絵本「スイミー」模し参政党を宣伝? 出版元「不正利用」と抗議

絵本「スイミー」の出版元・好学社はホームページで抗議する意向を示した=スクリーンショットより 拡大
絵本「スイミー」の出版元・好学社はホームページで抗議する意向を示した=スクリーンショットより

 世界的に著名な絵本「スイミー」(レオ・レオニ作、谷川俊太郎訳)の絵や文章を模して、参政党を宣伝する内容のイラストがX(ツイッター)上で拡散している。

 出版元の好学社(東京都港区)は8日、ホームページ上で「一切許諾していない」として抗議する意向を示した。

問題のイラストの内容は?

 絵本「スイミー」は、小さな黒い魚のスイミーが、他の赤い小さな魚たちと集まって「大きな魚」となり、巨大な敵を追い払う――というストーリーだ。

 今回問題となったイラストは「参政党」のタイトルを掲げ、党のカラーであるオレンジ色の小さな魚が、大きな魚の形の大群となる絵が描かれたものだ。魚の目の部分には神谷宗幣代表の顔写真が入っている。

 絵本を模倣したとみられる文章も添えられている。

参政党ホームページには「ひとりひとりが日本」というキャッチコピーが掲載されている=スクリーンショットより 拡大
参政党ホームページには「ひとりひとりが日本」というキャッチコピーが掲載されている=スクリーンショットより

 「ちいさなかしこいさかなのスイミーはかんがえました。『みんなでいっしょにおよげば、こわいものなんてこわくない』」などという文章に続き、「小さな声が未来をつくる。一人ひとりが日本」というキャッチコピーを掲載している。

参政党「党公式ではない」

 <好きな絵本の一つが政治利用されるとか、、本当に許せない>

 <絶対無許可だと思った>

 <人の権利や倫理観は眼中にないのか>

 X上では、投稿に対する批判の声が次々と上がった。その後、投稿は削除されたとみられる。

開票センターで衆院選を振り返る参政党の神谷宗幣代表=東京都新宿区で2026年2月8日午後8時16分、和田大典撮影 拡大
開票センターで衆院選を振り返る参政党の神谷宗幣代表=東京都新宿区で2026年2月8日午後8時16分、和田大典撮影

 参政党広報部は取材に対し「党が公式に発信したものではない」と回答した。

 イラスト内の参政党のロゴマークは党公式のマークとは異なる。支持者や関係者による創作とみられる。

 一方、版元の好学社はホームページ上でコメントを発表した。

 イラストについて、「『スイミー』の絵及び文章を模倣し、特定の宣伝と思われる目的でSNSに投稿等している事例を確認いたしました」と指摘。「著者及び翻訳者の権利を侵害する不正利用であり、当社は版元として厳重に抗議するとともに、厳重に対処してまいります」とした。【田中理知】

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