粉飾・譲渡契約で不手際…法人配送サービス、倒産の顛末
法人向け配送サービスなどを手がけていたマンハッタンサービスは、2025年11月に民事再生法の適用を申請したが、26年1月に破産手続きに移行した。設立後しばらく休眠していたが、03年3月に現代表に買収され現商号となった同社は、メール便や食品配送などの物流サービス、リサイクルトナーなどの販売事業、買い物かご洗浄事業といった分野の最大手から顧客基盤を引き継ぐなどして、M&A(合併・買収)を進めて事業を拡大。22年9月期に売上高約14億4500万円を計上し、決算書上では過去10年、ほとんどの期で黒字を計上し順調に見えた。 しかし、コロナ禍で収入が減少する中、配送センターなどへの先行投資による有利子負債が負担となり、23年ごろから中小企業活性化協議会のもとで私的整理による再建を模索。スポンサーへの事業承継を目指したが、その過程で収入の過大計上や費用繰り延べなどの長年にわたる粉飾決算が判明。実際は過去10期中8期で経常赤字だったことが明るみに出た。 さらに、スポンサー候補者との交渉を進める中で資金がショートする可能性を受け、関係者らの承諾なしに同候補者より借り入れをしてしまった。その影響で同候補者が同社の主要な事業を行う子会社の株式を取得していたことが発覚。スポンサー側と金融債権者側で譲渡金額をめぐる見解の相違も背景にあった。正式な譲渡契約なしに実質的に事業が譲渡されたという異例の事態となったため、公正中立的に事業譲渡を行うべく民事再生法の適用を申請。しかし、主要な事業が同社にない状況であったため再生計画案の作成の見込みが立たず、申請は棄却された。 私的整理で開始した再建は、全ての債権者の同意が必要だが、債権者同士の見解に相違があるのに、一方の意向で話を進めてしまうと、信頼関係を毀損する。その後、同社は当初の候補者と正式に事業譲渡契約を結んだが、破産という形となってしまった。(帝国データバンク情報統括部)