Azure Content Understanding(Foundry Tools)が一般提供(GA)へ
Content Understanding が一般提供へ
今年の Microsoft Ignite にて、Azure Content Understanding(Foundry Tools)が 一般提供(GA) となったことを発表できることを嬉しく思います。
これまで数ヶ月にわたり、大手コンサルティング企業からヘルスケアリーダーまで、さまざまな業界でプレビュー利用が進み、寄せられたフィードバックが今回のリリースに反映されています。
今回の GA では、モデル選択の柔軟性とコントロール、プロダクション品質、リージョン拡大、対応シナリオの拡充 を実現しました。さらに、Microsoft Foundry Models、Azure AI Search を基盤とした Foundry IQ、エージェントエコシステムとの統合が強化され、より簡単にインテリジェントなソリューションを構築できるようになっています。
日本リージョンも!
以下、新機能を順に紹介します。
コンテンツ理解が Foundry Models と直接接続可能に
プレビュー期間で最も多かった要望の1つが「自分の Gen AI モデルデプロイを使えるようにしてほしい」でした。
今回、それが可能になりました。
Content Understanding を、以下のような 任意の Foundry モデルデプロイメントに直接接続できるようになりました:
ユースケースに応じて品質とレイテンシのトレードオフを調整
従量課金または PTU(プロビジョニングスループット)を利用し、コストの最適化とデプロイ統合が可能
グローバル/データゾーンデプロイメントを柔軟に活用
Content Understanding は、OCR、レイアウト、文字起こし などを専門モデルで処理し、フィールド抽出・セグメンテーション・図表解析 は GenAI が担当する構造です。これにより 予測可能なコストで高品質な出力 が得られ、アーキテクチャも明確です。
また、リージョンは 12 地域に拡大 (日本含む) 。データレジデンシーの選択肢が増え、グローバルワークロードのレイテンシも改善しています。
すぐに使える「プリビルトアナライザー」で価値創出を加速
従来のカスタムアナライザーに加え、今回の GA では以下のような 主要ユースケース向けのプリビルトアナライザー が提供されます:
RAG 用インジェスション
金融
調達
その他多くの代表的なシナリオ
これらは Azure Document Intelligence で特に人気だった機能を、Content Understanding 上でさらに拡張したものです。
RAG に特化したアナライザー
RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、回答を 文脈に基づき正確かつ適切に 生成する必要があります。そのためには、非構造化データを 意味構造を持つ知識データ に変換する必要があります。
GA では、RAG 専用のアナライザーが以下を実現します:
ページを跨いだ 表抽出
段落・セクション抽出
図表の解析
この構造化により、RAG が返す回答の 根拠の品質が大きく向上 します。
レイアウトを理解したドキュメント強化
Content Understanding では、さらに以下が可能になりました:
複数ページに跨る表を Markdown または JSON の単一テーブル構造 に統合
図表の解析と、Chart.js / Mermaid.js 形式での構造表現へ変換
見出し・セクション・注釈を反映した レイアウト認識 Markdown の生成
これは従来のチャンク生成より圧倒的に情報密度が高く、検索精度・回答精度が大幅に向上 します。
RAG 用プリビルトアナライザーのカタログ拡充
文書に加え、動画・音声・画像 向けのアナライザーも追加され、RAG 向けの構造化出力をトレーニングなしで得られます。
詳細:
Foundry Tools の事前構築済みアナライザーでの Azure コンテンツの解釈 - Foundry Tools | Microsoft Learn
高品質な抽出と「組み込みの強化機能」による高度なデータ表現
抽出結果は単なるテキストではなく、以下を含む 高度な構造化データ に変換可能です:
サマリー
セグメンテーション
カスタムスキーマ
これにより、下流のモデルが 理解しやすいデータ を受け取り、
質問応答、要約、検索において 精度と関連性が向上 します。
ドメイン特化アナライザー
新しいドメイン特化アナライザーにより、以下の領域の IDP(Intelligent Document Processing)が加速します:
金融(ステートメント、税フォーム、W-2/1099)
契約・調達(契約書、請求書、発注書)
住宅ローン・融資
本人確認
豊富な実例から構築された知識ベースに基づく フィールド抽出 が可能です。
Foundry Tools の事前構築済みアナライザーでの Azure コンテンツの解釈 - Foundry Tools | Microsoft Learn
Foundry IQ と Azure AI Search との統合
図表解析、レイアウト認識強化などの機能は、Azure AI Search / Foundry IQ の 両方で利用可能 になりました。
これにより、以下が実現します:
エージェントワークフローでも、エンタープライズ検索でも同じ品質のコンテンツ理解が利用可能
追加パイプライン不要で、埋め込み・メタデータが強化された検索 を提供
詳細:Azure Content Understanding スキル - Azure AI Search | Microsoft Learn
エージェントが Content Understanding をツールとして利用可能に
エージェントが正しく動作するには文書の文脈が欠かせません。
Content Understanding は以下を提供:
すべてのファイル形式の 統一された表現
マルチモーダルに共通する 一貫したスキーマ
ドメイン特化アナライザーの活用で、抽出の高速化
今後:MCP サーバー対応により、マルチエージェントとの統合が可能に。
文書処理のアップグレード
分割と分類(複雑な文書への対応)
複数の文書が1つにまとまったファイル(例:ビザ申請)を自動で分割し、それぞれに適切なアナライザーを適用できます。
金融、政府、医療など、文書が複合的な現場で大きく役立ちます。
コスト削減と柔軟性向上のための制御機能
GA では、以下の改善が加わりました:
すべての抽出方法で 信頼度スコア(confidence) と 根拠(grounding) が利用可能
フィールドごとの制御
抽出方法の自動選択(extract/generate の手動指定が不要)
複雑なオブジェクト型に対応したスキーマ
read / layout モードや mini / nano モデルの選択
結果として:
コスト削減
レイテンシ低減
適切な構造化アウトプット
ストレート・スルー・プロセッシングの実現
今後の推奨アプローチ
Content Understanding は、今後の ファイル処理ワークロードの推奨出発点 です。
Document Intelligence の強みを継承しつつ、以下を提供します:
Foundation Model によるフィールド抽出
マルチモーダル対応
RAG 最適化
Foundry のアナライザー統合
お客様事例
KPMG:複雑な監査文書を構造化し効率化
KPMG Clara AI は Content Understanding を統合し、請求書、銀行明細、リース契約などを構造化し、高精度かつ監査可能なデータへ変換。
“数百万の文書をインサイトへ転換し、生産性と監査品質を向上させている” — KPMG
DataSnipper:非構造データを Excel で扱える構造データに変換
AI Extractions が Content Understanding を活用し、銀行明細・給与レポートなどを構造化し、Excel で直接利用可能に。
— CEO Vidya Peters
「信頼できる AI により、監査作業の精度と効率性を向上」
SJR:Web パーソナライゼーションを高度化
SJR の GX Manager が Content Understanding を組み込み、パーソナライズされたデジタル体験を実現。
今日から始めよう
最も ROI の高いユースケースの1つが 契約書やフォームの抽出 です。
負荷の高いプロセスを1つ選び、Content Understanding を適用して構造化データを生成してみてください。
Microsoft Foundry の新しい UI で利用を開始できます。
Ignite セッション(オンデマンド)
リソース
https://learn.microsoft.com/en-us/azure/ai-services/content-understanding/overview
GitHub サンプル:https://aka.ms/cu-samples


コメント