「予算をとれる提案書」と「とれない提案書」、その構造的な違い(14,000文字)
「渾身の提案書を出したのに、なぜか通らなかった。」
こんな経験、一度や二度はあるのではないでしょうか。
内容には自信があった。競合より機能も価格も優れている。担当者の反応も悪くなかった。それなのに、気がつけば「今期は見送ります」の一言で終わっていた。
私は長く事業会社の役員や、ファンドの投資先の経営に関わってきたため、「提案を受ける側」にいることがほとんどでした。そして今はBtoB企業の営業のアドバイスをしている立場にもなり、両者のズレを修正していたりします。正直に言うと、提案書が通らない理由は、提案書の"中身"ではないことが意外と多い。
提案書が通らない本当の理由。それは、「誰が、どんな場面で、何のために読むか」を無視した構成になっていることです。
この記事は私がBtoB企業の営業のアドバイス(1時間30万円)をするときに提供しているメソッドです。特に経営者やマネジメント層向けに書いていますが、レベニューシェアの営業の方などにも使える内容にしています。金額は3万円に設定していますが、一つ案件取れれば余裕で回収できますので、ぜひ読んでいただき、すぐに提案書を変えてみてください。
使い方の例として、この記事をClaudeのプロジェクトを作成して、ファイルに読み込んでください。そしてご自身や社員、部下の提案書を追加していただき、差分を見つけて、資料をブラッシュアップいただければと思います。
この文章をそのままでも使えますが、より使いやすいように文章末にそのまま使えるプロンプトもご用意しましたので、お役立ていただけたらと思います。
※無料で公開していたものに、具体的なActionに落とし込めて結果が出せるように大幅に加筆して、「受注できる営業資料ブラッシュアップマニュアル」としてリライトしたものです。またClaudeプロジェクトを使ってご自身の資料のブラッシュアップができるようにプロンプトも作りました。決裁される側の視点から、予算が通る提案書と通らない提案書の構造的な違いを提案側の企業に向けて書いています。
まず大前提として:提案書は「読まれていない」
これを最初に理解しておく必要があります。
決裁者、つまり部長・役員・社長といった人たちは、提案書を「熟読」しません。
彼らのカレンダーは会議で埋まっていて、部下からの報告、承認待ちの案件、対外的な打ち合わせが常に積み重なっています。提案書を読む時間があるとすれば、会議の直前の数分か、移動中のスマホか、あるいは「これ、どういうこと?」と担当者に聞くかのどちらかです。
ではその提案書を実際に社内で広め、上位者に説明しているのは誰かというと、現場の担当者です。
つまり、提案書の本当の役割は「担当者が社内を説得するための武器を渡すこと」なのです。
どれだけ美しいデザインで、詳細な機能説明が書いてあっても、「担当者がこれを使って上司を説得できるか?」という視点が抜けていたら、提案書としては機能していません。
通らない提案書の3つのパターン
長く決裁される側にいて、何百という提案を受けてきた経験から言うと、通らない提案書には共通のパターンがあります。
パターンA:「自社視点」で書かれている
最も多いのがこれ。
「業界シェアNo.1」「受賞歴多数」「導入実績○○社」「機能一覧」——こういった情報が提案書の前半を占めている場合、どうでもよい。。。
それは自社紹介資料であって、提案書ではありません。
決裁者が知りたいのは、「あなたの会社がどれだけ優れているか」ではなく、「うちの会社がこれを使うと、何がどう変わるのか」です。視点が完全に逆です。
受け取る側からすると、「あなたのことより、うちの話をしてほしい」というのが正直なところです。
パターンB:「現場語」で終わっている
担当者レベルには刺さっても、上位者には届かない提案書があります。
「作業工数が月30時間削減できます」「このツールを使えば入力ミスが減ります」——これらは担当者には響きますが、役員や社長にとっては「だから何?」で終わります。
上位者が見ているのは、事業全体の数字です。売上、利益、コスト、競合優位性、リスクヘッジ。「月30時間の削減」が年間でどの程度のコスト効果になるのか、その分のリソースが他に転換できるとどんな事業インパクトがあるのか——「現場語」を「経営語」に翻訳されていない提案書は、決裁の場でスルーされます。
パターンC:「誰が決めるか」を無視した構成
これが一番もったいないパターン。
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