「障がいが重いほど入れない」放課後デイの矛盾…2年かけて空き探す母「就職氷河期を思い出した」
●区内外の50の事業所に問合せ、空きなく学童保育も選択肢に
斎藤さんが放課後デイを探し始めたのは2年前。障がいがある子を育てる先輩から「なかなか見つからないよ」と聞いていたので、早めに動いた。 居住する区だけでなく、ネットで調べて近隣の区の事業所も探したが、数が少ないうえに週5日預かってくれる事業所がなかった。きつかったのが、障がいの重い湊人さんはさまざまな理由をつけられて断られ続けたことだ。 問い合わせた事業所は約50カ所。保育園と違って、自治体が入会調整をしてくれるわけではないから、一軒ずつ自分で連絡し、仕事を休んで湊人さんと足を運んだ。 「最初は子どもの特性に合う雰囲気で、18時まで預かってくれるところを希望していました。でもあまりに断られ続けて、途中から『入れればどこでもいい』と祈るような気持ちになりました。就職氷河期だった自分の就活と重なりましたね」(斎藤さん) それでも週1日ずつではあるが、4つの放課後デイの確保に成功。しかし、残る1日がどうしても埋まらない。やむなく、健常児も利用する学童保育を選択肢に入れた。 障がいのある子の学童保育入所は、面談と教育委員会の審査を経て決まる。特別支援学校から通いやすい第一希望の学童保育は、部屋の数や広さといった設備面を理由に断られてしまった。 代わりに紹介されたのは、大人の足で徒歩20分ほど必要な学童保育。交通事故なども危ぶまれるところだが、区の担当部局がしてくれたのは、空き状況の確認まで。移動方法についてのアドバイスはなかったという。 「学童まで一緒に歩く練習をしましたが、途中で泣き出して座り込み、たどり着けませんでした。息子の特性上、行き先の見通しがつかないので、長時間の徒歩移動の不安が強いんだと思います」(斎藤さん) 困り果てた斎藤さんはあちこちに相談。移動支援のヘルパーと公共交通機関で通ってもらうことにしたが、放課後デイ同様、ヘルパーの空きが見つからず、契約できたのは入学直前だった。現在、湊人さんはこの学童保育と、送迎がある区外の放課後デイ4カ所をなんとか繋ぎ合わせて、放課後を送っている。 「2年間、必死に情報を集めていたつもりですが、それでも危うく『詰む』ところでした。子どもの成長はうれしいけれど、行く先々でいろんな壁にぶち当たります。自分の子どもが障がい児じゃなかったら知らない世界でした」(斎藤さん)