『法律時報』2026年4月号にて「小特集:自律の夢から醒める―法学と哲学の往還 その1」という企画に参加しました。
刑法における法益を個人の自律性から還元的に理解することを試みる菊地一樹さんの提題をふまえて、自律とは何かについて法学者と哲学者数名で議論しました。
ふだん法学領域の方と突っ込んだ議論をする機会がないので、学びの多い機会となりましたが、刑法性犯罪(不同意性交等罪)が重要なテーマの一角を占めるなか、どうすれば安全な学術的議論が可能なのか、葛藤した企画でもありました(結果としてうまくいったとは言えません)。
わたし自身は、あまり専門的なことは述べていませんが、個人の自律性(非強制性)の擁護と構造的不正義の関係をどう理解すべきか、倫理学と法学のアプローチの違いがありうる点について、座談会中ですこし論じています。
※座談会中で述べた孤立死産が死体遺棄に問われるケース(グエットさんが起訴された件)については、本誌刊行後に有罪が確定しました。刑法の限界を示す例だと思います。