魔女の宅急便の「私このパイ嫌いなのよね」の子、宮崎駿作品における正論メスガキとして完成度が高すぎるんよね。
あのシーン、キキ目線だと最悪。雨の中で苦労して届けたのに、本人の前でバッサリ否定される。そりゃ傷つく。でも宮崎駿本人は、あの子をただの嫌な子として描いてない。
むしろ「あれは嘘をついていない、正直な言い方」と見てるんよ。
ここがめちゃくちゃエロい。
祖母の愛情は本物。キキの仕事への誠実さも本物。でも孫の「また送ってきた、いらないのに」という本音も本物。誰も完全な悪人じゃないのに、善意だけが一方的に美談として通らない。
しかも宮崎監督は、キキがあそこで「仕事の現実」を知る場面として描いている。感謝されるために届けたんじゃない。お金をもらったから運んだ。もし感謝されたら、それは幸運だったと思え、という世界。
少女向けファンタジーの中に、善意の重さ、労働の冷たさ、家族のすれ違いを一言でぶち込んでくる。
あの子は嫌な子じゃないんよ!
宮崎駿が「世の中ってこういうもんだよ」とキキに突きつけるために配置した、あまりにも正直すぎるメスガキなんよね。