日本はこのまま崩れ去ってしまうのか? 道路、鉄道、水道、インフラ、橋……なぜ全国各地で次々に事故が起きるのか? お金も人も足りない……打つ手はあるのか?
注目の新刊『日本のインフラ危機』では、私たちの暮らしを揺るがす「大問題の正体」を豊富なデータと事例から解き明かす。
(本記事は、岩城一郎『日本のインフラ危機』の一部を抜粋・編集しています)
郡山市のアセットマネジメント
私の職場のある福島県郡山市の話をします。
郡山市は面積約757平方キロメートル、人口約32万人、管理橋梁数は約800で、じつは仙台市に続く、東北地方人口第二の都市です。市街地には若者の姿も多く見受けられ、夜の繁華街もそこそこ賑わっています。しかしながらこの人口の多くは市の中心にある都市部に集中しており、市の東側や西側の郊外部は東北地方の他の地域と同様に過疎化と高齢化が進む地域なのです(図表4-8)。
また、気象条件で考えると市の中心部と東側は寒冷地域に位置付けられますが、市の西側の山間地にある湖南町、熱海町、逢瀬町、三穂田町は中通りというよりは会津に近い気候のため、単なる寒冷地域ではなく積雪寒冷地域に属します。
このように考えると郡山市は人口動態と気象条件から、寒冷地域&郊外部、寒冷地域&都市部、積雪寒冷地域&郊外部という3つのエリアに分かれます。郡山市は表面的に見れば地方の中核都市ととらえられがちですが、インフラのマネジメントをおこなう上では3つのエリアに分けて各エリアの実状に合ったインフラの評価をおこない、優先順位を付けながら予算を配分していく必要があると考えています。
インフラのマネジメントという観点では、各自治体におけるインフラの状態を把握するとともに、そこにかけられる技術力や財政力を冷静に分析することが必要です。その上で、どうすれば合理的かつ効率的にインフラを最適な状態に保つことができるかを考え、身の丈に合った方法によりやりくりしていく手腕が求められるのです。
こうしたことはインフラの医療行為であるメンテナンスとは別のセンスが必要であり、多くの場合この役割は役所の職員が担うことになるのです。
さらに、「日本はこのまま崩れ去ってしまうのか…意外と気づかない「インフラ危機」本当の実態」」では、いま大問題として迫っているインフラ老朽化問題をひきつづき見ていく。
本記事の引用元『日本のインフラ危機』では、この国のインフラはどのような状態にあり、インフラはどう劣化し、どうすれば解決できるのか……ゼロからわかりやすく解説している。