閉校した中学校の体育館の扉を開くとスモーキーな香りと山積みのウイスキー樽…鹿児島県の山あい「熟成には最適」
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「霜が降りるなど寒暖差が大きく、ウイスキーの熟成には最適な場所だ」。校舎の裏手には山、眼前には川が流れ、同社で営業部長代理を務める高屋総一郎さん(39)は、貯蔵環境の良さに満足げだ。閉校した校舎や体育館を活用した珍しさからか、全国各地から蔵の見学に訪れるウイスキーファンの多さにも驚かされるという。
田之浦地区は伝統的な神楽が伝わる一方、人口減少や高齢化が著しい。長らく企業の進出はなく、目立った産業もないのが現状で、地元の期待も大きい。蔵の近くに住む女性(84)は「閉校後、子供たちの声が聞こえなくなって寂しかった。今ではにぎわいが出てきたようで安心する」とほほ笑む。
体育館や校舎に保管されたウイスキーは、3年の時を経て来年から順次、出荷される見通し。蔵のツアー客の受け入れも想定し、校舎2階にある音楽室はセミナールームに、3年生の教室を試飲室に改修した。
高屋さんは「ここで熟成させたウイスキーを通じて、『田之浦』の名を全国に響かせ、多くのファンが訪れるような地にしたい」と意欲的だ。(鶴結城)
鹿児島県内の廃校71校が未活用
文部科学省によると、2004~23年度の20年間で、県内では262校が廃校となった。多くは跡地の活用が決まり、県教育委員会学校施設課によると、うち71校が未活用の状態(24年5月時点)という。
今年4月1日には、鹿児島市の桜島地域の八つの小・中学校が統合し、同市初の9年制の義務教育学校「桜島学校」が開校した。
市は廃校となる8校の跡地活用に向け、地域住民へのアンケート調査などを実施。民間からの活用案も募集し、今後は、それらを踏まえ、利活用業者の公募を進める。
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