法務省インターネット上の名誉権侵害等の 損害賠償額等に関する調査報告書の問題点
法務省が令和8年4月28日、「インターネット上の名誉権侵害等の 損害賠償額等に関する調査報告書」を公開した(以下「本報告書」という。)。
しかし、本報告書は以下の2つの重大な問題を孕んでいるというほかない。
1 高等裁判所で既に取り消された事件が掲載されている事
2 なりすまし被害者への提訴や「妊活詐欺」批判者への提訴等の卑怯な手法を用いた金儲けを助長していること
以下詳述する。
1 高等裁判所で取り消された事件が掲載されている事
本報告書15頁では、はあちゅうこと伊藤春香が三浦義隆弁護士を提訴して、30000円勝訴したとの判例(以下「54番事件」とする。)が掲載されている。
しかし、この事件はそもそも、伊藤春香が「「童貞の飲み物って私統計ではダイエットコーラか午後ティーで、たまにダイエットとかいって黒烏龍茶飲んでるんですよ。シュワシュワと優しい甘味が好きなのだと推察。」などと童貞を嘲笑する投稿をしたのに対し、三浦弁護士が「「よくここまで馬鹿にできたと関心できるレベル。」と引用投稿。さらに第三者が「某は童貞でござった」と投稿したのに対し、三浦弁護士が「はあちゅうに筆おろししてもらいなさい」と投稿したというものである。
このように、54番事件は、そもそも伊藤春香が童貞を侮辱・嘲笑したことに端を発するものであり、伊藤春香が多少の不快感を感じたとしても、自業自得と言う他ない。にもかかわらず、泥棒に追い銭とばかりに30000円もの賠償を認めた地裁の判決は、誤審と言うべきである。
この点を措くとしても、東京高等裁判所は、令和4年8月24日、54番の判決を取り消して請求棄却判決を言い渡している(令和4年(ネ)第4663号)。
法的に取された判決をあたかも有効であるかのように掲載することは、いわば虚偽の情報を提供することなのであり、極めて不適切である。
2 なりすまし被害者への提訴や「妊活詐欺」批判者への提訴等の卑怯な手法を用いた金儲けを助長していること
(1) 伊藤春香が原告となった事件が多数掲載されている事
本報告書には、伊藤春香が原告となり、偶々一部勝訴した事件が多数掲載されている。
① 7番 令和3年(ワ)第11483号
➁ 14番 令和3年(ワ)第20036号
➂ 20番 令和3年(ワ)第25111号
④ 40番 令和3年(ワ)第20481号
➄ 42番 令和3年(ワ)第26729号
⑥ 50番 令和3年(ワ)第25108号
⑦ 54番 令和3年(ワ)第8869号
⑧ 66番 令和3年(ワ)第21091号
(2) 伊藤春香による「当たり屋」とも言うべき卑怯な行為を助長していること
伊藤春香は、①挑発的な投稿で侮辱的投稿を引き出して提訴する、➁真実を述べた者を提訴する(示談を持ちかけることも含む)、などの「当たり屋」的な手法を用いており、本件報告書はこれらの手法を助長する可能性がある
ア 挑発的な投稿で侮辱的投稿を引き出す手法
54番事件では、童貞を侮辱することにより三浦弁護士の投稿を引き出し、提訴に至っている。
この他にも、訴訟代理人の福永活也とともに、批判者を「物の怪」と挑発し、これにのって、「ゾンビ」と投稿したげすやまげすみ(ペンネーム)を提訴した事件もある(令和3年(ワ)第24338号。以下「げすみ事件」とする。)。
げすみ事件は、54番事件と異なり、東京地方裁判所が令和4年8月30日に請求を棄却している。この事件では、伊藤春香の卑怯なやり方に義憤を感じた弁護士が比較的安価な着手金で受任したため、請求棄却となった。しかし、このような弁護士が見つからなかった場合は、げすみ氏のような者が示談に応じて金をだまし取られた可能性も十分にあったのである。
なお、伊藤春香は「(1)で掲げた事件について福永活也弁護士に委任しているが、同弁護士は、他の依頼者に対して、「批判者を挑発して暴言を引き出して提訴する」ことを提案している。
本報告書は、このような被害を拡大させるおそれを拡大するものであり、極めて不適切である。
イ 真実を述べた者を提訴し、又は示談交渉する手法
伊藤春香は、平成30年1月17日に妊娠を認識したにもかかわらず、同年3月に至るまで、「生理が来た」などと、妊活中であるとの虚偽の発信を継続して居た。
このことは、「妊活詐欺」として強い非難を受けたが、伊藤春香は、みずから上記のような発信をしながら、「妊活詐欺」と投稿した投稿者を提訴した。
このうち、トイアンナと、小林医師は、高額の着手金を支払って弁護士に委任したため、当然のように請求棄却となった(トイアンナにつき東京地裁令和2年ワ20028号・同高裁令和3年ネ5541 。以下「トイアンナ事件」小林医師につき令和2年(ワ)第31895号。以下「小林事件」とする。)。
これに対し、有山貴清(以下「有山」とする。)は、民事訴訟の被告となったのが初めてだったため、訴状を公開して助力を募った。この際、うっかり伊藤春香の住所を消し忘れた。このため「妊活詐欺」は真実として請求棄却となったことはいうまでもないが、住所を無断で公開したことにより22万円もの大金を支払う事になった(令和3年(ネ)第4662号)。
有山に落ち度があったことは否定できないが、もともとは、棄却されるべき請求をされたことを考えると、伊藤春香が22万円もの大金を手にしたことは、正義の観念に反すると考えられる。
(ウ) 自らなりすまし行為をして被害を投稿した投稿者を提訴する手法
伊藤春香の卑怯な手法については枚挙にいとまがないが、特に甚だしきは、令和5年(ワ)2002号である。
伊藤春香は、自ら「ねこぴ」になりすましをしておきながら、なりすましの被害を投稿した「ねこぴ」を提訴している。これなどは、訴訟詐欺そのものと言ってよく、東京地方裁判所は、なりすましをしたことも、提訴をしたことも違法であるとして、藤春香に賠償を命じている(令和5年(ワ)2002号)。
(3) 小括
このように、自らなりすましをしてその被害を投稿した者を提訴する、自ら妊活詐欺をしておきながら、妊活詐欺と投稿した者を提訴する等、伊藤春香は卑怯な手法を繰り返し用いているというほかない。本報告書が伊藤春香を「被害者」として紹介することは、同人の卑怯な金儲けを助長するものであり、極めて不当である。
3 結語
以上のとおり、本報告書は、①判決が取り消された事件が判例として掲載されている点、➁伊藤春香の卑怯な手法を助長している点において、極めて不適切である。
以下は、何もありません。
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