【インドネシアニュース】スラバヤ詐欺拠点で日本人女性2人を救出、その他4人の日本人を含む容疑者計44人を拘束
インドネシア東ジャワ州のスラバヤ警察は8日、国際的な特殊詐欺に関与したとして、日本、中国、台湾などの外国籍41名とインドネシア人3名の合計44名を容疑者として拘束したと公式に発表しました。この事件では、拠点に監禁されていた日本人女性2名が命がけで救助を求めたことが、巨大な犯罪シンジケートの解明へとつながりました。
総勢44人の多国籍詐欺グループを摘発
スラバヤ警察のルシー・スリスティアワン署長が記者会見で明らかにしたところによると、警察は4月22日の電撃的な捜索を皮切りに、スラバヤ市内の計3カ所の拠点を摘発しました。拘束された44名の容疑者の内訳は、中国籍、台湾籍、そして日本人4名(イニシャルIR、AO、AP、ES)を含む多国籍な構成となっており、これに現地での物資調達や住宅契約を担当していたインドネシア人3名が加わっていました。このグループは少なくとも2年前から現地に潜伏し、組織的に日本や中国の居住者を標的とした詐欺を繰り返していたとみられています。
日本人女性2名の救出が導いた事件解決
事件発覚の端緒となったのは、拠点に監禁されていたキクチ・ユリアさんとシカウラ・ミドリさんの日本人女性2名による救出要請でした。彼女たちは外部との連絡を遮断された状態で詐欺業務への加担を強要されていましたが、4月22日、監視の目を盗んで隠し持っていたスマートフォンのGPS機能を利用し、日本の家族へ自身の位置情報を送信することに成功しました。この情報が在スラバヤ日本国総領事館を通じて現地警察へ伝えられたことで、警察は高級住宅街「ダルマ・フサダ・プルマイ」にある拠点を急襲し、女性2名の救出と現場にいたメンバーの拘束に至りました。
偽の「タイ求人」と勧誘役「黒川」の影
被害に遭った女性たちの証言により、犯行グループの極めて狡猾な勧誘手口も明らかになりました。彼女たちはSNS上で「黒川」と名乗るアカウントから、「タイでのウェイトレスやオペレーターとして月収数十万円が可能」という嘘の求人情報を提示されていました。当初はタイでの就労を目的として日本を出国した彼女たちでしたが、移動の途中で言葉巧みにインドネシアのスラバヤへと誘導され、到着後すぐにパスポートと携帯電話を没収される「強制労働型」の詐欺に巻き込まれていました。
日本の警察を完全再現した「劇場型」設備
拠点の内部からは、日本人被害者を心理的に追い詰めるための驚くべき設備が多数発見されました。特殊な防音加工が施された14個の電話ブース内には、日本の警察官の制服や階級章、ビデオ通話の背景として使用される「日本の警察署内部」を精巧に模した大型パネルが設置されていました。さらに、日本の警察のロゴが入った偽の逮捕状や差押状といった公文書までもが用意されていました。現場での指示役とされる「アカイ」を名乗る人物の指導のもと、容疑者らはこれらの小道具を使い、日本の高齢者に対して「あなたはマネーロンダリングの容疑で指名手配されている」とビデオ通話で迫り、本物の警察官を装って数億円規模の現金を詐取していたとみられています。
4月22日の電撃捜査から公式発表までの全容
実際の摘発と邦人6名の拘束は4月22日に行われていましたが、5月8日の公式発表まで2週間以上の期間を要した背景には、広域にわたる徹底した追跡捜査がありました。警察は拘束直後から、他都市に逃走した共犯者の行方を追っており、セマランの高速道路サービスエリアで組織のリーダー格とされる中国籍の男を逮捕し、さらにバリ島での共犯者摘発を完了させたことで、ようやく事件の全容公表に至りました。現在は日本国内の警察当局とも緊密に連携しており、逮捕された日本人容疑者4名の強制送還と、背後に潜む国際的な犯罪ネットワークの根絶に向けた捜査が継続されています。
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