「ボークでは?」周東佑京の衝撃ホームスチール“じつはパニック状態だった”現場…柳田悠岐も困惑「ボールカウントが消えた…」ソフトバンク監督らの証言
「投球か、送球か」現場の混乱
毛利がセットに入り1球目を投げる直前、周東は猛然とスタート。毛利は慌てて捕手に投げるも高かった分だけ守備側は難しいプレーになった。周東は頭からホームに突っ込んだ。際どいタイミングだったがボールがこぼれており、球審は一度アウトのポーズを見せるもすぐにセーフのジャッジに変更したのだった。 「(ヘッドスライディングをした)僕のお腹の下にボールがあったからセーフと分かっていました。ただ、アウトと言われても感覚的にリクエストをしたらセーフかなと思っていましたけどね」 この快挙を各メディア媒体は速報すべくキーボードを叩こうとするのだが、混乱はすぐに生じた。 ドームに表示されるカウントには最初、ボールが1つ灯されていた。筆者はたまたま記者席の中でも公式記録員のすぐ横に座っていたのだが、2名いる公式記録員もリプレー映像を見ながら、慌ただしく言葉を交わしていた。そして程なくして、柳田の打席の最中にボールカウントが1つ取り消されたのである。 質問に来た一部の報道陣に公式記録員は、 「毛利投手はプレートを外していたので『投球』ではなく『送球』です」 といった説明をしていた。そのうえで周東の盗塁(ホームスチール)を認めるというものだった。
「そもそもボークでは?」小久保監督の証言
公式記録員の見解が得られたことで記者たちは一斉に記事を書き進めた。そうして、試合中にはすでに周東の快挙が世に知れ渡ることになったのだが、ソフトバンクのベンチの認識は違うまま試合が進んでいたようだった。 試合は8―3でソフトバンクが勝利。試合後、小久保裕紀監督はまずテレビの代表インタビューに応じる。カメラが止まって次は記者の囲み取材の番だ。我々もやはり、周東のホームスチールの場面を最初の質問に持っていったのだが、小久保監督は苦笑いでこのように返してきた。 「あれはホームスチールじゃないらしいですよ」 直前まで試合中で記事など読めない小久保監督の認識はこうだった。 「プレートは外してないでしょ。(ホームスチールに)なったのならいいけど、ボークをとってないのは問題じゃないですか」 また、小久保監督は静止をせずに投げたのではないかと主張した。それがボークにつながるという理解だったと想像できる。あの場面を映像で改めて確認をすると、毛利はセットポジションで静止はしていたが、左足をプレートから外す動作ははっきりとは見受けられなかった。 もし、プレートを外していないと判断されれば、あれは送球ではなく「柳田への1球目」だったということになるだろう。 だが、公式記録員の見解は上記のとおり、プレートを外したうえでの送球で決着したのである。
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