタウルス(トーラス)PT92は、イタリアのベレッタ92のライセンス生産モデルである。米軍に採用されたM9拳銃は92FSというスライド上に安全装置があるモデルであるのに対し、PT92はフレームに安全装置のある最初期モデルのライセンス生産品となっている。
アメリカでもPT92は安価さや、今でも根強い人気を持つコルト1911と同じようにコック&ロックできる安全装置などが一定層に好まれた。
ハイポイントC9
90年代より低所得者向けに販売されているハイポイント社の拳銃。通常、9mmパラベラム級の弾薬の圧力に耐えるにはショートリコイルなどの閉鎖機構が必要だが、安価な亜鉛合金などを使用し、またスライドの重量を稼ぐ事によって構造を単純なブローバック式にでき、価格を抑えている(似たコンセプトの銃として、H&K VP70があった)。また故障時の永久保証もある。
犯罪に使用される銃には、安価でシンプルなものが多い。
【日本におけるヤクザの記号】
戦後の日本ではアメリカから流入したコルトM1911やS&W製リボルバー、その他ブローニング型の自動拳銃などが広く使用されたが、1980年代以降になるとソ連(ロシア)や中国よりトカレフ拳銃やそのコピー品が密輸され、現代でも広く知られたヤクザの記号となった。
トカレフTT-33
80~90年代に中国製のコピー品が多数密輸され、日本のヤクザの代名詞にもなっているトカレフ拳銃。旧共産圏や紛争地帯にも広く分布している。
弾頭に鉄芯の入った高初速のトカレフ弾は防弾着を貫通するとされ、日本では防弾の基準にトカレフ弾対応かどうかが意識されるほど。
マカロフPM
ワルサーPPKを参考に設計された、コンパクトなマカロフ拳銃。安全装置を持たないトカレフに対して、デコッキングレバーとダブルアクション方式を採用することで安全性と即応性が高まっている。
こちらも紛争地帯や旧共産圏で広く分布している。日本の反社会勢力でもトカレフからマカロフへの世代交代があったらしい。最も生産された拳銃のひとつ。
■赤色テロと民族紛争の時代(1970s~1990s)
【凶悪犯罪の増加とSWAT部隊の創設】
70年代にはドイツ赤軍、日本赤軍、赤い旅団などの赤色テロリストの台頭や、90年代には世界各国で分離独立や民族自決を目指す武装集団に対応する意味で、軍のみならず警察の装備も強化された。
従来の拳銃に比して装弾数の多い「ワンダー9」の登場や、MP5やAR15ライフルなどを使用するSWAT部隊や警察特殊部隊が活躍した時期でもある。
「ワンダー9」
9mm口径・複列弾倉・ダブルアクション式の特徴を備えた自動拳銃であるシグ226、ベレッタ92、Cz75、グロック17などは80年代に「ワンダー9」と呼ばれ、旧来のリボルバー式拳銃に代わって広く採用された。
S&W M39/M59
アメリカのS&W M39や複列弾倉のS&W M59は、軽量なアルミフレームを使用し、ワルサーP38のようなダブルアクション・デコッカーを搭載している。グロックの普及まで、安価な警察用拳銃として長い間使用された。
上記の「ワンダー9」の先駆けでもある。
Cz75
1980年代以降、アメリカのコンバット・シューティング界隈では「世界最高のコンバット・オート」として持て囃された。CZ75系は構造の脆弱性が問題視されることもあるが、ファンが多いのも確かではある。Cz75はチェコスロバキア(当時)以外で国外のパテントを取れなかったため、イタリア、トルコ、北朝鮮、イスラエルなど世界中でコピーされた。
「マグナム拳銃」
旧来のリボルバー式よりも装弾数の多いワンダー9の傍で、防弾チョッキを貫通できるマグナム拳銃も警察系特殊部隊の装備として生き残ってきた歴史がある。例えばフランスのマニューリンMR73などはその一つである。
S&W M29 44マグナム
いわゆる『ダーティハリー』の銃。44マグナムの代名詞。警察官が使用するには大柄かつ過剰な威力だが、ハリー・キャラハン刑事自体もハッタリを効かせる意味で44マグナムを使用しているフシがある。
コルト・パイソン
S&W社のライバルであるコルト社のコルト・パイソンも.357マグナム弾を使用するマグナムリボルバーである。競技用として開発された高価なモデルであり、S&Wのように公的機関が採用するイメージは少ない。
【メディアによってアイコンとなった銃たち】
ハリウッド映画がマフィアとトンプソン短機関銃のイメージを強く結びつけたように、事件の報道で映り込んだ銃器がそのイメージを形作ることがある。映画、テレビドラマやニュース映像によって有名になりアイコン化されたこれらの銃器は、現在でもしばしば用いられている。
H&K MP5
77年のルフトハンザ航空181便ハイジャック事件で閃光手榴弾と共にGSG-9が使用し、警察特殊部隊の標準的な装備となった高精度の短機関銃。世界各国の軍隊・法執行機関・民間に普及している。言わば拳銃弾を使用する簡易狙撃銃として運用される事が多い。
H&K MP5のバリアントであるH&K MP5 SDは、内蔵されたサプレッサーの消音効果の高さを始めとし、G3小銃の機構を転用した精度の高さ、拳銃弾の貫通力の低さに伴う民間人への副次的被害コラテラル・ダメージ防止などの観点が好まれ、西側各国の軍・警察特殊部隊に広く採用された。
IMI UZI
MP5の登場以前、公的機関の使用するサブマシンガンのイメージと言えばUZI短機関銃だった。映画メディアにも広く登場し、またその単純で堅牢な設計からAK47と共に紛争地帯でも広く普及している。
ロナルド・レーガン暗殺未遂事件でシークレット・サービスがコンパクトなUZIを装備していた。西ドイツも(あるいはイスラエルとの関係から)MP2の名称で正式採用していた。
コルトM16A1
1960年代にアメリカがベトナム戦争で使用したM16A1ライフル。戦後に凶悪犯罪が増加すると、SWATなどの警察特殊部隊が装備するようになった。
TVシリーズの『特別狙撃隊S.W.A.T.』でも特殊部隊=M16ライフルのイメージが伝播された。
バレル下部にマスターキー・ショットガンやM203グレネードランチャーを装着することもある。
カラシニコフ AK47
いわゆる「悪役の銃」「テロリストの銃」として登場する。コピー品や供与品が世界中にありふれているイメージだが、例えば銃社会ではない日本国内に「悪役の銃」として登場させるにはやや過剰な装備として映るかもしれない。(日本国内でカラシニコフが密造された事件もあるが……)
改良版のAKMや小口径化したAK-74、各国のライセンス生産品やコピー品なども一括りに「AK-47」と呼ばれてしまうほど浸透した名称である。そのため「カラシニコフ」や「AK」とだけ表記するのが無難かもしれない。
IMI ガリル
1972年にイスラエルが開発したガリル突撃銃。AK47系列のひとつであるフィンランドのRk62をベースにしている。南アではヴェクターR4、カービンモデルのヴェクターR5がライセンス生産されていた。
GIAT ファマス
フランス製のコンパクトで長銃身なブルパップ式突撃銃。フランスや旧植民地以外にはあまり輸出されていないが、『レインボーシックス』『カウンターストライク』『メタルギアソリッド』などに登場した影響もありつつ、ビデオゲームに広く登場する。
ステアーAUG
オーストリア製ブルパップ式突撃銃。銃身部の分解・組み立てのしやすさから、ギミック的に『ニキータ』で暗殺用の狙撃銃として登場。
現代の突撃銃は各パーツがユニット化されたシステムウェポンであることも多いが、ステアーAUGはその走りの一つでもある。70~80年代には「コンパクトさと長銃身を兼ね備えたブルパップ方式こそ未来の小銃のデザイン」という風潮もあり、いまだにちょっと未来的なイメージもある。
レミントンM870
モスバーグM500と並び、ごく標準的なポンプアクション式散弾銃。
フランキSPAS12
特殊用途向け散弾銃として登場したが、デザインのアクの強さから『ターミネーター』『マトリックス』または『Half-Life』『L4D2』などのメディア作品に多数登場。様々な弾種に対応できるようにするため、手動のポンプアクションとセミオートを切り替えできる。
レミントンM700
64年以降のウィンチェスターM70の品質劣化と共に、レミントンM700が標準的なボルトアクションライフルの地位を獲得した。公的機関の狙撃部隊はもとより、民間の狩猟にも使用されるイメージ。
H&K PSG1
72年のミュンヘンオリンピック事件を受けて開発された、対テロリスト専用のセミオート狙撃銃。高価で高精度な狙撃銃として、様々なメディア作品に登場している。特殊部隊の狙撃班などが使用しているようなイメージ。
ドラグノフSVD
ソ連製のセミオート狙撃銃。AK-47の構造を参考に設計され、東側諸国や紛争地帯に供与された。ソ連とアフガニスタンの紛争でも用いられた。
バレットM82A1
.50口径の対物ライフル。いわゆる「針の穴を通すような精度」ではないが、長射程の狙撃用途にも転用される。
サコーM60
いわゆる『ランボー』の銃。ベトナム戦争で米軍が使用していた。その後、米軍を始めとする西側諸国では分隊支援火器としての機関銃としてはFNミニミが採用され、米軍以外の西側ではM60でなくFN MAGが使用されているので、やはり一時のアメリカのマシンガンとしてのイメージは根強い。
PK カラシニコフ機関銃
東側諸国や紛争地帯では、ソ連製のPK汎用機関銃が使用される。トラック後部に搭載し即席の戦闘車両とするテクニカルのイメージもある。
コルトM79
ベトナム戦争初期から使用されている40mmグレネードランチャー。古くからある中折れ式散弾銃を拡大したような構造をしている。
M72 LAW
第二次大戦のバズーカの後継としてベトナム戦争の頃から米軍に配備されている、使い捨て式の66mm口径ロケットランチャー。携行時はコンパクトに収納しておき、使用時に展開する。現在では主力戦車の装甲を貫徹するには至らないが、軽装甲車両に向けて使用される。
M72 LAWに酷似したソ連製RPG-18やRPG-22なども存在する。
RPG-7
RPG-7対戦車擲弾発射器。砲身後方からガス噴射することで反動を相殺する無反動砲の機構を搭載したグレネードランチャーだが、弾頭にロケット推進機能を備えるものが多いため、ロケットランチャーとしても認識される。
【共産テロリストやストリートギャングの銃】
フルオートが可能なうえ小型で携帯しやすいマシンピストルは、戦車兵などの護身用や特殊部隊での運用はもとより、犯罪者やストリートギャング、共産テロリストなどにも使用されるイメージがある。
TEC-9
80年代ストリート・ギャングの代名詞にもなったTEC-9。初期型はフルオートに改造しやすいオープンボルト方式で販売されていたことから、その安価さと相まって犯罪者に人気のモデルとなった。
イングラムMAC10/MAC-11
単純な構造から安価かつ、86年のフルオート火器規制前に大量生産されたイングラムMAC11は、民間人にとって入手し易いマシンガンの一つだった。(動画はイングラムMAC10)
スコーピオンVz.61
チェコのスコーピオンVz.61。折り畳み式ストックを展開する様子から、毒針の尾を振りかざす『サソリ』の愛称を持つ。共産テロにも用いられた。
Vz.58
チェコスロバキア(当時)製のVz.58は、テルアビブ空港乱射事件でアラブ赤軍(のちの日本赤軍)によって無差別テロに使用された。
また、ドイツ赤軍のシンボルにはMP5が用いられた。
「サタデーナイト・スペシャル」
「サタデーナイト・スペシャル」とは、アルミや亜鉛合金などで作られた低品質で安価な拳銃の俗称。「ジャンク・ガン」とも呼ばれる。
リボルバー式のRohm RG10やRG14などが有名。
オートマチック式は低威力の.25ACPなどが使用される。構造も多くはブローニング・ベビーなどのコピー品。
■スパイと代理戦争の時代(1950s~1960s)
【大国による武器の供与と諜報合戦】
銃は支配のための道具であり、暴力の具現でもある。植民地主義、帝国主義によって列強は各国に軍隊を配備するし、銃はそれに付随して伝播し、その生態圏を広げる。
東西冷戦では両陣営が自分たちの規格に合った銃器や製造設備を同盟国に供与したり、またそこからコピー品が生産されたりもする。
第二次大戦終結後、アメリカ、イギリス、フランス、ソ連、中国といった常任理事国の兵器は、冷戦期に代理戦争や抑止力として供与され第三世界や紛争地帯で普及した。
S&W M36 チーフス・スペシャル
短銃身リボルバーを意味する「スナブノーズ・リボルバー」(獅子鼻)は、刑事や探偵はもとより犯罪者や民間の護身用など銃を隠し持つ必要がある人間に使用されてきた。例はS&W M36"チーフス・スペシャル"。
ワルサーPPK
007シリーズで有名なワルサーPPKは、もともとドイツの私服警官向けに作られた。冷戦期に各国の諜報機関に採用されていたのは、先の大戦のナチスの銃を使うことで諜報員の身分を秘匿するためだった……とも言われる。
映画『ドクター・ノオ』や原作小説では007は元々ベレッタを愛用しており、上司Mの指示でしぶしぶワルサーPPKを使用させられているという話があった。現在でもワルサーPPKは007のアイコンとして定着している。
S&W M19 コンバット・マグナム
.357マグナムは禁酒法時代に重武装化するギャングやマフィアの防弾チョッキに対応するため、貫通力を上げる目的でその装薬量を増やすため薬莢長の伸ばされた弾薬(正確には、.357マグナム弾によって.38スペシャル専用の銃を破壊してしまわないよう装填できない長さになっている)。
ワルサーP38
ナチスドイツのワルサーP38のデザインは、9x19mmパラベラム弾と共に各国に広く影響を与えた。フランスのMAC mle 1950のグリップデザインやイタリアのベレッタM1951の閉鎖機構などに、その影響が見て取れる。
FNブローニング・ハイパワー
コルトM1911と同じブローニング設計のFNブローニング・ハイパワーは、9x19mm弾仕様ということもあって20世紀の各国の軍・警察に使用された。装弾数13発の複列弾倉(ダブルカラム・マガジン)は当時画期的だった。
スタームルガーMkI
.22LR口径の拳銃やライフルは民間市場で人気であり、初めて銃に触れる人が扱うイメージがある。その一方でサプレッサー(消音器、抑声器)が内蔵されたスタームルガーの.22口径はCIAや特殊部隊Navy SEALsなどに使用された。『ヒットマン』や『メタルギアソリッド4』で暗殺者や元特殊部隊のキャラクターが使用している。
スターリング短機関銃
イギリスのスターリングSMGは、冷戦期の紛争地帯で広く使用された。『007』シリーズや『スターウォーズ』などでも登場している。
MP40
米ソ両国に接収されたナチス・ドイツのMP40(俗に「シュマイザー」)は、冷戦初期にはアジア・アフリカ・中東などの紛争当事国に供与された。
PPSh41
バラライカやマンドリンの愛称で知られるソ連のPPSh-41は、冷戦初期における主力短機関銃として共産主義勢力に供与された。
M3グリースガン
第二次大戦の米軍でトンプソン短機関銃の後継として開発された。イギリスのステン短機関銃やドイツのMP40に影響を受けたデザインをしており、その見た目から「グリースガン」の愛称で呼ばれる。
朝鮮戦争やベトナム戦争でも韓国軍や南ベトナム軍に供与され、日本の警察予備隊(自衛隊)でも長らく使用された。
また日本では『セーラー服と機関銃』に登場したことでも知られる。
ウィンチェスターM1カービン
後方部隊や将校用に開発されたアメリカのM1カービンは、その軽便さから警察・民生用ライフルとしても人気となり、戦後の日本の警察予備隊(自衛隊の前身)や韓国、南ベトナムを含む西側諸国を中心に広く使用された。
マルコムXやチェ・ゲバラがM1カービンやフルオートモデルのM2カービンを使用していた。
SKSカービン
ソ連製のSKSカービンも、中国製のコピー品と共に共産勢力に普及した。
M1ガーランド
第二次大戦における米軍の主力小銃であったM1ガーランドは、大戦時には他国の主力であったボルトアクション式と比してセミオート式で連射が可能であり、戦後は日本や韓国、イタリアなど西側諸国に供与された。
8発の挿弾子(エンブロック・クリップ)を撃ち切った後にクリップの排出される「ピン!」という音が特徴的である。
StG44
ナチス・ドイツで開発された突撃銃の始祖鳥的存在であるStG44は、戦後各国で研究されその弾薬や運用、デザインが第二次大戦後の各国のアサルトライフル開発に影響を与えている。
銃それ自体も、戦後直後の東ドイツの軍・警察や紛争地帯においてごく少数ながら運用された形跡がある。
FN FAL/H&K G3
冷戦初期に西側世界で広く使用された「自由世界の右腕」ことFN FALと、西ドイツのH&K G3。NATO標準弾薬となった7.62x51mm弾を使用する。
ウィンチェスターM70
1930年代に狩猟用として登場したボルトアクションライフル。当時としては珍しく、様々な口径に対応できるという特徴があった。1964年に品質が低下しレミントンM700に置換されるまで、標準的なボルトアクションライフルとして君臨していた。
カルカノM1891/M1938
イタリア軍の主力小銃であったカルカノは戦後になると鹵獲・接収され、アメリカ民間市場などに売却された。ケネディ大統領暗殺事件でリー・ハーヴェイ・オズワルドが使用したとされる狙撃銃もその一つである。
モシン・ナガン M1891/30 PU
第二次大戦の東部戦線において、狙撃手であるヴァシリ・ザイツェフなどの英雄像と共に、モシン・ナガン小銃の狙撃型は象徴化された。
ブレン軽機関銃
ブレン軽機関銃はZB26の英国向けライセンス生産品。第二次大戦から戦後にかけてイギリスの勢力圏や紛争地帯でしばらく使用されていた。
MG34/MG42 汎用機関銃
二脚で据えて軽機関銃として、三脚で据えて重機関銃として運用する汎用機関銃の概念は第二次大戦中のドイツから生まれた。
RPD デグチャレフ軽機関銃
ソ連のRPD軽機関銃は中国でも生産され、共産圏で広く使用された。
バズーカ
第二次大戦時に対戦車兵器として開発された「バズーカ」こと60mm口径ロケットランチャーは、朝鮮戦争では89mmに大口径化されスーパーバズーカの愛称で呼ばれた。日本の警察予備隊(自衛隊)にも供与されている。
パンツァーファウスト
ナチスドイツによって大量に運用された対戦車兵器。戦後になると、その使い捨て対戦車兵器というコンセプトは後年のM72 LAWの参考とされたり、またソ連側ではRPG-2やRPG-7に発展した。
■戦間期とマフィアの時代(1920s~1930s)
第一次大戦終結後の禁酒法時代にはマフィアが暗躍した。警察と対立する犯罪者である彼らは隠し持てる大火力を好み、スナブノーズ・リボルバーや「ルパラ」こと切り詰められたソードオフ・ショットガン、また民間や警察で使用された短機関銃であるトミーガンなどがこの時代を象徴している。
ハリウッド映画の黄金期でもあり、いわゆるギャングスター映画が銀幕で人気を博し、マフィアのイメージを形作った。
コルト・ディテクティブ・スペシャル
ディテクティブ・スペシャルの名称の通り刑事に使用されたが、隠し持ちやすさから犯罪者にも同様に使用された。
コルトM1911
ブローニングが開発した.45口径軍用拳銃。自動拳銃の基礎を確立した。アメリカでは19世紀末の米西戦争の時代から大口径への信頼が根強く、M1911は「ポケット砲兵」などの仇名を持ち、それを象徴するような拳銃である。
MP28
世界初の短機関銃とされるMP18の発展型。戦間期に世界各国に輸出された。動画はイギリスで1940年代にコピーされたランチェスター短機関銃。
トンプソン・サブマシンガン
禁酒法時代のマフィアや警察の双方に使われたトンプソン短機関銃は「トミーガン」と呼ばれ、またフルオート射撃時の連射音から「シカゴピアノ」「シカゴタイプライター」とも呼ばれた。
ギャングスター映画によって最も有名になった銃の一つと言える。
ソードオフ・ショットガン
閉所での近接戦闘や隠匿携帯のために散弾銃の銃身や銃床を切り詰めた「ソードオフ・ショットガン」は多くの国で違法な改造であり、犯罪に使用されるイメージがある。古くはイタリアン・マフィアによって「ルパラ」(オオカミ狩り/狼のための)とも呼ばれた。
水平二連式ソードオフ・ショットガンはいわゆる「世紀末」的な荒廃した世界を舞台とした『マッドマックス』シリーズを象徴する銃でもある。
エンフィールドM1917
第一次世界大戦で米軍の実質的な主力小銃として用いられたM1917エンフィールドは、戦後になると民間に払い下げられた。
ブルーノZB26
『無故障機関銃』『チェッコ機銃』と呼ばれベストセラーとなったチェコスロバキアのZB26。世界各国で弾倉式の軽機関銃として使われた。
ブローニング自動小銃
第一次大戦末期に採用され、第二次大戦の米軍では分隊支援火器として運用された自動小銃。戦間期にはボニーとクライドが使用したことでも有名。
マウザー(モーゼル)M1918
第一次大戦末期に開発された世界初の対戦車ライフル。戦車の装甲が厚くなるにつれ性能は陳腐化したが、それでもイギリスの.50ヴィッカース弾やアメリカの12.7x99mmBMG弾など、各国の大口径弾開発の参考にされた。
ブローニングM1919/ブローニングM2
第一次大戦後の米軍で採用された空冷式機関銃。ブローニングM1919は第二次大戦後も西側諸国などでしばらく使用され、.50口径のブローニングM2は現代でも世界中で運用されている。
■帝国主義と世界戦争の時代(1900s~1918)
19世紀末になると無煙火薬が発明される。それによって世界初の機関銃が登場し、実用的な自動式火器が多数開発され始める。モータリゼーションの黎明期であり、人々がその交通手段を馬から鉄道、自動車へと乗り換えていったように、銃もまたリボルバー式などの手動連発銃からオートマチック式の自動式連発銃へと更新されていった。
アイヴァー・ジョンソン・セーフティ・オートマチック
アイヴァー・ジョンソンはその安価さと安全性から小型な護身用拳銃として好まれた。現代のリボルバーでも使用されるトランスファー・バー機構を19世紀末にいち早く採用しており、軍での大口採用は無いものの、数百万挺が生産されたヒット作である。そのイメージは安価かつ堅牢で品質のいい民生用の銃を数多く製造する現代のスタームルガー社に似ている。
ウィリアム・マッキンリー大統領暗殺やロバート・ケネディ暗殺にも使用された。
全体的なデザインは、S&Wの中折れ式ダブルアクションに似ている。
S&W ミリタリー&ポリス
「スミス&ウェッソン」「S&W」には1899年に登場したダブルアクション式リボルバー「ミリタリー&ポリス」の軍・警察用拳銃のイメージがある。これは現代に至るまで最も標準的な回転式拳銃の形式と言える。
ウェブリー・リボルバー
大英帝国を象徴する中折れ式回転式ダブルアクション式拳銃。
コルトM1903ポケット・ハンマーレス
ブローニング設計の.32口径自動拳銃。米軍でも将校用として採用された。日本では戦後の無国籍映画において使用されそのプロップ・ガンは「日活コルト」として有名。
FN ブローニングM1910
ブローニング設計の自動拳銃。20世紀のベストセラーとなった。サラエボ事件で使用された拳銃であり、その後の第一次世界大戦を引き起こした。
コルト・ベストポケット
コルト・ベスト・ポケットやFNベビー・ブローニングなどの.25オート。ポケットや小さなバッグに忍ばせられるほど小型だが、威力も小さい。
ルガーP08
黎明期の軍用自動拳銃のひとつ。尺取虫にも例えられるトグル・アクション機構が特徴的。現在でも広く使用される9mmパラベラム弾を採用。
多弾数のスネイル・マガジンとストックを装着したピストル・カービンとしても使用された。
モーゼルC96
自動拳銃の黎明期である19世紀末から20世紀初頭にかけてピストルカービンとしても運用されたモーゼルC96は、「モーゼル・ミリタリー」や「ブルーム・ハンドル」(箒の柄)の愛称で知られている。
ウィンチェスターM1897
「トレンチガン」の愛称を持つウィンチェスターM1897。レバーアクション式に代わり、ポンプアクション式散弾銃の基礎となった。
ブローニング・オート5
世界初の自動散弾銃。ロングリコイル方式と呼ばれる反動利用式であり、銃身とボルトが一体となって後退する。
モーゼルGew98
現代のボルトアクションライフルの基礎となるモーゼル・アクションを完成させたGew98。後年の騎兵銃モデルであるKar98Kも広く使用された。
リー・エンフィールド
大英帝国を象徴するボルトアクション式ライフル。当時としては珍しく大容量の10発の着脱式弾倉を備えていた。(しかし主にクリップ装填によって運用されていたことに注意)
三八式歩兵銃(アリサカ・ライフル)
大日本帝国を象徴するボルトアクションライフル。第一次大戦期には前身である三十年式歩兵銃と共に、ロシア帝国や大英帝国などに輸出された商品でもあった。
ルイス軽機関銃
上部の皿型弾倉が特徴的なイギリス製軽機関銃。重機関銃より軽量という意味であり、一般の歩兵とともに前進し火力を提供することを期待された。この種の弾倉式軽機関銃は第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて様々なモデルが登場し、歩兵小部隊の火力の要となった。
マキシム重機関銃
19世紀末に登場した機関銃は、やがて近現代の歩兵戦術の要となった。三脚で据えられる機関銃は、より軽便な二脚によって運用する軽機関銃が登場すると重機関銃と分類・呼称されるようになった。攻撃時(前進時)に歩兵と随伴して火力を提供する軽機関銃と比して、より安定した持続射撃が可能な重機関銃は拠点防御兵器として運用された。
■西部劇の時代(1873~1899)
映画というメディアの登場のごく初期から西部劇はあった。サイレント映画の時代から1930年代のB級西部劇の時代、そして1960年代にはイタリアで製作された「マカロニ・ウエスタン」などの娯楽映画が西部劇のイメージを形作ってきた。
「ピースメイカー」ことコルト・シングルアクションアーミーやウィンチェスター・ライフルなどが代表的な西部劇の銃と言える。
レミントン・モデル95デリンジャー
デリンジャーは小型拳銃の代名詞になった。二本の銃身を持つものは「ダブル・デリンジャー」とも呼ばれる。
ブリティッシュ・ブルドッグ・リボルバー
英国製のスナブノーズ・リボルバー。「小さくて強力」のようなイメージはブルドッグや犬に由来しており、後年のブルパップという言葉のイメージの元にもなっているとされる。
「スーサイド・スペシャル」
S&Wの初期のリボルバーを模倣したこの種の安価な自衛用リボルバーは、後の1950年代に「スーサイド・スペシャル」と呼称され始めた。
コルト・シングルアクションアーミー
「ピースメイカー」の愛称を持つリボルバー拳銃。軍・警察・民間に広く使用された。西部劇によく登場する。シングルアクション式リボルバーは、ハンマーを起こすことでシリンダーが回転しトリガーを引いて発射する。
「コルト45」という通称は、このシングルアクションアーミーや後年の1911ピストルのことである。
S&W モデル3
コルト社のライバルであるS&W社の中折れ式リボルバー拳銃。スコフィールド少佐のアイデアから改良された.45S&W口径モデルは「スコフィールド・リボルバー」とも呼ばれる。
ウィンチェスターライフル
19世紀中頃に登場したレバーアクション式のウィンチェスターライフルは、リボルバー式のコルト45こと"シングル・アクション・アーミー"と共に「西部を征服した銃」と呼ばれ、軍・警察・民間における西部劇の時代の一般的な銃器だった。
水平二連散弾銃
中折式の散弾銃。尾栓を開いたときに空薬莢が飛び出すモデルもある。プラスチックの発明以前である当時は紙製の薬莢が用いられた。
スプリングフィールド・トラップドア
雷管式から換装されたトラップドア式。蝶番のついた尾栓が開閉する。銃を支える左手の指に予備の弾薬を挟んで連射することも一般的だった。
レミントン・ローリングブロックライフル
ローリングブロック式という、ごく単純な閉鎖機構を持つ単発銃。
狙撃スコープが装着されたローリングブロックライフルやシャープス銃。これらの単発銃の一部モデルはバッファロー狩りに使用するために強化された大口径弾薬を使用し、バッファロー・ライフルとも呼ばれた。
■雷管の発明と連発銃の時代(19世紀中頃)
【産業革命と雷管の発明】
打撃を加えると発火する雷管は、火縄銃やフリントロック式のような点火機構をより単純化し、また火皿に口薬を盛る必要が無くなったため、雨天でも使用しやすくなり、またフリントロック式のように口薬に飛び火して暴発する危険性も低下したため、回転式のような連発銃を実用的なものにした。
ペッパーボックス・ピストル
ペッパーボックス・ピストル。安価であり護身用として普及した。
コルトM1851
コルト社のパーカッション式リボルバーはハンマーを起こすだけでシリンダーが発射位置に固定される画期的なシングルアクション機構を採用し、南北戦争時には南軍(アメリカ連合国)にもコピーされた。
フィラデルフィア・デリンジャー
リンカーン大統領暗殺事件で用いられた小型拳銃の代名詞。
スプリングフィールドM1861/M1863
空気抵抗の少ない流線型の椎の実弾を使用する、パーカッションロック式(雷管式)軍用ライフルド・マスケット。南北戦争で使用されたスプリングフィールドM1861やエンフィールド銃など、19世紀中期における主力小銃。
18世紀末から19世紀中頃までアメリカ独立戦争や南北戦争で広く使用されたバック・アンド・ボールと呼ばれる紙製薬莢の弾薬。命中確率を上げるために、通常の弾丸と共に三粒の散弾を追加している。
シャープス銃
フォーリング・ブロック式。強固に閉鎖し、砲にも用いられる鎖栓式。
ヘンリー銃
レバーアクション式のヘンリー銃。チューブの前方から弾薬を装填する。
スペンサー銃
レバーアクション式のスペンサー銃。銃床の後部から弾薬を装填する。
ウィットワース銃
六角形のポリゴナル・ライフリングを施した雷管式のウィットワース銃。通常のライフル銃の弾丸は変形・膨張しやすい鉛によって銃身内のライフル(施条)に食い込むが、ウィットワース銃は施条に沿う形の六角形弾を使用することで、弾丸に鉄や鋼などの素材を使用でき、貫通力が高まった。
ドライゼ銃/シャスポー銃
雷管を備えた紙製薬莢を使用するドライゼ銃とシャスポー銃。弾薬内部の雷管を撃針が貫いて射撃するため、ニードルガン(撃針銃)とも呼ばれた。
ミトラィユーズ
フランス軍の連射兵器であるミトラィユーズ。空包による射撃デモ。
ガトリング銃
19世紀半ば、南北戦争で使用された手回し式ガトリング銃。
【幕末の日本】
南北戦争で使用されたこれらの銃は、幕末の日本に輸出され使用された。
■フリントロック式の時代(16~18世紀)
フリントロック式マスケット
16~19世紀中頃まで広く使用されていたフリントロック式マスケット銃。長らく歩兵の使用する銃器のイメージと言えばこれだった。
施条の入った銃身を持つ、フリントロック式のライフルド・マスケット。当時の火薬(現代で言う黒色火薬)は発射時のスス汚れによって目詰まりしやすいうえ、通常の滑空銃よりも装填に時間のかかるライフル銃は狩猟用が多く、19世紀にミニエー弾などが登場するまで軍での使用は限定的だった。
フリントロック式ピストル
従来の火縄銃のように火種を点火しておく必要がなくなったため、フリントロック式は服の下に隠し持てるようになったと言える。
ラッパ銃(ブランダーバス)
初期の散弾銃であるラッパ銃(ブランダーバス)。海賊にも使用された。
ジェザイル銃
アフガニスタンで普及した形式のマスケットおよびライフル。湾曲した銃床や幾何学的な装飾が特徴的。マッチロック式や後年の雷管式も存在する。
ホイールロック式
ゼンマイで稼働するホイールロック式。フリントロック式より早い時期に登場したが、機構が複雑で高価になるため広くは普及しなかった。
日本の火縄銃
日本ではマッチロック式のいわゆる火縄銃が独自発展した。フリントロック式が普及しなかった要因として、日本で取れる火打ち石が適さなかったとも言われる。19世紀なかば、幕末の時代に西洋銃が輸入されるまで火縄銃は更新されなかった。
【初期の連発銃や斉射銃】
通常のフリントロック・ピストルに加え、二連発のダブルバレル・フリントロック、点対称の構造で銃身を回転させる二連発のスイベル・ブリーチ、ボックスロック・アクションの点火機構を内部で分割して二連発させる護身用拳銃、"黒髭"ティーチといった海賊にも使用されたネジ込み銃身の後装式クイーン・アン・ピストルが紹介されている。
フリントロック式の連発銃も幾つか存在する。上下二連式や水平二連式のダブルバレル・フリントロックなど銃身が複数あるものや同一銃身内の点火位置を変えることで連発を実現している物などがあるが、こういった機構は通常のものと比べ重く、複雑かつ高価となり、完全に置換はされなかった。
ロレンツォーニ式連発銃。グリップ内(小銃の場合ストック内)に予備の火薬と弾丸を入れておき、尾栓を回転させることで銃身と火皿に装填する。
17世紀中期~18世紀中期までにクックソン・リピーターが登場する。
ボレーガンの一種である、アヒルの足に似たダックスフット・ピストル。船上の海賊や刑務所の看守などに使用されたと言われる。
ノック・ボレーガン。連発銃ではなく斉射銃。一度に七発を発射する。
ボレーガンを回転式(ペッパーボックス式)とし、連発銃としたもの。
チェンバース旋回砲。7本の銃身に32発ずつ装填し、発射炎により順番に点火させていくことで224連射を可能にしたもの。但し途中で射撃中止することは出来ず、また装填にも細心の注意と時間とを要した。
19世紀初頭、コリアー・フリントロック・リボルバー。ごく少数、数百挺ほどが製作された。雷管式以前、コルト以前の初期のリボルバーのひとつ。
スイベル・ブリーチと呼ばれる機構を持つフリントロック式の二連発銃。点対称の構造をしており、銃身を回転させる事で連発を実現している。
後の時代の雷管式や金属薬莢式のものではあるが、ハーモニカ銃も特異な構造の連発銃なので例として挙げておく。
■黎明期の銃火器(14世紀)
ハンドキャノン
14世紀ごろに登場した最初期の手銃(ハンドキャノン、handgonne)。
マッチロック式/アーキバス
15世紀末に登場した瞬発式の火縄銃(アーキバス)。日本にも伝来した。
いわゆる回転弾倉式=リボルバー式の連発式火縄銃も14世紀には登場していたとされる(但し概して重く複雑で高価になるため一般的ではなかった)。例はインド(ムガル帝国)で17世紀に使用されていたもの。
■関連記事
■筆者の小説
https://skeb.jp/@Doe774
Skebのリンクも貼っておきます
なにか思うところや事実誤認があれば編集・修正・追記するかも

