留学生の学費を2・5倍に引き上げ国立大最高額の133万円とする案、受け止め様々…「親が高所得者層の学生ばかりになりかねない」「支援は手厚く仕方がない」
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岡山大(岡山市)が2027年度分から、留学生の学費を現状の2・5倍に引き上げ、国立大の最高額とする方針案を3月に発表した。大学側は「留学生の支援体制の拡充」や「国際化の推進」などを挙げ、学生や教授らからの意見を踏まえて6月にも最終決定する。しかし、値上げ案についての受け止めは様々だ。(佐々木伶)
岡大の授業料はこれまで、日本人も留学生も国立大の標準額とされる年間53万5800円だった。大学の裁量で日本人は1・2倍まで、留学生は制限なしに引き上げることが可能で、岡大は来年度入学の学生から日本人は上限の64万2960円、留学生は2・5倍の133万9500円とする方向で調整している。
学生の国籍を問わない値上げは既に、東大や千葉大など10大学が実施していて、ほとんどの学部は1・2倍への引き上げ。東北大と筑波大では来年度から留学生を対象にした値上げを予定しているが、上げ幅の大きい東北大でも約1・7倍の90万円としている。
文部科学省の調査では、私立大でも25年度の授業料平均額は96万8069円なので、岡大の値上げが現実となれば、突出して高くなる。
岡大は値上げした授業料の使い道について、24時間対応の留学生向けコールセンターの開設、日本語教育プログラムの拡充などを挙げていて、「受益者負担の観点から留学生の上げ幅を大きくした」と説明している。
岡大では昨年5月時点で、大学院生を含む938人の留学生を受け入れている。
宮川陽名准教授の紹介で、記者は4月28日、留学生や日本人、海外にルーツを持つなど多様な学生が、英語で開講される授業でともに学ぶ「グローバル・ディスカバリー・プログラム(GDP)」の学生らに話を聞いた。
17年に開設されたGDPでは、現在、23の国と地域から235人が学んでいる。奨学金とアルバイトで学費や生活費をまかなう学生も少なくないという。
2年生は「岡山大は多様な学生がいるのが特徴だが、学費を上げれば親が高所得者層の学生ばかりになりかねない」と指摘。金銭的な支援制度の不安定さに対する懸念を口にする学生もおり、3年生は「安定して安い学費こそが一番のサポートだ」と訴える。他にも「日本語のレベルはそれぞれ異なる。ひとくくりで支援が必要な存在と決めつけるのはおかしい」といった意見もあった。
他の学部の学生にも意見を聞いた。留学生との交流が楽しみだという教育学部2年の学生が「本当にそんなに費用がかかるのか、というのが率直な感想。値上げで留学生から選ばれなくなれば悲しい」と話す一方、工学部3年の学生は「学生寮など現状でも留学生の方が支援は手厚く感じる。値上げは仕方ないのでは」と大学側の案に理解を示していた。
宮川准教授は「GDPが大切にしてきた多様な学生が集い、学び合う場が失われてしまう」と懸念する。
3月の記者会見で、那須保友学長は「授業料の安さではなく、研究やサポートの質で選ばれる大学にしたい」と述べた。経済的な理由によって進学や留学の機会が損なわれるとの懸念についても、成績優秀な留学生に対する経済的支援の強化、授業料免除枠や給付型奨学金制度の拡充などを示している。
それでも困惑する留学生らの状況を大学に伝えると、学事担当の佐藤法仁副学長が取材に応じ、「入学前に実際に支払う金額のめどが分かるよう、どのくらいの奨学金がもらえそうかなどの説明を丁寧に行い、留学希望者にアピールしたい」と語った。
留学生教育学会前会長の近藤佐知彦・明治大特任教授の話
「世界的に見れば、現状でも国立大の留学生支援はかなり手厚い。授業料を大幅に引き上げてまで何を充実させるのか、疑問が残る。岡山大に限らず、一般的に留学生には給付型奨学金しかない。値上げをするのであれば、日本人学生と同様の貸与型も作るなど、より多くの学生が助けられる新たな仕組みを検討してほしい。返済しない場合は、後から学位を