サバンナの高橋茂雄が、芸人仲間やテレビスタッフから長年高く評価されている理由の一つが、“立ち回りの上手さ”である。
ただ前へ出て目立つタイプではなく、その場の空気を読みながら、相手を気持ちよく喋らせ、番組全体をうまく回す力に優れている。芸人の世界では昔から、「高橋がいると場が安定する」と言われることも多い。
その実力が特によく分かるのが、明石家さんまとの共演である。
『踊る!さんま御殿!!』は、芸人の間でも“瞬発力が試される番組”として有名で、テンポについていけないと、なかなか爪痕を残せない。さんま自身も、返しの速さをかなり重視するタイプとして知られている。
そんな中、高橋は昔からさんまとの相性が非常によく、自然な返しで何度も笑いを生み出してきた。
2023年の放送では、さんまが「高校時代から笑いのことばかり考えていた」と話した際、高橋は間髪入れず、
「その時から!? そっちのエリートコース歩んでおられるんですか?」
とツッコミを入れ、スタジオを笑わせていた。
高橋のすごさは、ただ返しが早いだけではない。
相手を否定したり傷つけたりするのではなく、“先輩を立てながら笑いに変える”ところにある。だからこそ、さんまをはじめ、多くの先輩芸人から可愛がられているのである。
さらに高橋は、“気配りが異常にうまい芸人”としても有名だ。
本人もインタビューで、「相手の話をちゃんと聞くこと」をかなり大事にしていると語っている。
その特徴がよく表れていたのが、『徹子の部屋』出演時だった。
黒柳徹子から突然「面白いことやって」と無茶振りされたのだが、高橋は慌てることなく、その場の空気を壊さず自然に笑いへ変えてみせた。
普通なら事故になりそうな場面でも、高橋は“番組全体の空気”を優先して動く。
だからスタッフからの信頼も非常に厚い。
実際、『アメトーーク!』などでも高橋は、
話が長くなった時にテンポを戻す
弱い話にツッコミで笑いを足す
他の芸人が話しやすい空気を作る
といった役割を自然にこなしている。
しかも、自分だけが目立とうとはしない。
そのため芸人仲間からは、今田耕司や東野幸治のような、“横で番組を支えるタイプ”として名前を挙げられることもある。
ただ、こうした能力は、もともとの性格だけで身についたものではない。
高橋本人は、学生時代について「自分はイケてないグループ側だった」と何度も語っている。
『アメトーーク!』でも、
修学旅行では地味だった
ヤンキーみたいに目立てなかった
ジャージを隠された
といったエピソードを自虐的に話していた。
だからこそ、高橋は昔から、
周囲の空気を読む
相手の反応を見る
嫌われない立ち回りを考える
ことが自然と身についていったと言われている。
現在の高橋茂雄の“人当たりの良さ”や“先輩から可愛がられる力”は、単なる愛想の良さではない。
若い頃から周囲をよく観察し、自分の立ち位置を考え続けてきた結果なのである。