デザインを「怖い」と思わない人たちが、生成AIでデザインする怖さ
私はこのデザインという仕事、個人的にはとても倫理観(モラル)を持っておくのが大事なことだと思っています。
それは、ビジュアルも文字も、人にわかりやすく伝達する手段・道具であるので、裏を返せば人を騙すこともできてしまうから。私はデザインが好きだけど、同時に「怖い」という感覚を持っています。
かつてデザインの歴史を学んだ時に印象的だったのが、戦争や政治のプロパガンダポスターも多く登場することです。
下記の書籍紹介の記事にあるように、負の意味でとても巧妙にデザインが利用されることもあります。
また、少し前には、UIでは「ダークパターン」というワードも広まり、日本でも国民生活センターや消費者庁もとりあげたり、書籍も出たりしています。
ダークパターンとはユーザーを騙し、人々の判断を誤らせるインターフェー スです。このダークパターンによって、プライバシーを侵害したり、お金を余計に使わせるような問題が発生しています。
■ダークパターン その構造と向き合い方(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/meeting_materials/assets/consumer_system_cms101_220922_01.pdf
■いわゆる『ダークパターン』に関する取引の実態調査(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/future/icprc/research_010
誰もが制作物にリスペクトを持つのが難しいからこそ、権利がある
そして、そんな中、最近は生成AIの進化が目まぐるしく、非デザイナー・クリエイターも手軽にクリエイティブを作って世の中に発信できるようになってきました。
だからこそ、私が心配になるのは、権利や倫理まわりです。
クリエイティブにリスペクトを持って敬意をはらうことは、結構作る側になってみないとなんだかんだ理解をするのは難しいのではと個人的には思っています。だからこそ、権利や法律の整備が必要になってくるとも感じます。
これは、著作権が生まれた経緯を知ると、なるほどな感じなので、よかったらその辺りをわかりやすく解説してくれている、明和電機さんの魚コードのコピー問題を取り上げた下記のジャーナルがオススメです。(無料でPDFもあげてくださってます。)
AIで早くなって、見失い出していること
直近とても驚いたのが、このウテナ モイスチャーの広告です。
この物議になる前に、下記の記事を読んで知った時は、ターゲティングもうまくてAI活用事例としても面白いなぁと思っていたんです。まさに私もドンピシャ世代なので、普通にコラボしてるんだと勝手に思っていました⋯。(そういう意味でも、私自身も騙された!と感じる出来事でした。)
それも、この広告が取り下げとなったことを知る直前に、下記のヤスヒサさんの「AIで早くなって、何が見えなくなったのか」という記事を読んで、ほんとそうだよな⋯と頷いていた矢先の出来事でした。この記事自体は権利や倫理観の文脈ではないのですが、このスピード感の中で見えなくなっているものの一つかもしれないと。
ウテナ モイスチャーの広告は法的に問題ないことを盾にはしているものの、それだけでは不足していて、倫理観も必要なことを示していると言える事例ではないでしょうか。
AIで低予算・スピーディーにクリエイティブできた〜!法的にもバッチリ! → SNSで炎上、ブランドイメージも低下は、全然他人事じゃないのがこの事例の恐ろしいところでもあります⋯。
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クリエイティブにリスペクトを持ち、デザインの怖さを知っている私たちには何ができるのでしょうか。何をすべきなのでしょうか。それともこのまま時代の流れに押し潰されていくのでしょうか。
生成AIという大きな光の下で伸びる、大きな影に、
私は恐怖し、考えています。
(それとも、考えすぎでしょうか?
考えすぎだと笑えている未来であって欲しい。)
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※補足
私自身、日常的に生成AIを使っています。この記事はAIへの賛否というより、「デザインと向き合ってきた人間として、いま感じている揺らぎ」を書いたものです。
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